【週末のショッピングモールで考えた、愛すべきトイプードルの哀しい現実・遺伝子をねじ曲げられた命の叫び】

先日、週末にふらりと立ち寄ったショッピングモール。きらびやかなお店が立ち並ぶ中、いつものように足が向かったのはペットショップでした。ガラス越しに見える子犬たちが、まるでショーウィンドウに並べられた商品のよう。その光景を見るたびに、胸が締め付けられるような違和感を覚えます。
とりわけ、私が愛してやまないトイプードルの姿には、目を奪われずにはいられません。
トイプードルへの尽きせぬ愛
トイプードルは、本当に素晴らしい犬種です。
頭が良くて愛らしい表情は、見ているだけで心が癒されます。カットサロンで綺麗にトリミングされた姿は、さらに可愛らしさが引き立ち、その優雅なスタイルは見る人を魅了します。また、毛が抜けにくく衛生的で、アレルギーを持つ方でも飼いやすいという点も大きな魅力です。
まさに、人間にとって最高のパートナーと言えるでしょう。
小さくなることで失われたもの
しかし、そんな愛すべきトイプードルには、看過できない問題が潜んでいます。
トイプードルの祖先は、もともと「スタンダードプードル」という大型犬でした。彼らは水猟犬として活躍する、たくましく知的な犬です。そんなスタンダードプードルから、なぜトイプードルはこんなにも小さくなったのでしょうか?
それは、人間の「可愛い」という欲望を叶えるために、品種改良を繰り返した結果に他なりません。
遺伝子を操作して体を極限まで小さくした結果、トイプードルは様々な健康問題を抱えるようになりました。人間でいうなら、大人になっても極端に小柄な体型であることで、内臓や骨格に多くの負担がかかるようなものです。私が以前飼っていたトイプードルも、難病を抱え、何度も辛い手術を受けました。それは偶然ではなく、品種改良の過程で生まれた悲劇だったのかもしれません。
高額な命の取引と、衝動買いの危険性
ショッピングモールで見かけたトイプードルは、生後わずか2ヶ月。ティーカッププードルと呼ばれるほど、手のひらに乗るほど小さな姿でした。
信じられないことに、その小さな命には50万円という高額な値段がつけられていました。
一昔前、ペットショップの劣悪な環境が問題視され、一時的な休憩時間などが設けられるなど、多少は改善されたと聞きます。しかし、このような異常な小型化を繰り返すことで、犬たちの命を危険にさらしている現状は変わっていません。
以前、私のブログで指摘したブリーダーの問題も、この悲劇の背景にあります。ある悪質なブリーダーは、300匹もの犬猫を狭いケージに閉じ込め、劣悪な環境で繁殖させていました。高額で取引されるトイプードルは、こうした裏側で「生産」されている可能性を否定できません。

また、ショッピングモールという場所も問題です。多くの人が行き交う場所にあるペットショップは、衝動買いを誘発します。一時の感情で命を迎え入れた結果、飼育放棄という悲しい結末を迎えるケースも少なくありません。
大手上場企業への提言
ペットショップをテナントとして受け入れているショッピングモールの多くは、社会的な責任を負うべき大手上場企業です。
そうした企業が、社会の公器として信頼を築くべき場所で、倫理的に問題のあるペット産業を許容し、そのビジネスモデルに加担していると見られてしまうことは、決して見過ごせません。
企業には、ただ利益を追求するだけでなく、倫理観に基づいた慎重な管理監督が求められます。
ショッピングモールを運営する企業は、自らのテナントに対し、動物福祉を最優先した運営を徹底するよう指導すべきです。動物の健康を脅かすような過剰な品種改良や、劣悪な飼育環境を持つブリーダーとの取引を排除するよう、強い姿勢で臨んでほしいと切に願います。
アイズルームは、人間とペットが共存し、お互いに豊かになる社会を目指します。