【目の危機を乗り越え、未来を照らす!~中途失明を経験した経営者から学ぶ、病気(糖尿病網膜症・緑内障)との向き合い方~】

      

【目の危機を乗り越え、未来を照らす!~中途失明を経験した経営者から学ぶ、病気(糖尿病網膜症・緑内障)との向き合い方~】

リュックを背負った男性視覚障害者が、白杖を持ちながら反対側の手でリールの付いたカードケース(定期券)を自動改札にかざし、通過する画像です。

今日もアイズルームのブログへようこそ!

毎日、障害福祉に関するブログを配信しております。ブログを配信している私は、身体障害者(視覚障害者 1級)で、音声読み上げ機能と音声入力でブログ記事を編集しています。ブログの最終確認はAIアシスタントにお願いしており、画面が一切見えなくても文字を読んだり文字を入力したりできます。

私は50歳を過ぎて中途視覚障害者となりました。目に異変を感じてから、思えば8年間かけて視力を失いました。目の病気や事故によっては突然視力を失うケースもありますが、私の場合、右目は時間をかけてゆっくりと進行しました。

左目は、残念ながら医療ミスにより、30分の手術に失敗し、普通に見えていた目が光も感じない暗黒の真っ黒になってしまいました。これは、単純な、あってはならない医療ミスだと感じています。

右目はその後、8年間かけて視力を喪失しました。その間に右目は様々な手術を何度もしましたが、改善する事はありませんでした。この8年間という時間があったおかげで、心の準備と、一人で生活ができるように様々な訓練を重ねてまいりました。左目は今でも真っ暗ですが、右目はまだわずかに光を感じることができます。白杖を使いこなし、顧問先へ一人で行っています。

障害者になる前は40年間、会社の経営をしておりましたので、今はその経験を生かして中小企業の問題解決コンサルタントをしております。仕事の合間には、障害者の居住支援や就労支援のボランティアもしております。

私がかかった目の病気は、糖尿病網膜症と緑内障です。本日は、この2つの病気について、私自身の経験も踏まえながら、皆さんに詳しく説明させていただきます。

糖尿病網膜症と緑内障:失明の二大原因を知る
私たちが視力を失う原因となる病気はいくつかありますが、特に注意が必要なのが、この糖尿病網膜症と緑内障です。どちらも初期の自覚症状が出にくいことが多く、気づいた時にはかなり進行しているケースが少なくありません。

1. 糖尿病網膜症(とうにょうびょう もうまくしょう)
病気の原因

糖尿病網膜症は、その名の通り糖尿病が原因で引き起こされる目の病気です。高血糖の状態が長く続くと、目の奥にある網膜(カメラのフィルムのような役割を果たす組織)の毛細血管がダメージを受けます。血液の流れが悪くなったり、血管が詰まったりすることで、網膜に十分な酸素や栄養が届かなくなり、視力が低下していきます。

病気の進行状況

進行の度合いによって、主に3つの段階に分けられます。

単純糖尿病網膜症(初期)

初期段階では、毛細血管に小さなコブ(微小動脈瘤)ができたり、小さな出血が起こったりします。ほとんど自覚症状はありません。

増殖前糖尿病網膜症(中期
血管が詰まり始め、網膜の酸素不足が進みます。この状態が続くと、身体は不足した酸素を補おうと、「新生血管」という異常な血管を作り出す準備を始めます。

増殖糖尿病網膜症(後期)

新生血管が作られ、これが網膜の表面や硝子体(しょうしたい:眼球内のゼリー状の組織)に向かって伸びていきます。新生血管は非常に脆く、破れると大出血(硝子体出血)を起こし、急激に視力が低下したり、光を全く感じなくなったりします。また、新生血管の周りにできる膜(線維組織)が網膜を引っ張り、網膜剥離を引き起こすこともあり、そうなると失明に至る可能性が非常に高くなります。

治療方法・最新医療

糖尿病網膜症の治療は、病気の進行度合いによって異なります。

血糖コントロール:最も重要で、全ての段階において必須の治療です。血糖値を適切に保つことで、病気の進行を遅らせたり、止めたりすることができます。

レーザー光凝固術:酸素不足に陥っている網膜にレーザーを照射し、新生血管の発生を抑えます。

硝子体手術:硝子体の中で大出血が起きた場合や、網膜剥離が起こった場合に行われます。出血や異常な膜を取り除くことで、視力の回復を目指します。

抗VEGF薬治療:新生血管の発生を促す物質(VEGF)の働きを抑える薬を眼内に注射する治療法です。特に、網膜のむくみ(黄斑浮腫)を伴う場合に効果的です。

2. 緑内障(りょくないしょう)
病気の原因

緑内障は、目の神経である視神経が徐々に障害され、視野(見える範囲)が狭くなっていく病気です。主な原因は、眼球の硬さを示す眼圧が高くなることです。眼圧が高くなると、視神経が圧迫されてダメージを受けます。ただし、日本人には眼圧が正常範囲内でも緑内障になる正常眼圧緑内障が多いのが特徴です。

病気の進行状況

緑内障で一度ダメージを受けた視神経は元に戻りません。病気の進行は非常にゆっくりで、初期は視野の一部が欠けても、脳が見えない部分を補完するため、自覚症状がほとんどありません。視野の欠損が中心部に近づき、かなり進行してからようやく「見えにくい」と感じるようになります。私の場合も、右目の視野が少しずつ狭くなっていきましたが、日常生活での工夫でカバーできてしまうため、深刻に受け止めきれていなかった部分がありました。

治療方法・最新医療

緑内障の治療目標は、眼圧を下げることで、視神経へのダメージの進行を抑え、視野を維持することです。

点眼薬(目薬)治療:最も一般的な治療法で、眼圧を下げる効果のある目薬を毎日点眼します。

レーザー治療:房水(ぼうすい:眼内の水分)の排出経路を広げるなどして、眼圧を下げる治療です。

手術:点眼薬やレーザー治療で眼圧がコントロールできない場合や、病気が進行している場合に行われます。房水の流れを変えたり、新しい排出口を作ったりする手術があります。

最新医療:近年では、従来の切開手術よりも低侵襲(体への負担が少ない)なMIGS(ミックス:低侵襲緑内障手術)と呼ばれる新しい手術が注目されています。

《共に生きる力強いメッセージ》
私が中途視覚障害者となり、もうすぐで人生の折り返し地点です。失った視力は戻りませんが、だからこそ得られた新たな視点、経験、そしてスキルがあります。8年間という時間があったことで、心の準備ができ、白杖を使いこなして一人で行動できる自立への道を歩むことができました。

私と同じように、目の病気と闘っている方、中途で視覚障害者になられた方に、この経験から伝えたいのは、「絶望のふちでも、必ず光は残っている」ということです。

目に光が見えなくても、心の光、人生の光を消してはいけません。今の私は、経営コンサルタントとして、また障害福祉のボランティアとして、これまで培ってきた経験を、誰かの力になるために使うことができています。

病気になったことは、決して終わりではありません。それは、人生の新しいステージ、新しい生き方を見つけるためのスタートラインかもしれません。

アイズルームは今後も、障害福祉に関するブログを配信します。特に視覚障害者に関する情報を、他のブログより詳しく解説していきます。

私と同じ中途視覚障害者の方が社会で生き生きと暮らせるように、力強いメッセージを発信していきますので、応援をよろしくお願いいたします!