【ALSとともに生きる ― 誰もが安心して暮らせる社会を目指して】

      

【ALSとともに生きる ― 誰もが安心して暮らせる社会を目指して】

自宅で介護士からサポートを受けている、車椅子難病患者のイメージ画像です。
はじめまして。私たち「アイズルーム」は、高齢者、難病患者、障害者の方々が安心して暮らせる住まい探しをお手伝いしています。特に、一人暮らしで支援を必要とされている方々を対象に、千葉県東葛地域に特化したサポートを行っています。

私たちが最も力を入れているのが、筋萎縮性側索硬化症(ALS)という進行性の難病を抱える方々への支援です。ALSは、全身の筋肉が徐々に動かなくなる病気で、現在日本には約1万人、世界では数十万人がこの病気と闘っています。

厳しい現実:理解の壁と住居の課題
ALSは、病気の進行度合いによって必要なサポートが大きく変わります。初期段階では比較的軽微な改修で対応できますが、病状が進むと車椅子が必須となり、最終的にはバリアフリーの住居が必要となります。しかし、この「バリアフリー」の住宅を見つけることが非常に難しいのです。

私たちがオーナーさんへの交渉で最も苦労するのが、病気への「理解」です。オーナーさんの中には、難病に対して偏見や不安を抱く方も少なくありません。何度説明しても「病気の人が入居するのはちょっと…」と断られてしまうことがほとんどです。

独自のノウハウと連携
この課題を乗り越えるため、私たちはNPO法人と連携してオーナーさんに丁寧な説明を行い、ご本人のサポート体制が万全であることを伝えます。さらに、改修費用を最小限に抑えつつ、最大限の効果を発揮する独自のノウハウも活用しています。空き家を改修してバリアフリー住宅へと生まれ変わらせることで、コストを抑えながら住居を確保しています。

また、私たちは単に住居を提供するだけでなく、その後の生活までを見据えたサポート体制を構築しています。訪問介護や訪問医療といった医療機関との密な連携は欠かせません。この点において、日本の医療は世界の最先端をいっています。患者の意思を尊重する体制が整っており、在宅での療養を支える専門家(医療ソーシャルワーカー)も充実しています。一方、欧米ではリビングウィル(生前の意思表明書)が普及しており、患者さんが自らの治療方針を事前に決定する文化が根付いています。

社会の理解を広めるために
私たちアイズルームは、高齢者、障害者、そして難病患者の方々が安心して暮らせる社会の実現を目指しています。特に、難病患者の支援活動はまだ十分な理解を得られていません。そのため、私自身がテレビやラジオ番組にゲストとして出演し、現状や課題について発信することで、社会の理解を深めるための啓発活動も行っています。

私たちは、一度ご縁のあったALS患者の方を「最期までサポートする」という強い信念を持っています。今後も、理解あるオーナーさんを開拓し、誰もが住み慣れた地域で安心して生活できるよう、活動を続けてまいります。