【次世代視覚障害者の仕事のビジョン】

      

【次世代視覚障害者の仕事のビジョン】

視覚障害者(弱視)50代の男性がデスクトップパソコンを使用し仕事をしている画像です。

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代表も視覚障害者で、障害者の就労支援を推進しております。

視覚障害者の未来の仕事は、テクノロジーの進化によって大きく変化し、新たな可能性が広がっています。特にAI(人工知能)、IoT、XR(VR/AR/MR)などの先端技術は、視覚障害者が社会で活躍するための強力なツールとなり、多様な職種への道を開くと期待されています。

1. テクノロジーを活用した新たな職種

  • アクセシビリティ関連の専門職:

    • アクセシビリティコンサルタント: 企業や公共機関のウェブサイト、デジタルコンテンツ、製品などが視覚障害者を含む多様な人々にとって使いやすいか評価し、改善策を提案する仕事です。視覚障害者自身がユーザー視点からフィードバックを提供することで、より実用的なアクセシブルデザインが実現できます。
    • 技術サポートスペシャリスト: スクリーンリーダーや音声アシスタント、その他の支援技術の導入や使い方をサポートする専門家です。特に、テクノロジーを使いこなす能力が求められます。
    • アクセシブルデザインのテスト・評価: 新しい製品やサービスが市場に出る前に、視覚障害者が実際に使用して問題点や改善点を洗い出す仕事です。
  • IT関連職:

    • プログラマー/ITエンジニア: 音声読み上げソフトや点字ディスプレイなどの支援技術を活用することで、プログラミングやシステム開発に携わることが可能です。特に、在宅での勤務がしやすい職種であり、スキルと成果によって評価されるため、障害の有無に関わらず活躍しやすい分野です。
    • データサイエンティスト: データ分析や統計解析において、グラフや視覚的な情報を音声や触覚で代替する技術やツールが開発されつつあります。これにより、目の不自由な人がデータサイエンティストとして活躍できる可能性も広がっています。
    • ウェブデザイナー/HTMLコーダー: アクセシビリティを考慮したウェブサイトの設計・開発に携わる仕事です。
  • 音声・音響関連職:

    • 音響技術者/サウンドクリエイター: 視覚情報に頼らない聴覚の鋭敏さを活かし、音楽制作、音声コンテンツの編集、音響効果のデザインなど、音響関連の分野での活躍が期待されます。

2. 従来の職種の進化と深化

  • あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師(あはき): 視覚障害者の伝統的な職業ですが、今後も需要は高いと予想されます。健康志向の高まりやストレス社会において、専門的な施術はより一層価値を持つでしょう。企業内にヘルスキーパーとして雇用されるケースも増えています。ただし、当社が現在針灸あん摩師の開業をしている方に広く調査をしたところ、こちらの業界は国家資格を持った健常者が急激に増え、独立開業して今後ご飯を食べて行く事は難しいと言われました。唯一大手企業の障害者枠で企業内のヘルスキーパーの仕事が都心部だけあるようです。
  • 事務職・バックオフィス業務: 音声読み上げソフトやAIによる文書読み取り、音声入力などの技術の進歩により、一般的な事務作業やデータ入力なども視覚障害者にとってより取り組みやすくなっています。特に、PC操作のみで完結する業務は適性が高いと言えます。

3. AIなどの先端技術がもたらす変化

  • 移動支援の進化: 「AIスーツケース」などの自律型ナビゲーションロボットや、スマートフォンアプリと連携した歩行支援デバイスの発展により、視覚障害者の移動の自由度が飛躍的に向上します。これにより、通勤や外出の負担が軽減され、就労選択の幅が広がります。
  • 情報アクセスの向上: AIによる画像認識、文字読み上げ機能、リアルタイムの音声案内などが進化し、視覚障害者が周囲の状況や情報をより詳細に把握できるようになります。これは、多様な仕事の機会創出に繋がります。
  • コミュニケーション支援: AIを搭載したコミュニケーションツールは、手話通訳や他者のサポートなしに多くの仕事が行えるようになり、障害者雇用の促進に貢献します。
  • リモートワークの普及: テクノロジーの発展とパンデミックをきっかけとしたリモートワークの普及は、通勤の負担が大きい視覚障害者にとって大きなメリットとなります。在宅で働ける職種が増えることで、地理的な制約が減り、全国各地の企業で活躍できる可能性が高まります。

4. 課題と今後の展望

未来の仕事の可能性が広がる一方で、これらの技術を使いこなすための職業訓練や、企業側のアクセシビリティに対する理解と環境整備が不可欠です。

  • 職業訓練の充実: 最新の支援技術を活用したPC操作やプログラミング、データ分析などの専門スキルを習得するための、視覚障害者向けの職業訓練機関の役割がより重要になります。
  • 企業側の意識改革: 視覚障害者が持つ潜在能力を理解し、適切な支援機器の導入や職場環境の整備、柔軟な働き方の導入など、インクルーシブな職場環境づくりを進めることが求められます。

視覚障害者の未来の仕事は、テクノロジーとの共生によって、より多様で充実したものになるでしょう。単に障害を補うだけでなく、彼らが持つ独自の感覚や視点を強みとして活かせる仕事が、今後ますます増えていくと期待されます。

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