【アイズルームからの問題提起】芸能人・YouTuberの「儲かる」話に騙されないで
私たちアイズルームは、個人事業主様や中小企業の皆様の「問題解決コンサルタント」として活動しています。

ここ数年、特に急激に増えているご相談がフランチャイズ(FC)のトラブルです。

ご相談に来られる社長様の多くは、

芸能人やYouTuberの華やかなプロモーションを見て、「必ず儲かる」という印象を受けてFCに加盟した。

お客様が来たのはオープン当初の3ヶ月だけ。行列が嘘のようになくなり、その後はジリ貧の状況が続いている。

結局、手元には累積赤字だけが残り、自転車操業に陥っている。

こんなひどい状況なのに、FC契約を切るのにも高額な違約金がかかる…。

「一体どうしたらよいのか?」と、窮地に立たされた状態でご相談に来られるケースが後を絶ちません。

なぜ、このように本部だけが儲かるような、一方的に不利な「フランチャイズの闇」が存在し、多くの善良な事業主が罠にはまってしまうのでしょうか?

この問題は、すでに二度、大きな失敗を繰り返しています。

日本のフランチャイズが繰り返した「二度の失敗」から学ぶ教訓
私たちは、クライアントの経営状況を改善するために、まず赤字部門の閉鎖や人員整理といった厳しい決断から始めることも少なくありません。これは、経営の根幹である「採算性」を無視した事業は維持できないからです。

フランチャイズの失敗事例を見ていると、まさにこの「採算性」という基本が欠落しています。

失敗事例(1):話題のベーカリー「〇〇の奴隷」(タレント起業家プロデュース)
近年話題となった、タレント起業家がプロデュースしたベーカリー「○○の奴隷」。

「1万店舗展開」という景気の良い目標を掲げ、SNSを駆使した集客でオープン当初は行列ができ、一躍時のFCとなりました。しかし、1年ちょっとが経過すると客足が遠のき、次々と閉鎖に追い込まれる店舗が出てきています。

【問題点】

商品単価とリピート性: 特殊なカレーパンのような商品は単価が高く、「日常的に食べるもの」というよりはイベント消費になりがちで、固定客がつきにくい構造でした。

FCのコスト構造: FCであるため、仕入れを安くできない構造に加え、「赤字であっても本部へのロイヤリティ(フィー)」を支払い続けなければならない仕組みが、加盟店の首を絞めます。

SNSの功罪: オープン当初は「映え」や「話題性」で集客できましたが、経営が破綻し始めると、SNSは逆に悪い評判や閉店情報を拡散し、逆効果となってオーナーを叩き潰す凶器となりました。まさに「一側面」にしか過ぎない人気に依存した結果です。

失敗事例(2):高級食パンブームの終焉
この「○○の奴隷」と全く同じ失敗の構図を辿ったのが、数年前にブームとなった高級食パン専門店の乱立です。

一時は「パン屋なのに連日行列」とブームになりましたが、結局は目新しさでしかなく、日常消費の単価としては高く、ブームの終焉と共に多くが閉店しました。こちらも本部だけが加盟金で潤い、残されたのは高額な設備投資と借金だけというオーナーが続出しました。

同じビジネスモデルで、日本は二度も大きな失敗を繰り返しているのです。

🚨 加盟を検討中の社長へ!「今だけ」のブームに騙されないための警鐘
フランチャイズは常に多くの募集がされていますが、長期的に成功している事例を探す方が難しいのが現実です。

特に注意すべきポイントは以下の点です。

1. 「短期的な流行」に乗るな
話題性で集客できるのは、長くてもせいぜい1年~2年です。その短期間で加盟金や初期投資を回収し、さらに利益を生み出し続ける確固たる事業計画があるかを、本部任せではなくご自身の目で厳しくチェックしてください。

2. 本部との「交流がない」FCに加盟するな
情報開示の少ない本部は、オーナー同士の横のつながりや、本部との密な交流や改善提案が機能していないFCは危険です。オーナーが孤立し、赤字を抱えても本部だけが手数料を取り続ける構造は、加盟店にとってハイリスクです。

3. 「労働と収益の対価」は割に合うか
コンビニなどの成熟したFCであっても、オーナーの過度な労働(長時間労働や年中無休)に見合うだけの適切な収益対価を得られているかは非常に疑問です。華やかな数字の裏にあるオーナーの疲弊を見逃さないでください。

4. 加盟金は「借金」として残る
「今だけ儲かる」と思って安易に加盟すれば、ブームが終わった後に残るのは加盟金と設備投資の借金だけです。さらに、契約途中解除の違約金が追い打ちをかけます。

私たちは、この「○○の奴隷」「高級食パン」で起きた同じ過ちを、日本のフランチャイズで三度繰り返してほしくありません。

フランチャイズを検討する際は、その一側面(成功した事例や華やかなプロモーション)に騙されず、必ず冷静な目でコスト構造、リピート性、本部の実態を見極めてください。

もし、すでにトラブルに巻き込まれてお困りであれば、早急にご相談ください。