【本当にがん検診は有効か?「医者は行かない」説と人間ドックの真実】
日本の死因第1位である「がん」について、今回は少し踏み込んだテーマでお届けします。巷でよく耳にする「医者はがん検診に行かない」「人間ドックを受けるのは日本人だけ」といった話の真偽と、がん検診や人間ドックの本当の有効性について、国内外の事例や論文を基に検証していきます。
がんの「ステージ」とは?医療的な定義と治療への影響
がんの診断において、その進行度合いを示す重要な指標が「ステージ(病期)」です。このステージは、がんの治療方針を決定するために不可欠な情報となります。
T(Tumor): がんが最初に発生した場所での大きさや広がり
N(Lymph Nodes): がんがリンパ節に転移しているか、その範囲
M(Metastasis): がんが元の場所から離れた他の臓器に転移しているか
これら3つの要素を総合的に評価し、通常は0期からIV期までの5段階に分類します。ステージ0やI期は比較的早期で、がんが元の臓器にとどまっている状態です。一方、ステージIVは、がんが他の臓器に転隔転移している最も進行した状態を指します。
早く見つけて治療すれば治るという話は、このステージが低い状態であれば、手術や放射線治療などの選択肢が広がり、完治を目指せる可能性が高まるという事実に由来しています。
「癌の極真」について:医学的な資料から見た真実
「癌の極真」という言葉は、医学的な専門用語としては存在しません。これはおそらく、「究極の」「最高の」といった意味で用いられた表現、もしくは格闘技の流派「極真」と関連付けて、がんとの戦いを表現した造語である可能性が高いと考えられます。
医療の現場において、「極限」の治療や「最高の」治療を指す言葉としては、以下のような最先端治療が挙げられます。
個別化医療(プレシジョン・メディシン): がん細胞の遺伝子を詳細に分析し、その人の体質やがんの特性に合わせた最適な薬や治療法を選択する治療。
免疫チェックポイント阻害薬: 人間が本来持っている免疫の力を利用してがんを攻撃する薬。近年、多くのがん種で劇的な効果を上げています。
陽子線・重粒子線治療: がん病巣にピンポイントで放射線を照射し、周辺の正常な細胞へのダメージを最小限に抑える高度な放射線治療。
これらの治療は、従来の治療法では効果が見られなかった進行がんにも希望をもたらしています。また、「世界がん撲滅サミット」のような国際的な取り組みには、極真会館のような団体も参画しており、社会全体でがんに立ち向かうというメッセージを伝えています。
がん検診と人間ドックの有効性:海外の事例と論文から見る結論
「がん検診は有効なものもあれば、そうではないものもある」というのが専門家の間での共通認識です。
公的機関や国内外の研究機関は、がん検診の効果を「がんによる死亡率を下げる効果が科学的に証明されているか」という観点から評価しています。その結果、一部のがん検診については有効性が証明されていますが、すべてではありません。
有効性が証明されている例:
大腸がん検診(便潜血検査): 大腸がんによる死亡率を減少させる効果が科学的に確認されています。
胃がん検診: 日本で行われた研究では、胃がんによる死亡率を減らす効果が示されています。
人間ドックについては、病気ではない人が費用を払って受ける健診であるため、その有効性を厳密に証明した大規模な研究は多くありません。海外では、人間ドックのように病気がない段階から包括的な検査を受ける習慣は一般的ではなく、「病気になったら病院に行く」という考え方が主流です。この背景には、医療費の個人負担が非常に高額であることや、医療保険制度の違いも影響しています。
「医者はがん検診に行かない」という話は、この辺りの事情が背景にあるのかもしれません。医療従事者は、有効性が証明されていない検査や、不必要な被ばくを伴う検査を避ける傾向にあるからです。しかし、だからといって、有効性が証明されている検診まで受けないわけではありません。
日本の医療は本当に遅れている?海外の最先端がん治療の実態
「日本の医療は海外に比べて遅れている」という指摘は一概には言えません。
確かに、アメリカなどでは、個別化医療や陽子線・重粒子線治療、ロボット支援手術といった最先端技術の導入が非常に進んでいます。また、臨床試験も盛んで、新しい治療法や薬が次々と開発されています。
しかし、これらの治療には莫大な費用がかかり、誰もが受けられるわけではありません。
一方、日本は皆保険制度によって、質の高いがん治療を比較的安価に、誰もが受けられるという大きなメリットがあります。また、「オプジーボ」や「エンハーツ」など、日本発の画期的な新薬も生まれており、治療薬の面で海外と比べて大きく遅れをとっているわけではありません。
日本の医療が遅れているというよりは、「治療の選択肢の広さ」や「医療費の個人負担」といった点で、海外と異なる特徴を持っていると言えるでしょう。
アイズルームは、障害者、高齢者、難病患者の方々の居住支援を通して、訪問医療機関とも連携し、すべての人が住みやすい社会を創りたいと考えております。がんによって生活が変わってしまった方々に対しても、その方に寄り添ったサポートをしていきたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。