【《ユニバーサルデザインへの提言》視覚障害当事者の視点から考える、本当に使いやすい家電製品の実現に向けて】

このブログでは、視覚障害者1級である私自身の日常生活における切実な課題提起と、それに対する家電メーカー様への切なる提言をさせていただきます。
現場の切実な声:最新家電の「ユニバーサルデザインの不在」
家電製品は日々進化し、多機能化が進んでいます。しかし、その進化の方向性が、すべての人にとっての「使いやすさ」につながっているとは言い難い現状があります。
1. エアコンのリモコン操作の困難
季節の変わり目、特に暖房から冷房、あるいはその逆への切り替え時、多くのエアコンのリモコンは、見えない液晶パネルが主流です。視覚に頼れないため、どのモードになっているか、温度設定がどうなっているかを確認することが極めて困難です。
要望: 物理的なボタンによる操作、または操作内容を音声で確実にフィードバックする機能の標準搭載。
2. ドラム式洗濯機に見る操作パネルの課題
高性能なドラム式洗濯機ほど、多くの製品がボタンを廃し、液晶タッチパネルを採用しています。これにより、視覚障害者は直感的な操作ができず、高機能な製品の恩恵を受けられません。
現状: 操作しやすい旧式の、比較的安価な機種を選ぶざるを得ないケースが多く、最新技術の恩恵から取り残されています。
要望: 主要な機能操作は、触覚で識別できる物理ボタンや、すべての操作に対応した音声ガイド機能を搭載していただきたい。
3. テレビのリモコンとチャンネルの煩雑化
近年のテレビリモコンは、地上波、BS、CSに加え、様々な動画配信サービスへのダイレクトボタンが増加し、ボタン配置が複雑化しています。
要望: シンプルな基本操作に特化したリモコンの提供、またはすべてのボタン操作とチャンネル切り替え(YouTube含む)に対する、正確で分かりやすい音声ガイド機能の強化。
4. 照明スイッチの確実な状態把握
照明のオン・オフを視覚以外で確認する方法がないため、「電気がついているか消えているか」を確認することが難しい場合があります。
要望: スイッチ操作時、「電気をつけます」「電気を消します」といった音声フィードバックを標準機能として搭載していただきたい。
アイズルームからの提案:企画段階からの「無償協力」
私たちは、これらの課題が、メーカー様の「当事者視点の欠如」によるものではなく、「当事者の声を聞く機会の不足」によるものだと考えています。
そこで「アイズルーム」は、これらの課題解決に向けて、家電メーカー様の製品企画・開発の初期段階から、無償で協力させていただきたいと提案いたします。
当社のスタッフは、障害当事者及びその家族であるため、机上の空論ではない、生活に根ざした的確なフィードバックと、真に役立つユニバーサルデザインの企画立案に貢献できます。
本当に使いやすい家電製品は、全ての人にとって使いやすい製品です。視覚障害者だけでなく、高齢者の方々、一時的に怪我をしている方々など、多様な利用者の生活の質(QOL)向上に必ずつながります。
アイズルームの結び
私たちは、一部のユーザーのための特殊な製品ではなく、すべての人に開かれた市場において、ユニバーサルデザインが「当たり前」となる未来を強く願っています。
この提言が、家電メーカー様との有意義な連携のきっかけとなり、共により良い製品を社会に送り出す一歩となることを心より期待しております。
お問い合わせ
本ブログをご覧いただいた家電メーカーのご担当者様、またはご賛同いただける企業様・団体様におかれましては、ぜひ当団体へご連絡ください。
お問い合わせフォーム等からご連絡をいただきましたら、担当者より折り返しご連絡をさせていただきます。当事者視点を活かした製品開発へのご協力を、心よりお待ちしております。
#ユニバーサルデザイン #視覚障害 #家電アクセシビリティ #アイズルーム #UD家電