日本の観光業が直面する課題
近年、新型コロナウイルス感染症の収束に伴い、日本を訪れる外国人旅行客数は過去最高を記録しています。これは日本経済にとって大きな恩恵をもたらしていますが、同時に「オーバーツーリズム」という新たな問題を引き起こしています。

SNSの普及により、これまで観光客が訪れることのなかった地域にも旅行客が集中し、住民の生活環境に悪影響を及ぼす事例が増加しています。地域によっては、ゴミの増加や騒音、交通渋滞などにより、地元住民が不満や不安を募らせています。

観光収入と社会福祉の連携
一方で、日本経済の現状を考えると、外国人旅行客による消費は不可欠です。彼らは日本人旅行客よりも多くのお金を使い、地方経済の活性化にも貢献しています。この状況を逆手にとり、オーバーツーリズムの問題を解決すると同時に、地域社会の課題を解決する新たな仕組みを構築できると考えます。

そこでアイズルームが提案したいのが、障害者や高齢者の雇用を創出するという取り組みです。

生活の安定: 障害年金や国民年金だけでは生活が困難な方が多く、生活保護に頼らざるを得ないケースが少なくありません。しかし、働く意欲や能力があるにもかかわらず、その機会がない方もいます。

社会参加の促進: オーバーツーリズム対策として、例えば観光地の清掃活動や安全対策の案内・啓発活動などの軽作業を、障害者や高齢者に担っていただくことで、彼らの社会参加を促進します。

財政負担の軽減: このような雇用が創出され、働く人々が増えることで、生活保護世帯の減少にもつながります。結果として、自治体の財政負担を軽減し、より持続可能な社会福祉を実現することができます。

観光客からの収入を活用して自治体が雇用を創出し、町の美化や秩序維持を図る。これにより、住民の満足度が向上するだけでなく、より快適な観光地として評価され、さらなる観光客の増加にもつながる好循環を生み出せると考えます。オーバーツーリズムを単なる課題として捉えるのではなく、障害者や高齢者の雇用創出という解決策につなげる、逆転の発想が重要です。

今後の観光立国に向けた提言
観光立国を目指す日本が、この先も旅行客を増やし、持続可能な観光を推進していくためには、以下の3つの視点から対策を講じることが重要だと考えます。

1. 観光客の体験価値向上と多角化
量だけを追求するのではなく、質の高い観光体験を提供することが重要です。

多様なニーズへの対応: 一般的な観光地巡りだけでなく、日本の伝統文化を体験できるワークショップや、地方の食文化を堪能できる農家民泊など、特定の興味関心を持つ旅行客に向けたニッチな体験を増やす。

デジタル技術の活用: VR(仮想現実)やAR(拡張現実)を活用して、歴史的建造物や文化財をより深く学べるコンテンツを提供する。また、多言語対応のアプリやAIチャットボットを導入し、旅行中の不便を解消する。

2. 観光資源の分散と「点」から「線」への移動
特定の観光地に集中する旅行客を分散させ、地方全体に経済効果を波及させる仕組みを構築します。

広域観光ルートの開発: 新幹線や高速道路などの交通インフラを活用し、複数の地域をまたぐ魅力的な周遊ルートを開発する。例えば、歴史テーマや食文化テーマなど、地域ごとの特色を活かしたルートを推奨する。

交通の利便性向上: 地方へのアクセスをより簡単にするため、多言語対応の交通案内や、お得な周遊パスの販売を拡大する。特に二次交通(バスや地方鉄道など)の情報を充実させることが重要です。

3. 地域住民と観光客の共存の実現
オーバーツーリズム対策は、単なる観光客規制ではなく、住民と観光客の双方が快適に過ごせる環境づくりを目指すべきです。

住民の理解促進: 観光収入が地域経済にどう貢献しているかを具体的に示し、観光事業への住民の理解と協力を促す。観光客との交流イベントなどを企画するのも有効です。

観光客への啓発: 観光客に対し、日本のマナーや文化を事前に知ってもらうための情報提供を強化する。宿泊施設や交通機関と連携し、地域ごとのルールやエチケットをわかりやすく伝える。

観光収入を基に、障害者や高齢者を雇用し、清掃や案内業務を担ってもらうことで、地域住民の生活環境を改善しながら、社会福祉にも貢献する。この仕組みは、持続可能な観光モデルとして、全国に波及させるべき重要なアイデアです。

これらを組み合わせることで、日本は「量」だけでなく「質」を伴う観光立国となり、観光客にも住民にも優しい社会を築きながら、経済的恩恵を享受できると考えます。 

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