約10年間、居住支援の活動を続ける中で、私は一つの厳しい現実に直面してきました。それは、車椅子使用者向けのバリアフリー対応低価格住宅が圧倒的に不足しているという問題です。

たとえば、東京23区で単身者向け物件を探す場合、家賃が14万円を超えてくると、バリアフリーで車椅子対応の賃貸は比較的簡単に見つかります。貯蓄や十分な収入があれば、障害があっても住まいを見つけることに大きな問題はありません。

しかし、失われた30年と呼ばれる時代を経て、日本では非正規雇用者が増え続け、多くの人が貧困に苦しんでいます。そうした方々は、東京でも家賃6万円程度、私の営業エリアである千葉県東葛地域では5万円程度で物件を探さざるを得ません。この価格帯で、車椅子でも安心して暮らせるバリアフリー住宅を見つけることは、ほぼ不可能と言っていいでしょう。

健常者であっても、いつ事故や病気で下半身に麻痺を負い、車椅子生活になるかはわかりません。また、65歳を過ぎると、病気や怪我、関節の不具合などで車椅子が必要になる方は急増します。そんな時、もし十分な貯蓄がなければ、住まい探しは極めて困難になります。

現在、都心部でも空き家率は20%に達し、空き家問題は日本社会の大きな課題となっています。この空き家を有効活用し、低所得の車椅子使用者向けのバリアフリー住宅へとリフォームすることが、この問題を解決する一つの道だと私は考えます。戸建てでもアパートでも構いません。1階部分をリフォームし、適正な価格で賃貸に出すのです。

具体的には、物件のエントランスにスロープを設置する必要があります。ただし、建物が敷地ギリギリに建っている場合はスロープの設置が難しい場合もあります。また、部屋は2K程度のスペースを、トイレやお風呂を広くとったワンルームにするなど、車椅子での生活を想定した改修が必要です。

車椅子での部屋探しは非常に困難なため、一度バリアフリー改修をすれば、入居者はそこを「終の棲家」として長く住み続ける傾向にあります。これは、オーナーにとっても長期的な安定収入につながるメリットがあります。

国土交通省、厚生労働省、地方自治体の皆様、そして民間のオーナー様にお願いです。どうか、低所得者向けの車椅子使用者用バリアフリー住宅を増やしてください。

遅ればせながら、私は「アイズルーム」の代表を務めております。私自身も障害者であり、障害者の居住支援と就労支援を行ってきました。障害者の住宅に関する社会問題解決のため、NHKや民間放送のテレビ・ラジオ番組にゲスト出演して問題提起を行ったり、地方自治体のセミナーや障害者団体の研修会で講師を務めたりしています。

車椅子用バリアフリー住宅の普及に関心があり、社会貢献の一環としてこの問題に取り組んでみたいという方がいらっしゃいましたら、ぜひご相談ください。私は無償でプロジェクトに参加し、交通費や弁当代も自費で負担します。

アイズルームの活動の目的は、障害を持つ方々が少しでも豊かに暮らせるよう、誰もが安心して暮らせるインクルーシブな社会を築き上げることです。

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