【麻に秘められた可能性と、知られざる大麻の真実】
先日、私たちが顧問を務める就労支援B型作業所を訪れた時のことです。麻の素材を使った手芸品を、通所されている利用者さんたちが熱心に作っていました。ボランティアの指導員の方の説明に耳を傾けてみると、とても興味深い話が聞けました。
「お相撲さんのしめ縄は麻素材でできている」「麻は邪気を払う」「耐久性があり、ものすごく長く使える」
麻の素材から作られた小さなストラップや手芸品が、すでにたくさんの商品になっているそうです。この手芸をB型の利用者さんたちにもっと学んでいただき、集中力を高め、仕事にやりがいを感じてもらえたら、これほど素晴らしいことはありません。作った商品をネットで販売し、売り上げが工賃につながれば、利用者さんの時給も上がります。
そんなことを考えていた矢先、国際的なお酒メーカーの代表が、大麻成分の使用・所持を巡って引責辞任するというニュースが飛び込んできました。
「麻」と「大麻」は、一体どう違うのだろうか?
「大麻はタバコと違って健康を害さない」というのは本当か?
麻を加工する際、葉っぱを扱っただけで罪に問われることはないのか?
これらの疑問を解決するため、今回AIアシスタントの力を借りて調べました。
1.大麻と麻、その関係性
「大麻」と「麻(ヘンプ)」は、どちらも植物学的には同じ「アサ」という植物に分類されます。しかし、法律上、そして社会的な役割においては明確に区別されています。
麻(ヘンプ)は、衣類、紙、建材、食用油などに利用される産業用のものです。日本の大麻取締法では、幻覚作用のある成分THC(テトラヒドロカンナビノール)がごくわずかしか含まれていない茎と種子の利用が認められています。日本の伝統文化で使われてきた麻は、この茎の部分です。
一方、大麻は、THCが多く含まれる葉や花穂などを指します。THCには幻覚作用があるため、日本の大麻取締法により、所持や栽培が厳しく禁止されています。
つまり、私たちが今、障害福祉の現場で利用を考えている麻の手芸品は、法律で定められた茎の部分を使用しており、規制の対象となる大麻とは全く別物なのです。
2.大麻は本当に健康を害さないのか?
「大麻はタバコと違って健康を害さない」という言説は、誤りです。大麻の喫煙は、タバコと同様に健康を害するリスクがあります。大麻の煙にも、タバコと同じようにタールや一酸化炭素などの有害物質が含まれており、肺がんや慢性気管支炎などの呼吸器疾患の原因になる可能性があります。
また、大麻の主成分であるTHCには依存性があり、記憶力や学習能力の低下を引き起こしたり、精神疾患の発症リスクを高める可能性も指摘されています。
「健康に良い」というイメージは、海外で進む医療用大麻の研究などが背景にあるのかもしれませんが、娯楽目的での使用には、明確な健康リスクが存在することを忘れてはなりません。
3.麻の葉を加工したら違法になる?
日本の大麻取締法では、茎と種子以外の部位(葉、花穂、根など)を扱うことは厳しく禁止されています。たとえ産業用の麻を栽培していたとしても、その葉を所持したり加工したりすれば、法律違反となります。
私たちが関わっている麻の手芸は、法律で許可された麻の茎から作られた繊維を使用しています。この厳格なルールを遵守することが、利用者さんを守り、安心して作業に取り組んでいただくために不可欠です。
アイズルームは、これからもこうした社会の疑問や問題に真摯に向き合い、ブログを通して発信し続けてまいります。過去のブログも、こちらをタップしてお時間のある時にぜひご覧ください。