【 地域格差28倍!福祉サービス「平等」への挑戦・利用者ゼロの自治体から考える障害福祉の未来と私たちの役割 《理想と現実のギャップが示す「福祉の格差」》】

      

【 地域格差28倍!福祉サービス「平等」への挑戦・利用者ゼロの自治体から考える障害福祉の未来と私たちの役割 《理想と現実のギャップが示す「福祉の格差」》】

障害者就労支援B型作業所、麻の手芸品加工作業、大勢の障害者が作業にあたっているイメージ画像です。

アイズルームがお届けする日々の障害福祉ニュース。本日、私たちが注視すべきは、厚生労働省が公表した障害福祉サービスの利用実態に関する衝撃的なデータです。障害福祉サービスは「全国どこでも必要なときに受けられる」ことが大原則であるにもかかわらず、その利用状況には自治体間で看過できないほどの大きな開きがあることが浮き彫りになりました。この理想と現実のギャップこそが、私たちが今、最も真剣に向き合うべき問題です。

🚨 今日のニュース:福祉サービスの地域間格差が深刻化
厚生労働省が「社会保障審議会障害者部会」で示した市町村別のデータにより、障害福祉サービスの利用実態に極めて大きな地域差があることが明らかになりました。

例えば、就労継続支援A型では、2024年度の平均利用者数が前年度比で28倍に急増した市町村がある一方で、利用者がゼロとなった市町村も存在します。その他の5サービス(児童発達支援、放課後等デイサービス、グループホーム、就労継続支援B型、生活保護)においても、同様に大幅な利用者増が見られた市町村と、一部サービスで利用者が皆無の市町村が確認されました。

この事態を受け、委員からは、単なるデータ比較では地域差の根本原因は読み取れないとし、人材確保などサービス提供側の実態を踏まえた詳細な検証が必要であるとの提言がありました。部会は今後、統計などの専門家の意見も聞きながら議論を深め、第8期障害福祉計画の基本指針策定に向けた作業を加速させる予定です。

🧐 このニュースから読み取れる問題点
今回のデータが示す最大の問題点は、「障害福祉サービスは全国どこでも必要なときに受けられる」という基本原則が、現行の体制では担保されていない地域格差の深刻化です。

1. サービスの「アクセス格差」と「ゼロ地帯」の存在
利用者が前年度比で28倍に増えた市町村がある一方で、利用者がゼロとなった市町村が複数存在します。これは、単なる需要の差ではなく、サービス提供事業所の偏在、もしくは事業所が存在しても提供体制や質の不足により、利用者がアクセスできない「福祉の砂漠(ゼロ地帯)」が生まれていることを示しています。特に中山間地域や過疎地域で顕著な問題と推察されます。

2. データだけでは把握できない「原因」の特定不能
委員の指摘にもあるように、単なる利用者数のデータ比較だけでは、地域格差の真の原因は特定できません。原因究明には、「サービス提供側の実態」、すなわち人材の確保状況、専門性の有無、事業運営の採算性、そして自治体による支援・周知体制の差といった定性的な情報やミクロな視点が必要です。原因が不明確なままでは、有効な対策を打つことは困難です。

3. 事業運営の持続可能性への影響
利用者数の地域差は、事業所側の運営の不安定さに直結します。利用者ゼロは当然ながら、事業所の存続に関わる問題です。また、利用者が急増している地域では、職員の過重労働やサービス質の低下を招く恐れがあり、どちらの極端な状況も持続可能な福祉サービスの提供を困難にします。

🤝 結論:アイズルームが挑む「福祉の平等」実現へのコミットメント
アイズルームは、中小零細企業の経営改善を支援するコンサルタントとして、障害者就労継続支援・グループホーム・居住支援の福祉法人やNPO法人を数多くクライアントに持ちます。そのため、今回の地域格差の問題に対し、極めて大きな問題意識を持っています。

「福祉は地域によって差があってはならない」。この信念のもと、私たちは単なる経営改善に留まらず、この構造的な地域格差の是正に深くコミットします。

私たちは、クライアント法人と共に現場の具体的な課題を抽出し、その知見を基に、厚生労働省や地方自治体とも積極的に協議を行います。そして、日本全体で障害福祉が平等に受けられるよう、政策提言と現場の実行支援の両輪で改善を推進します。

「必要な人に、必要なサービスを、必要な質で」。この福祉の大原則が全国で実現されるその日まで、アイズルームは地域格差という壁を打ち破るための努力を惜しみません。私たちと共に、真に平等な障害福祉社会の実現を目指しましょう。