日本の政治は今、文字通りの「国難」に直面している。

今月末には、権威主義的な姿勢で知られるドナルド・トランプ米大統領の来日が予定されている。外交の最重要課題を目前に、我が国の首相指名すら決まらぬという未曾有の混迷を、世界に晒して恥じぬのか。

そしてこの重大な局面で、野党第一党からの連携の打診を受けながら、自らの発言がメディアに取り上げられ有頂天になっているのが、国民民主党の玉木雄一郎代表だ。彼は、立憲民主党との政策の不一致、特に安全保障やエネルギー政策における隔たりを理由に、「現時点で連携は困難」と公言している。

無論、政策の一致が理想であることは理解できる。しかし、連立政権を目指すにあたり、完璧な一致などあり得ない。互いに「のりしろ」を持ち、国を前に進めるために妥協点を見出すのが真の政治家ではないのか。彼は、「首相になる覚悟」を口にしながら、本来、その資格を持つほどの勢力ではない自党の立場を忘却し、自己顕示欲に溺れている「裸の王様」と断じざるを得ない。昨年末に報じられた不倫問題で世間を騒がせた「張本人」としての襟の正し方も、今の彼の言動からは一切感じられない。

今、自民党は公明党との連立を解消し、総裁選を経てもなお、政権基盤は崩壊寸前だ。これほどの「天祐」は、戦後日本の歴史においても稀に見る。

立憲民主党の野田佳彦代表、国民民主党の玉木雄一郎代表、日本維新の会の吉村洋文代表よ、声を大にして問う。

貴方たちは、一体いつになったら私利私欲とメンツを捨て、日本国のため、国民生活のために「大同団結」するつもりなのか。

この千載一遇の好機に、党利党略に固執し、連携を拒むのであれば、貴方たちに政権を担う資格など毛頭ない。万年野党として、安全な外野席から、永遠に与党批判を続ける「評論家」に徹していれば良い。

野田代表、玉木代表、吉村代表よ、今こそ政治生命を賭けろ。

真の政治家たる覚悟があるのならば、この際、「かっこつける」のはやめろ。人間味のある泥臭い議論を展開し、3党首で直ちに大連合を形成せよ。

そして、既得権益の象徴である「企業・団体献金」の即時廃止を主要政策として掲げろ。政治とカネの問題に国民の怒りが沸騰している今、この法案は必ずや通る。他の少数野党も、この「政治とカネ」との決別を宣言する法案には、賛成せざるを得ないだろう。

もし、貴方たちがこの法案を成立させ、政治の透明性を確立できたならば、国民の信頼は一気に野党連合に集まり、自民党はさらに壊滅的な弱体化を免れまい。

野党連合にとって、今こそが最後のチャンスだ。

この歴史的な「政権交代の波」に乗ろうとしない者は、結局のところ、面倒な責任を負うことを避け、ただ「政治家」という地位に安住したいだけの、無能な役人根性の持ち主に過ぎない。

真の「日本の首相」になれるかどうかの正念場は、この1週間で決する。

与党も野党も混迷を極める中、このままでは誰も何も決められず、日本は一層の混迷へと突き進むだけだ。トランプ大統領の来日という国賓を迎えるまでに、日本はリーダーを決め、意思を示すべきだ。

寝ている場合ではない。

私は問う。今の政治家の中に、この国を導き、難局を乗り切れる真の「日本の首相」たる人物は、果たして存在するのか。この問いに、貴方たちは行動で答えよ!