アイズルームです。私たちは障害福祉に関する情報を、ブログを通じて毎日お届けしています。アイズルームという名前は、いつか視覚障害者のためのグループホームを全国に展開したいという願いを込めてつけました。

今日は「障害年金」についてお話しします。

私は高校卒業後、起業の準備をして20歳で会社を立ち上げました。小さな会社でしたが、医療系ソフトウェアの開発で最先端医療に携わっていました。私たちが手がけた医療機器は地元の医療機関に納品され、今はその病院に患者として通院しています。昔開発に携わった超音波診断装置、CTスキャン、MRIなどを見るたびに、心の中で誇らしく思うのです。

ベンチャー企業を立ち上げては成長させ、失敗も経験し、時には上場企業の役員として大きな組織の経営も学びました。経営の難しさ、そして楽しさを存分に味わってきたのです。

しかし7年前、私は視覚障害者となりました。視力が低下すると同時に、行動範囲も狭まり、組織を管理する能力も衰えていきました。事業の行き詰まりもあり、グループ企業の代表を辞任しました。還暦まではグループ企業の代表として収入があったため、障害年金は受給していませんでした。

還暦を迎え、再出発を切るにあたり、貯蓄もなくゼロからのスタートで生活が困難になるため、障害年金をいただくことにしました。

私の場合、20歳で起業した時から、経営していた会社で社会保険に加入していました。会社を立ち上げるたびに社会保険料の支払いは厳しかったですが、従業員のためにも必ず社会保険には入っていたのです。そのことが、障害者となった今、私の生活を支えることとなりました。

厚生年金に加入していないと、年金と同じで障害年金も受給できません。国民年金だけでは生活が厳しくなり、生活保護に頼らざるを得ない状況になることもあります。

だからこそ、私は伝えたいのです。

今、働いている方、そして私と同じように事業を起こしている方、健康な方でも私のように突然障害者になることがあります。その時、厚生年金に加入していないと、最低限の生活を支える障害年金を受け取ることができなくなってしまうのです。

障害年金のシステムについて
障害年金は、病気やケガによって生活や仕事に制限を受けるようになった場合に、現役世代の人でも受け取ることができる年金です。以下に、その基本的なシステムを解説します。

対象者と種類: 障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。

障害基礎年金: 国民年金に加入している人が対象です。障害の程度に応じて1級と2級に区分されます。

障害厚生年金: 厚生年金に加入している人が対象です。障害の程度に応じて1級、2級、3級に区分されます。障害基礎年金よりも対象範囲が広くなっています。

受給要件: 障害年金を受給するには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。

初診日要件: 障害の原因となった病気やケガで初めて医師の診察を受けた「初診日」が、国民年金または厚生年金の被保険者期間中であること。

障害認定日要件: 障害の程度を認定するための「障害認定日」に、所定の障害状態にあること。

保険料納付要件: 初診日の前日において、年金保険料を一定期間納付していること。具体的には、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、3分の2以上の期間で保険料を納付しているか、直近1年間で保険料の滞納がないことが必要です。

障害年金は、保険料の納付実績に応じて支給されるものです。国民年金だけでなく厚生年金に加入していることで、より手厚い保障を受けることができるのが大きな特徴です。

人生、いつ土砂降りになるかわからない
障害者になる人生など、以前はまったく考えていませんでした。商売をしていた頃は、もちろん一般の方よりも収入は多かったです。しかし、重度視覚障害者となり、会社も次第に立ち行かなくなりました。自分の貯蓄は、すべて会社に注ぎ込みました。

人生の転機は、いつ晴天から土砂降りになるかわかりません。現在の私の生活を助けてくれているのは、長年払い込んできた社会保険料を原資とした障害年金です。障害年金をもらわなくても、数年後には通常の年金を受給する年齢にはなりますが、それまでの生活を支えてくれたのは間違いなくこの障害年金でした。

健康な時こそ、自分の未来を守るための備えが大切です。もしもの時に生活を支える社会保険について、今一度考えてみませんか?