【「トイレの壁」を越えていく – 排便障害が変える生き方、そして社会】
アイズルーム代表である私も、スポーツでの脊髄損傷が原因で、体調を崩すと排便障害に悩まされます。当社には、他にも様々な障害や病気で排便障害を抱え、ストーマ(人工肛門)を使用している仲間が少なくありません。
排便が困難になると、日常生活は一変します。常に排泄の心配をしなければならず、外出には時間がかかり、仕事も大きな制約を受けます。便失禁の不安から、外出先での食事や飲み会への参加を諦めざるを得ないこともあります。人工肛門を使用している場合は、用具の定期的な洗浄など、精神的にも肉体的にも負担が大きくなります。
私たちは、このような困難を抱える人々が、偏見に苦しむことなく社会で当たり前に暮らせるよう、このブログを通して問題提起をしていきます。
アイズルームが掲げる働き方は、障害や病気を抱えていても、お互いに足りない部分を支え合い、助け合いながら働くことで、人生を豊かにしていくという強い思いに基づいています。私たちは、排便障害や病気で苦しんでいる方々も、仕事を通してやりがいを見つけ、新たな人生をスタートできると信じています。
そして、社会全体が、排便障害や様々な困難を抱える人々に対する偏見をなくし、誰もが自分らしく生きられるインクルーシブな世界を築いていくこと。それが私たちの切なる願いです。排便障害は、決して恥ずかしいことではありません。誰もが、いつでもどこでも、安心して過ごせる社会を目指して、私たちはこれからも発信を続けていきます。
《補足説明》
ストーマ(人工肛門)とは
ストーマは、病気や怪我で腸や尿路の機能が損なわれた際に、お腹に便や尿を排出するための出口を造ることを指します。このストーマを造設することで、通常の肛門から排泄できなくなった人も、安心して日常生活を送れるようになります。ストーマには専用の袋(パウチ)を装着し、溜まった便や尿を定期的に処理する必要があります。
多目的トイレの重要性
排便障害やストーマを保有する人にとって、多目的トイレは不可欠な存在です。通常のトイレでは、便や尿の処理、パウチの交換・洗浄などを行うスペースや設備がありません。しかし、多目的トイレには、手すりや広い空間、オストメイト対応設備(ストーマ装具を洗うための流し台)などが備わっており、安心して用を足すことができます。多目的トイレが正しく利用されることは、私たちにとって社会参加を可能にするための重要な一歩なのです。
