【企業の社会貢献取り組みコンサルタント】
アイズルームでは、障害福祉をテーマとしたBlog記事を毎日配信しております。
今回のテーマは「企業の社会貢献取り組みコンサルタント」です。
私は、上場企業の社会貢献事業に関するサポートコンサルタントを長年実施しております。
企業は継続するのはもちろんですが、企業規模に伴い社会貢献の役割も担っております。
環境保全、障害者雇用、弱者救済など様々な社会貢献の方法がありますが、実際に社会貢献を行うとなると経験と実績が必要不可欠です。
アイズルームでは、企業が担う社会貢献を会社の規模に応じて提案し、運営サポートを継続支援いたします。
企業の社会貢献への取り組みは、現代の企業経営において非常に重要な要素となっています。単に利益を追求するだけでなく、社会の一員として果たすべき責任や役割への意識が高まっているためです。
企業の社会貢献とは
企業の社会貢献とは、企業が事業活動を通じて、または事業活動とは別に、社会全体に良い影響を与えるために行う活動全般を指します。これには、環境保護、地域社会への貢献、人権尊重、働き方の改善など、多岐にわたる活動が含まれます。
なぜ企業の社会貢献が重要なのか
企業の社会貢献が重要視される背景には、以下のようなメリットや効果が挙げられます。
- 企業・ブランドイメージの向上:社会貢献活動は、消費者に「良いことをしている企業」というポジティブな印象を与え、企業やブランドのイメージ向上につながります。
- 新規顧客獲得・既存顧客のファン化:イメージ向上は、新たな顧客の獲得だけでなく、既存顧客のロイヤリティを高め、ファンを増やす効果も期待できます。
- 従業員のモチベーション向上:従業員が自社の社会貢献活動に誇りを感じることで、仕事へのやりがいやモチベーションが向上し、企業への帰属意識も高まります。
- 地域社会との良好な関係構築:地域に貢献することで、地域住民からの信頼を得られ、良好な関係を築くことができます。
- ESG投資の対象:環境（Environment）、社会（Social）、ガバナンス（Governance）の要素を重視するESG投資において、社会貢献活動は重要な評価項目となります。これにより、資金調達の機会が増える可能性もあります。
- 持続可能なビジネス展開:社会課題の解決に貢献することは、長期的な視点で企業の成長を支える持続可能なビジネスモデルの構築にもつながります。
社会貢献活動の種類と具体例
企業が行う社会貢献活動は多岐にわたりますが、代表的なものには以下のような種類があります。
- 寄付:NPOやNGO、災害時の被災地支援などへの金銭的な寄付。従業員の寄付に企業が上乗せする「マッチングギフト」も増えています。
- 従業員のボランティア活動:従業員が企業の一員として、被災地の復旧活動や「こども食堂」支援などに参加する。専門知識や技術を提供する「プロボノ」もあります。
- 物資の提供:自社の製品、設備、ノウハウなどを無償で提供する。例として、災害被災者への支援物資、発展途上国への医療機器提供など。
- 施設の開放:自社の施設を地域住民に開放し、教育活動やイベントに活用する。
- 環境保護活動:温室効果ガス排出量の削減、リサイクル推進、植林活動、環境に配慮した製品開発など。
- 地域コミュニティへの貢献:地域イベントへの協賛、教育活動の実施、高齢者支援など。
- 人権・労働慣行への配慮:従業員の多様性を尊重するダイバーシティ＆インクルージョンの推進、ワークライフバランスの確保、サプライチェーン全体での人権保護など。
具体的な事例:
- トヨタ:環境負荷の低減に取り組み、環境に配慮した車両の開発・製造、環境教育の推進など。
- 富士フイルム:東日本大震災の復興支援として、水や泥をかぶった写真を修復する「写真でつながるプロジェクト」を実施。
- 日本コカ・コーラ（い・ろ・は・す）:潰しやすいペットボトルで、消費者のエコへの意識を変える取り組み。
- 楽天:金融サービスへの包括的なアクセスを促進し、経済的な包摂を推進。
- パナソニック:創業100周年を機に、無電化地域に明かりを届ける「無電化ソリューションプロジェクト」を開始。
CSR、CSV、フィランソロピーとの違い
企業の社会貢献に関連する概念として、「CSR」「CSV」「フィランソロピー」があります。
- CSR（Corporate Social Responsibility：企業の社会的責任）:企業が事業活動を行う上で、環境や社会、顧客、従業員、株主などの利害関係者に対して責任ある行動を取り、説明責任を果たす考え方。法令遵守や倫理的な事業活動、環境配慮など、企業が社会に悪影響を与えないようにする側面が強いです。
- CSV（Creating Shared Value：共通価値の創造）:社会的課題の解決と経済的価値の創造を同時に追求する経営戦略。社会貢献がそのままビジネスの機会となり、利益につながるような取り組みを指します。
- 例：キリンホールディングスがアルコール関連問題に取り組むことで、社会的な信頼を得つつ、適正飲酒を促す製品開発やマーケティングにつなげる。
- フィランソロピー（Philanthropy）:企業や個人が社会の課題解決のために、主に資金やリソースを寄付するなどして行う慈善活動。本業とは直接関係のない、純粋な社会貢献活動を指すことが多いです。
- 例：企業が設立した財団による教育支援、文化芸術活動への寄付など。
これらの概念は相互に関連しつつも、それぞれ異なる側面を持っています。近年は、CSRの枠を超えて、本業と社会貢献を結びつけるCSVや、より戦略的に社会課題に取り組む姿勢が企業に求められています。
日本企業の社会貢献トレンド
日本企業では、社会貢献活動がますます経営戦略に組み込まれる傾向にあります。
- 重点分野:「環境」（88%）、「次世代育成」（69%）、「地域コミュニティ」（68%）が社会貢献活動の重点分野として挙げられています（2024年経団連アンケート）。
- 従業員の関与:従業員が社会課題に触れて成長する機会の提供や、モチベーション向上を目的とした活動が重視されており、人的資本経営の観点からも注目されています。
- SDGsへの貢献:持続可能な開発目標（SDGs）の達成に向けた取り組みが活発化しており、企業の社会貢献活動はSDGsの各目標と紐づけられることが多くなっています。
- CSR企業ランキング:東洋経済などのメディアが発表するCSR企業ランキングでは、環境、社会性、企業統治、財務などの多角的な視点から企業が評価され、企業の社会貢献への取り組みが注目されています。
企業が社会貢献に積極的に取り組むことは、企業価値の向上、持続的な成長、そしてより良い社会の実現に不可欠な要素となっています。
