アイズルームが発信する障害福祉に関するブログを利用した福祉の時間です。

いつもアイズルームのブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回も障害福祉の現場で非常に残念な事件が発生してしまいました。我々も関係する業界で、利用者の信頼を裏切る行為は決して許されるものではありません。

📝事件の概要(要約)
北海道旭川市の障害児支援事業所「もくの木たいせつ」「もくの木ほうえい」を運営する「杪の杜(ぶなのもり)」が、市から指定事業者の指定を取り消されました。主な理由は、作成が義務付けられている「通所支援計画」をほとんどの利用者に対して作成していなかったこと、そして利用者数を別日に付け替えるなどの改ざんを行い、本来減算すべき「障害児通所給付費」約1,000万円を不正に請求していたためです。運営会社は事実を認めており、市は返還を求めています。

💔なぜこのような事件が起きてしまうのか
このような不正事件が発生する背景には、現在の障害福祉業界が抱える構造的な問題と、一部事業者の営利偏重な姿勢があります。

1. 知識・倫理観の欠如と安易な参入
障害福祉サービスは、厚生労働省の指導や監督官庁の制度が頻繁に変わり、決して「安易に儲かる」事業ではありません。しかし、近年、「儲かる」という形でフランチャイズ契約に似た募集などで、福祉への思いを持たない完全に営利目的の企業が多数参入し、障害者を対象としたビジネスを「食い物」にしている傾向があります。

これらの業者は、法令順守よりも利益追求を優先し、今回の事例のように、作成義務のある計画書を怠ったり、不正な水増し請求に手を染めてしまいます。そもそも、そのようなフランチャイズに加盟しても永続的な利益を確保することは難しく、個々の障害特性に基づいたアセスメントや質の高い支援といった本来の福祉の理念を軽視しているのです。

2. 厳しい経営状況が招く誘惑
私たちアイズルームは、障害福祉に関する問題解決コンサルタントをしており、クライアントの中には福祉関係の法人や事業所も多く、赤字経営に苦しんでいるところも少なくありません。福祉業界は、個々への丁寧な対応が求められ、効率化に限界があるため、一般の事業のように高い利益率を確保しにくい構造です。

個々の障害者や病気の特性を細かく判断して一人一人にアセスメントをする必要があります。このような経営の厳しさが、「少しでも売上を増やしたい」という切実な思いから、一部の事業者に不正な請求という誘惑を生んでしまう側面も否定できません。

💡アイズルームからの今後の提案
アイズルームは、単なる不正追及で終わらせず、この業界を根本から変え、利用者の方々が安心して質の高い支援を受けられる環境を築くため、監督官庁や行政と連携しながら、以下の点を提案します。

1. 制度改正と行政指導の強化
監査・指導体制の強化と頻度向上: 不正が発覚した後に指定を取り消すだけでなく、指導監査の頻度と実効性を高め、不正の「芽」を早期に摘む必要があります。特に新規参入の営利企業に対しては、設立初期の重点監査を提案します。

不正・欠陥事業者への罰則強化と情報公開: 不正行為への罰則をより厳しくし、指定取り消しなどの情報を迅速かつ詳細に広く公開することで、不正を働くことへの抑止力を高めます。

2. 事業者への経営改善・研修支援の徹底
専門家による経営改善指導の導入促進: 赤字経営に苦しむ事業所に対し、私たちアイズルームのような福祉に精通したコンサルタントが、合法かつ永続的な利益を確保できるよう経営改善指導を行う機会を行政が提供すべきです。安易な不正に走る必要のない健全な経営体質を築きます。

法令遵守・倫理研修の義務化と定期的な実施: 支援の質だけでなく、請求事務、コンプライアンス、利用者保護に関する専門的かつ定期的な研修を全事業者に義務付け、福祉事業に携わる者の倫理観の向上を図ります。

私たちアイズルームは、このような難しい業界で今回のような悪い業者が出ないように、監督官庁と行政と共に問題提起しながらこの業界を変えていきたいと思っています。地道に福祉に尽くす事業所様を経済的に支え、今回のような「食い物にしようとする悪質な業者」を一掃するため、これからも業界の健全化に尽力してまいります。

下記の問い合わせをクリックしていただき、いつでもご相談ください。共に障害福祉の未来を切り拓きましょう。