私は20歳で会社を起業し40年間求人活動をして参りました。私の主軸事業はコンピューター関連、建築・不動産事業、障害福祉関連などです。約20社の役員を経験し運輸事業やアパレルにも参画しある程度の成功は納めました。40年間の累計で数百人の方を雇用したと思います。前提として私は高卒で現在障害者でもあります。

それを踏まえてお話します。

求人を出す時に機会均等的な問題か性別や年齢を指定することはできません。それは就労の平等制や差別をなくすために必要なのかもしれません。しかし実際には、会社のレベルによって、会社の業務内容によって学歴や年齢によってまた性別によって雇用の機会は平等とは言えません。

求人募集を出す際にも私ははっきりと何歳まで、どのような方が必要だと具体的に求人票に記載し応募者とのミスマッチを少なくしたい。応募する側もはっきりと条件を示してもらった方が無駄な履歴書を書く必要もなく無駄な面接も省かれる。

障害者という雇用に関しても本気で採用するつもりがあるのか、法定雇用率を守るため世間体を考えて採用するのか、障害者に関する雇用の本気度が知りたい。ハローワークの求人に関して、募集側も応募者側も明確にお互いの条件やスキルを確認し、本当にその応募者にあった会社に効率よく就職活動ができるように改善してほしい。

上場企業や優良企業でしたら、そもそも高学歴で優秀な方が来ると思います。私の場合には取締役をしていたのは一部上場会社を除き、ベンチャー企業か中小企業でした。外国人、障害者、高齢者、男女比率も50%になるように配慮して経営しておりました。LGBTQの方も積極的に採用しました。

インクルーシブの国際的な企業を目指し、多種多様な人材を採用することによって異文化を取り入れ、新しい価値を創造したいと思っておりました。もちろん多様な方を採用すると一般的な会社より問題は大きいです。しかしそれを上回るように人間的な繋がりができて国境を越えた社内文化が出来上がります。

そのような中で求人募集は、もっと明確に差別になってしまうかもしれないが当社にとって必要な人を効率よく採用したい、という問題がありました。会社の業務の内容によって採用できる人材は変わってきます。求人募集の表記について本日は深掘りして考えてみました。

現場の叫び:厳格な規制下で「必要な人材」をどう獲得するか
40年間、数百人の雇用に携わってきた経験から、現在の求人活動の現場は、理想とする「平等」と、企業経営に不可欠な「効率」の間で、深刻なジレンマに直面していると感じています。特にハローワークを通じた求人活動においては、その規制の厳しさが顕著です。

1. 「年齢表現」を巡る現実の壁
私が指摘したいのは、法律が定める「機会均等」の実現のためには理解できるものの、現場の採用活動を著しく非効率にしている現状です。

規制の具体的影響: 「30歳から40歳が活躍中」といった年齢層を示唆する表現や、「若手歓迎」「女性が中心の職場」といった性別を想起させる表現は、職業安定法の基本原則に基づき、全てNG扱いとなり、ハローワークから訂正要請が入ります。これは、特定の層を暗に排除していると見なされるためです。

経営との齟齬: ベンチャーや中小企業は、特定のスキルや経験をすぐに活かせる「即戦力」をピンポイントで必要とします。例えば、新しい技術を持つ「新卒相当の若手」や、経験豊富な「マネージャー候補(一般的に40代前後)」を求めている場合、そのターゲットを明示できないことは、双方にとって無駄な応募と選考を増やすことになります。求人票の段階でミスマッチを防ぎたいという企業の願いは、「規制」によって叶えられないのが現実です。

2. 「障害者雇用」に求められる真の開示責任
私が障害者としての立場からも強く感じているのは、障害者雇用における「本気度」の不透明さです。

形式主義の弊害: 多くの企業が「法定雇用率」達成のために採用枠を設けていますが、応募者側が本当に知りたいのは、採用後の「仕事の具体的な内容」「必要な合理的配慮の範囲」「部署のサポート体制」です。これらが曖昧なままでは、応募者は「単なる頭数合わせではないか」と疑念を抱かざるを得ません。

企業が取るべき行動: 私たち企業側は、求人票で年齢や性別を語れない分、「障害の特性に応じて、実際にこの仕事とこの環境を提供できます」という具体的なジョブ・ディスクリプション(職務記述)と受け入れ体制を詳細に開示する責任があります。これが、形式的な採用と戦力としての採用を分ける鍵となります。

3. 「効率的な採用」を実現するための戦術的転換
規制が厳しく、直接的な表現が使えない以上、私たちは採用の効率を高めるために、戦術を転換する必要があります。

職務要件の極限までの具体化: 年齢を語る代わりに、「必須スキル・経験年数」を明確にします。「入社後3ヶ月で、この専門ソフトを使ったプロジェクトを完遂できるレベルのスキル」など、仕事の成果に焦点を当てて記述します。

インクルーシブな文化の開示: 私は外国人、障害者、高齢者など多様な人材を採用してきました。この事実を「多様性歓迎」という抽象的な言葉で終わらせず、「社員の男女比率50%、平均勤続年数、中途入社比率」といった社内構成データを開示することで、「当社の文化に多様な人材を受け入れる土壌があること」を間接的に伝えます。

ハローワークへの提言: ハローワークのシステムは、企業が求める職務要件(スキル・経験)と求職者が持つ具体的なキャリアを、AIなどを活用してより詳細に、そして効率よくマッチングさせる機能へと進化すべきです。この改善こそが、無駄な選考を減らし、真の「効率的な就労支援」に繋がります。

求人募集の表記について、本日は深掘りして考えてみました。規制が厳しいからこそ、企業は「何を求めているか」を誠実に、「どのように受け入れるか」を具体的に示す責任があるのだと確信しています。

アイズルームはこれからも、高齢者、障害者など全ての方に求人のドアを開き、インクルーシブな会社にして参ります。