【なぜ生活保護と視覚障害者を結びつけるのか? 悪意に満ちた報道の裏側を暴く】

NHK教育テレビの「ハートネットTV」で、安倍政権時代の生活保護費10%カットを問題提起する内容が放送されました。70代の視覚障害者の男性が原告となり、生活保護費の削減によって文化的な生活ができないと訴える姿は痛ましく、100円の流水麺のうどんを食べる姿は胸を締め付けられます。しかし、長年にわたり貧困層や生活弱者の支援に携わり、自身も視覚障害者である私は、この番組の構成に強い悪意を感じざるを得ません。

高所得者による机上の空論と現実のギャップ
番組では大学准教授が生活保護の問題点を理路整然と指摘し、社会の偏見を問いかけていました。しかし、彼らのような高所得者が貧困問題を語る姿は、当事者である私の心には全く響きません。先日、国会でもれいわ新選組の議員が「5万円で暮らしたことがありますか」とパフォーマンス的な質問をしていましたが、質問者自身も苦しい家庭の人物ではありません。学者も政治家もテレビ出演者も、高所得者が机上で貧困を語っても、当事者の本当の苦しみは理解できないのです。
番組では大学准教授が生活保護の問題点を理路整然と指摘し、社会の偏見を問いかけていました。しかし、彼らのような高所得者が貧困問題を語る姿は、当事者である私の心には全く響きません。先日、国会でもれいわ新選組の議員が「5万円で暮らしたことがありますか」とパフォーマンス的な質問をしていましたが、質問者自身も苦しい家庭の人物ではありません。学者も政治家もテレビ出演者も、高所得者が机上で貧困を語っても、当事者の本当の苦しみは理解できないのです。

偏った報道がもたらす危険性
生活保護制度は、生活に困窮する人々を救うためのセーフティネットです。しかし、番組は「生活保護受給者=視覚障害者」という、非常に少ない組み合わせに焦点を当てています。これは、働きたくても働けない障害者が生活保護に頼らざるを得ない、というステレオタイプを助長する危険性をはらんでいます。視覚障害者の中には、私のように起業し、社会保険料を払い続け、年金で生活できる人も多数います。特定の属性を強調することで、生活保護全体への偏見を深め、本当に支援を必要とする人々への理解を妨げる可能性があります。

根本的な問題は年金制度にある
生活保護問題を語る上で、根本的に見直すべきは年金制度です。非正規労働者の激増により、社会保険に加入できず、老後の年金が国民年金約7万円弱しかない人々が多数存在します。これでは、老後の生活は生活保護以下の収入になってしまいます。欧米では基礎年金、厚生年金、貯蓄年金の三本柱で年金制度を構成し、ネットでいつでも自分の年金額を確認できるシステムを構築しています。日本でも、マイナンバーの普及を加速させ、誰もが老後のライフプランを計画できるようなシステムを早急に構築すべきです。
生活保護問題を語る上で、根本的に見直すべきは年金制度です。非正規労働者の激増により、社会保険に加入できず、老後の年金が国民年金約7万円弱しかない人々が多数存在します。これでは、老後の生活は生活保護以下の収入になってしまいます。欧米では基礎年金、厚生年金、貯蓄年金の三本柱で年金制度を構成し、ネットでいつでも自分の年金額を確認できるシステムを構築しています。日本でも、マイナンバーの普及を加速させ、誰もが老後のライフプランを計画できるようなシステムを早急に構築すべきです。
日本社会全体の課題解決に向けて
国家予算が赤字国債で成り立っている現状で、生活保護費を削ることは望ましくありません。しかし、本当に必要な人にセーフティネットが有効的に活用され、働ける人は働くという仕組みを構築しなければ、国は破綻してしまいます。生活保護受給者だけの課題を解決しても、日本社会全体が抱える非正規雇用の問題、年金制度の不備、デジタル化の遅れといった根本的な問題を解決しなければ、日本全体が沈没してしまいます。
この番組の報道は、視覚障害者と生活保護という組み合わせに焦点を当てることで、多くの人が抱える本当の貧困問題を覆い隠してしまっています。貧困問題は、特定の属性に限定されるものではなく、日本社会全体が向き合うべき課題なのです。