障害福祉をテーマに情報発信をしているアイズルームです。

先日、スタッフとららぽーと柏の葉モール内のてんやで夕食をとりました。スタッフが書店で本を見ている間、私は視覚障害があるため椅子に座って待っていました。

その目の前にあった着物屋さんについて、後からスタッフが「車椅子用の着物がある」と教えてくれました。帰社後にその会社について調べたところ、驚くべき取り組みを知りました。

株式会社一蔵の革新的な取り組み:「UDF」
調査したところ、株式会社一蔵(本社:東京都千代田区)が、車椅子を利用されている方でも簡単に着られるオリジナル振袖「Universal Design Furisode(UDF)」を開発しました。

【UDFの主な特徴と意義】

誰でも振袖を楽しめる社会へ:

「一生に一度の20歳の記念だからこそ、どんな方でも日本の民族衣装である振袖を着る機会を楽しんでほしい」という思いから開発されました。

デザインは数百種類の中から選ぶことができ、自分好みの晴れ着で成人式や記念日を迎えることができます。

着付けの負担を大幅に軽減:

車椅子の方の身体への負担を軽減しつつ、着付け経験がないご家族様でも約8分程度でご自宅で着付けが完了できる特殊な仕立てになっています。

車椅子を利用されている方にとって、「おしゃれをしたい」という気持ちは当然のことです。特に一生に一度の成人式の晴れ着は特別なものです。車椅子でも着崩れしにくく、着やすい、そして疲れない着物が実現したことは、非常に大きな一歩だと感じています。

👗深掘り:加速する「ユニバーサルデザインファッション(UDファッション)」の進化
私たちアイズルームは、この振袖の事例に大きな可能性を感じています。私自身、視覚障害と両足の神経障害を抱えており、仕事では伸縮性のあるスーツを着用しています。これは特に障害者向けに作られたものではありませんが、一般的なスーツに比べて身体の動きを妨げにくいです。

このような多様なニーズに応えるアプローチは、「UDファッション」や「アダプティブ・ファッション(適応型衣料)」として世界的に広がりを見せており、その進化は加速しています。

1. ファッション性と機能性の融合
UDファッションは、単に「機能的」であるだけでなく、「ファッション性」を兼ね備えることで、着る人の自己肯定感や社会参加意欲を高めることを目指しています。

インクルーシブ・ブランドの台頭(SOLIT!):

日本国内でも、多様なチームで作り上げる「SOLIT!」のようなブランドが注目されています。企画段階から車椅子ユーザーやプラスサイズの人々など多様な意見を反映させ、デザインされています。

特に車椅子ユーザーの悩みに応えるパンツでは、床ずれ(褥瘡)を防ぐため、臀部の縫い目がないデザインが採用されるなど、医学的・工学的知見に基づいた設計が取り入れられています。

素材・資材の革新:

「無縫製ニット Spiral MiGU(スパイラルミグ)」のように、包帯のように斜めに肌に沿いフィットするニットウェアも開発されています。縫い目がないことで肌への刺激が少なく、高い伸縮性で着心地の良さを実現しています。

着脱を助ける資材として、マグネット式のボタン、着脱しやすいファスナーや面ファスナー(マジックテープ)の進化も進んでおり、片麻痺の方でも容易に服の着替えができるようになっています。

2. 日常の困り事を解決する専門ブランドの登場
特定の状態にある人々の生活を支える専門的なブランドも増えています。

骨折・治療中の着替え支援(KIRARERU):

骨折などで大きく身体を動かせない人向けに、脇下にスナップボタンが付いており、患部を大きく動かさずに着替えられる衣服も開発されています。治療期間だけでなく、リハビリや普段着としても着用できるシンプルでスタイリッシュなデザインが特徴です。

高齢者向け健康サポート衣料(着るサプ™):

高齢者の困りごとを解決するため、「伸びる」素材に注目した健康サポート衣料ブランドも展開されています。指の力の弱い方でも扱いやすいよう、照明スイッチが大きくなったり、シャンプーボトルに「きざみ」がついたりするように、衣料品にも「誰でも使いやすい」工夫が日常レベルで浸透し始めています。

🤝アイズルームからのメッセージ:社会問題を解決するUDの力
「誰でも、容易に着れて、なおかつおしゃれで、外出したくなるような洋服が増える」—この変化は、着る人の生活の質(QOL)を大きく向上させるだけでなく、社会全体の多様性と包摂性(インクルージョン)を高めます。

私たちアイズルームは、障害者が主体となって働ける企業を目指し、また、問題解決コンサルタントとして特に障害福祉の分野で社会問題を解決したいと考えております。

UDファッションの進化は、まさに「服から社会を変える」可能性を秘めています。すべての人が自分らしく輝ける社会を目指し、今後ともアイズルームの活動にご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。

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