【夢想と現実の狭間を彷徨う若き起業家たちへ:1円起業の甘い罠と、持続的成長への羅針盤、 経営の酸いも甘いも知る者からの提言】
もちろん、成功体験よりも、苦渋を味わった失敗の数の方が多いかもしれません。しかし、その一つひとつの経験こそが、今の私の血肉となっています。
還暦を迎え、目の病(視覚障害)を機に経営の第一線からは退きましたが、これまでに培った成功と失敗の「生きた経営知」を、次世代の起業家や悩める経営者の皆様に伝えたいという思いから、問題解決コンサルティング会社「アイズルーム」を設立いたしました。
設立のハードルが下がり誰もが社長になれる今だからこそ、若き起業家や中小企業の経営者の皆様に知っておいていただきたい「起業の甘い罠」と「事業を継続させる真の要諦」について、私の実体験に基づいた警鐘を鳴らしたいと思います。
1. 会社設立の「易化」がもたらした光と影
かつて、日本の会社設立には高いハードルがありました。旧商法下では、株式会社の設立に最低1,000万円、有限会社には最低300万円の資本金が必要とされていました。しかし、2006年の会社法施行により、この規制は撤廃され、現在では資本金1円からでも会社(株式会社、合同会社等)を設立できるようになりました。
これにより「誰もが社長になれる時代」が到来し、アントレプレナーシップが高まるという点では大きな進歩でした。しかし、この設立の「易化」は同時に、事業の持続性に対する意識の希薄化を招いている側面があります。
実際に法人設立には、登録免許税や公証人手数料(株式会社の場合)などの法定費用がかかり、株式会社で概ね20万円~25万円程度、合同会社で概ね6万円~10万円程度の初期費用が必要です(電子定款利用の場合)。これは以前と比べれば格段に低い金額ですが、真に問題なのは、設立費用ではなく、その後の「運転資金」です。
資本金1円で設立できても、事業の基盤となる運転資金(事務所賃料、人件費、社会保険料、仕入れ費用など)がなければ、事業はすぐに立ち行かなくなります。IPO(新規株式公開)による一攫千金を夢見るばかりに、足元のビジネスモデルやキャッシュフローを軽視しているベンチャー経営者が散見されるのは、まさにこの設立ハードル低下の影の部分です。
2. 「資格者講師」と「先見性のない事業」への警鐘
現在、国や地方自治体によるベンチャー企業・スタートアップ支援策が盛んですが、その支援の場において、経営の実践経験が乏しい士業(中小企業診断士、弁護士、税理士など)の資格保持者が「講師」や「メンター」として中心に座っている現状には、強い懸念を抱かざるを得ません。
机上の知識と、血肉を伴う経営の現場とは大きく異なります。理論は重要ですが、事業は生きた現場の課題解決であり、「先見性」や「実行力」、そして「継続力」こそが問われます
また、「IT」や「AI」といった流行りの技術に飛びつき、一見「今時のキラキラ」した会社を装いながらも、「何のためにその会社を興したのか」「社会に対してどのような意義を持つのか」という事業の根幹となる哲学や社会的意義を持たない経営者が多いのも事実です。技術は陳腐化が早く、常に最先端を追い続けなければ生き残りは困難です。
3. 事業継続の厳しさと中小企業の課題
会社を「設立」するのは簡単でも、「継続」するのは至難の業です。事業は立ち上げからが本番であり、多くの企業が創業後3年、5年を経たずに淘汰されていくのが現実です。統計データ(中小企業白書などの公的資料から引用されるデータ)によれば、ベンチャー企業の10年後の生存率は数パーセントという非常に厳しい数字が示されています。
さらに、日本の全企業数の約99.7%を占める中小企業の中で、少額の売上にも満たない「ゾンビ企業」と呼ばれるような将来性のない企業が温存されてしまうことは、日本経済全体の活力を削ぐ要因ともなり得ます。少ない売上であれば、無理に法人化せず個人事業主のままでいる方が、手続きの煩雑さやコストの面で合理的な場合も多いのです。
4. 学びの場と成功の法則の誤解
海外には、実践的な経営教育の最高峰としてMBA(Master of Business Administration)を授与するビジネススクールが数多く存在し、経営人材を輩出しています。日本にもグロービス経営大学院などがありますが、海外のトップスクールと比べるとその規模感や、輩出された経営者が生み出したインパクトの総量には大きな差があるのが現状です。
成功した経営者の「武勇伝」は参考にはなっても、それをそのまま真似て成功できるほど経営は単純ではありません。成功は、「その時代に」「その人が」「その状況下で」行った結果であり、「運」「時代背景」「先見性」、そして「経営者の実力」が複雑に絡み合った結果です。
「頭がいいから成功するわけでもない」「努力をしたからといって先見性がなければ失敗する」。経営とはその「難しさ」が「面白さ」に繋がる、奥深いものです。
5. 経営の成功への道標(アイズルームからの提言)
会社を起業すること自体を「目的」にしてしまっては、ビジネスは成功しません。
重要なのは、ご自身の「実力」と「限界」を十分に理解した上で、将来性のある業界とビジネスモデルを見極め、粘り強く事業を継続し、常にモデルを検証・改善していくことです。10年経過してやっとスタートラインに立てる、それくらいの覚悟が求められます。
もし、貴社が「起業したはいいが、どうにも成長の糸口が見えない」「長年の赤字経営から脱却したいが、何から手を付けていいか分からない」といった経営の課題に直面されているならば、ぜひ当アイズルームの扉を叩いてください。
私たちは、机上の空論ではなく、「現場主義」に基づいた伴走型支援により、赤字会社の業務改善・体質強化を徹底的にサポートいたします。
あなたの会社が抱える真の問題を見つけ、正しい方向へと導く羅針盤となりましょう。
成功報酬型のコンサルティング:利益が出る前にコンサルティングフィーをいただくことはありません。共に成果を追求し、貴社の成長によって初めて報酬をいただきます。
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事業の存続と成長、そして社会的な意義の実現を目指す、すべての起業家と経営者の皆様へ。アイズルームは、あなたのビジネスの成功に真摯にコミットいたします。