【《問題解決コンサルタントからの緊急提言》「二人に一人」の時代に問う!本当にその手術は必要か?近藤誠医師が投げかける進行しない癌「がんもどき」との賢い付き合い方】

      

【《問題解決コンサルタントからの緊急提言》「二人に一人」の時代に問う!本当にその手術は必要か?近藤誠医師が投げかける進行しない癌「がんもどき」との賢い付き合い方】

女性の方が病院で、CTスキャン検査を放射線技師の指示に従い撮影している画像です。

アイズルームは、中小企業の経営課題解決を支援するコンサルタントとして、時に医療・福祉分野のクライアントが抱える問題にも真正面から向き合っています。

今日のテーマは、国民の二人に一人が癌になる時代における、日本の「がん医療」への問題提起です。特に、元・慶應義塾大学医学部専任講師である近藤誠医師が長年提唱してきた「がんもどき」理論を取り上げ、私たち自身が癌という病気とどう向き合うべきかを考えます。

1. 進行する癌と、進行しない「がんもどき」
近藤医師の提唱する理論の根幹は、「癌は二種類に分けられる」という考え方です。

本物のがん(悪性度の高い癌): 発見された時点で既に転移能力を持っており、すぐに全身に広がってしまうタイプ。このタイプは、手術で原発巣を切除しても、既に転移したがん細胞を取りきれないため、治療をしても延命効果は期待できない、あるいは手術自体が体力を奪い、かえって寿命を縮める可能性があるとしています。

がんもどき(進行しない癌): 見た目は癌の顔つきをしていても、転移・浸潤する能力を持たないタイプ。このタイプは、どんなに時間が経っても大人しくしており、放置しても命に関わることはないため、手術で切除する必要はない、と近藤医師は断言しています。

近藤氏は、「早期がん」とされるものの多くは、この「がんもどき」であるとし、「本当にその手術必要でしたか?」という根本的な疑問を医療界に投げかけています。

2. 外科医と病院経営の現実がもたらす「過剰治療」リスク
私たちアイズルームは、現在の医療業界の厳しさを理解しています。病院の約8割が赤字と言われる厳しい経営環境の中、外来の投薬治療だけでは収益を確保できず、どうしても外科的手術など収益性の高い医療行為に頼らざるを得ない構造があります。

近藤医師も指摘するように、一般的に外科医は「手術をしたがる」傾向にあります。腫瘍を切除すれば患者は「癌が消えた」と安心感を覚えますが、手術には当然、身体的負担や合併症のリスクが伴います。

近藤氏は、本来「がんもどき」で放置しても問題ないはずの病変に対し、病院経営や外科医の習性から、不必要な外科的切除が行われてしまう現実が少なくない、と強く警鐘を鳴らしています。

3. 「すぐに手術が必要な癌」の見極めと「転移しない臓器」
では、私たちはどう見極めるべきでしょうか。

近藤氏によると、手術が必要な「本物のがん」は、「手遅れ」の状態で見つかることがほとんどであり、その時点で積極的に外科手術を行うべきではないという意見です。

逆に、本当に手術を検討すべき癌とは、悪性度が低く、局所にとどまる段階の癌のように思えますが、近藤氏の理論では、それは「がんもどき」に分類されます。

ただし、近藤氏の著作からは、以下の特徴を持つ病変や臓器について、独自の視点が見受けられます。

「がんもどき」の典型例: 近藤氏は、上皮内癌、非浸潤癌、粘膜内癌、乳管内癌など、定義上は癌であっても浸潤(深く入り込むこと)や転移の能力がないものは、ほぼ100%「がんもどき」であり、切除は不要だと主張しています。

転移しない臓器(部位): 近藤氏の理論では、進行しない「がんもどき」は転移しません。特に甲状腺の「癌」などは進行が遅いものが多く、安易な手術は避けるべきであると述べています。

「本物のがん」の特徴: 本物のがんは、早期の段階で既にリンパ節や他臓器に微細な転移を始めているため、自覚症状が現れて発見された時には、既に手遅れに近い状態であるとしています。

4. 「検診」や「診断」制度への疑問とセカンドオピニオンの重要性
近藤氏は、現在の日本の癌の診断制度にも一石を投じています。悪性度の低いものや、厳密には悪性とは言えない腫瘍まで「癌」と認定されがちであり、これが過剰な治療へと繋がっていると指摘します。

さらに、近藤氏は、がんの「定期検診」自体に否定的です。

検診で見つかる癌の多くは、進行の遅い「がんもどき」である。

この「がんもどき」を見つけて切除することが、不必要な手術や治療につながる。

本当に危険な「本物のがん」は、進行が速すぎて次の検診を待たずに症状が出てしまうか、検診で見つかっても手遅れである。

そのため、近藤氏は「検診を受けるよりも、自覚症状がないうちは放置する方が賢明だ」という極端な意見を述べています。(※この意見は、標準医療とは大きく異なります)

5. 読者と共に考えるべきこと
もちろん、近藤氏の理論が全て正しいわけではなく、多くのがん専門医は、早期発見・早期治療の重要性を説いています。癌の種類や患者の状態によっては、直ちに手術や治療が必要なケースも確実に存在します。

しかし、近藤氏の問いかけは、日本の癌医療が抱える構造的な問題、すなわち「本当にその治療は患者本位なのか?」という疑問を浮き彫りにしています。

私たちは、自身の身体に「癌」が見つかった時、医師の言葉を鵜呑みにするのではなく、以下の視点を持つべきです。

診断の確定: 腫瘍が本当に浸潤・転移能力を持つ「本物のがん」なのか、それとも「がんもどき」の可能性が高いのか。

治療の選択: 手術のメリット(腫瘍の除去)と、手術によるデメリット(体力低下、合併症、生存期間への影響)を天秤にかける。

セカンドオピニオン: 別の専門医に相談し、複数の視点から最善の選択肢を見極める。

「がんもどき」理論は、私たちに「手術=最善の解決策」ではないかもしれない、という新たな視点を提供してくれます。

アイズルームは、医療クライアントへのコンサルティングを通じて、「患者のQOL(生活の質)を最優先にした医療」が実現するよう、今後も問題提起を続けてまいります。