【アイズルームの障害者就労支援と今後の提言】
特に障害者の就労支援と居住支援に重きを置き障害福祉コンサルタントとして活動をしております
障害者の就労支援:3つの選択肢とその詳細
障害者の就労支援には、主に以下の3つの形態があります。
1. 一般企業への就職
これは、障害の有無にかかわらず、一般的な企業で働くことを指します。近年では、障害者雇用促進法に基づき、多くの企業で障害者の採用が進められています。適切なサポートや合理的配慮が提供されることで、障害のある方も自身の能力を活かし、社会に貢献できる重要な選択肢です。企業で働くことで、安定した収入やキャリアアップの機会が得られるだけでなく、多様な人々との交流を通じて社会性が育まれます。
2. 就労継続支援A型事業所
就労継続支援A型事業所は、通常の事業所に雇用されることが困難な障害のある方が、雇用契約を結び、最低賃金以上の給料を得ながら働く場所です。事業所内で生産活動や作業を行い、一般就労に必要な知識や能力の向上を目指します。雇用契約に基づくため、労働基準法が適用され、安定した働き方と収入を得られる点が大きな特徴です。将来的には一般就労への移行を目指す方もいますが、A型事業所で継続して働くことも可能です。
3. 就労継続支援B型事業所
就労継続支援B型事業所は、通常の事業所に雇用されることが困難な障害のある方が、雇用契約を結ばずに、軽作業などの訓練を行いながら働く場所です。工賃(賃金ではなく、生産活動に対する謝礼)が支払われ、利用者のペースに合わせて柔軟に働くことができます。働くことへの慣れや体力向上、社会参加の機会を提供し、最終的にはA型事業所や一般就労へのステップアップを目指す方もいます。障害の状況や体調に合わせて、無理なく社会参加を継続できる点が利点です。
今後の就労支援のあるべき姿
障害者の就労支援は、単に「働く場所」を提供するだけでなく、個人の尊厳と豊かな人生を支える多角的な視点が必要です。
1. 「つながり」を重視した支援の継続
在宅ワークの増加は、多様な働き方を可能にする一方で、人との交流機会の減少という課題を抱えています。障害のある方にとって、仕事を通じた人とのつながりや、コミュニケーション能力の向上は、社会参加や精神的な安定に不可欠です。通勤による心身のトレーニングも、自立に向けた重要なステップとなります。事業所は、効率性だけでなく、利用者の社会性やコミュニケーション能力の育成を重視し、対面での交流機会やグループワークを積極的に設けるべきです。バーチャルとリアルの良い面を組み合わせたハイブリッドな支援体制の構築が求められます。
2. 切れ目のない地域生活支援の確立
障害者の高齢化と親亡き後の生活不安は深刻な問題です。障害年金とB型事業所の工賃だけでは生活が厳しく、生活保護に頼らざるを得ない現状は改善が必要です。就労支援と居住支援は密接に連携し、以下の点を強化すべきです。
経済的自立の支援強化: A型事業所や一般就労への移行を促進し、安定した収入が得られるよう、より実践的な職業訓練や就職支援を強化すべきです。また、障害特性に応じた新たな職域の開発や、企業へのインセンティブ付与も有効です。
多様な居住支援の拡充: グループホームやケアホームのさらなる整備はもちろん、一人暮らしを希望する方への生活支援員による訪問支援や、緊急時のサポート体制の構築が不可欠です。地域社会全体で障害者を支える仕組みを強化する必要があります。
相談支援体制の強化: 障害者本人だけでなく、家族が抱える不安や課題にもきめ細かく対応できる相談支援専門員の増員や、専門性の向上が求められます。早期から将来を見据えたライフプランニングをサポートすることで、親亡き後も安心して暮らせる環境を整えることができます。
3. 国による積極的な関与と多機関連携
障害者の自立を支えるためには、国が主導し、地方自治体、医療機関、福祉サービス事業所、企業、地域住民など、多様な関係機関が連携する体制を構築する必要があります。
制度の柔軟な運用と見直し: 時代の変化や障害者のニーズに合わせて、既存の福祉制度を柔軟に見直し、より利用しやすいものにする必要があります。特に、就労支援と居住支援が分断されず、一体的に機能するような制度設計が求められます。
地域包括ケアシステムの強化: 障害分野においても、医療、介護、福祉が連携し、地域で暮らす障害者を包括的に支援するシステムの構築が不可欠です。
アイズルームが考える「障害者の問題解決」は、社会全体の課題でもあります。
ITやAIの時代に入り、障害者でも新たな仕事が産まれています。