【れいわ新選組参議院議員 重度障害者 天畠大輔氏のご紹介】

アイズルームでは、障害福祉をテーマにしたBlog記事を毎日配信しています。
今回は、私と同じ医療ミスで重度障害を持つれいわ新選組の参議院議員、天畠大輔氏についてご紹介します。
ホームドアの設置
音声信号機の設置
バリアフリーの推進
多目的トイレの設置
これらの活動を通して、誰もが安心して暮らせる社会の実現を目指しています。
天畠大輔氏のプロフィールと経歴
天畠大輔氏は1981年広島県呉市生まれの政治家、研究者です。14歳の時に医療ミスにより、後天的に四肢麻痺・発話障がい・視覚障がい・嚥下障がいといった重度の障がいを負い、車椅子生活となりました。コミュニケーションは、特殊な「あ、か、さ、た、な話法」を用いて行います。
障がいを負ってから、学びや自立、職業選択の自由が著しく制限されるという厳しい現実を経験しました。養護学校(現在の特別支援学校)では希望する科目の勉強が叶わず、大学入学まで4年を要するなど、多くの困難を乗り越えてきました。
その後、ルーテル学院大学を卒業し、立命館大学大学院先端総合学術研究科で博士号(学術)を取得。「日本で最も重い身体障害を持つ研究者」を自称し、当事者研究、障害学、社会福祉を専門としています。
2020年には一般社団法人「わをん」を設立し、代表理事に就任。重度障がい当事者の長編インタビューサイト「当事者の語りプロジェクト」を運営するなど、重度障がい者の支援活動に積極的に取り組んでいます。また、日本学術振興会特別研究員、中央大学社会科学研究所客員研究員、立命館大学生存学研究所客員研究員なども務めています。
主な受賞歴
第43回NHK障害福祉賞・優秀賞受賞(2008年)
2021年度社会デザイン学会奨励賞受賞(2021年)
2023年度日本社会福祉学会学会賞奨励賞受賞(2023年)
参議院選挙とれいわ新選組との関わり
天畠氏は、2022年の第26回参議院議員通常選挙にれいわ新選組から比例区の特定枠候補者として立候補し、初当選を果たしました。れいわ新選組は、重度障がいを持つ当事者を「特定枠」として優遇することで、多様な背景を持つ人々の国会への参加を可能にしています。これは、従来の選挙制度では立候補すること自体が困難であった障がい当事者の声を、直接国政に届けるための重要な仕組みです。
天畠氏自身も、「この重度訪問介護という制度を使ってこの選挙戦に出ることで、多くの障害者の人たちが、障害者の現状を国会に伝えることができる。声を届けることができるそういう権利を勝ち取りしていきたい」と述べており、自身の立候補が、障がい者の社会参加の権利を勝ち取るための活動の一環であることを強調しています。
国会では、参議院厚生労働委員会や政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会に所属し、障がい福祉政策を中心に活動しています。
最近の活動内容(2025年7月現在)
天畠大輔議員は、国会での質疑や院内集会、街頭演説などを通じて、主に障害福祉に関わる様々な課題に取り組んでいます。
厚生労働委員会での質疑: 障害年金制度改革、医療的ケア児者の課題、入院中の医療機関における家族・介助者の付き添い同行の確保、自殺対策など、多岐にわたるテーマで質疑を行っています。特に、障害年金制度については、ドイツやスウェーデンといった諸外国の社会モデルを取り入れた制度を参考にすべきと提言しています。
重度訪問介護制度の拡充: 仕事中にも重度訪問介護制度が利用できるよう、制度の改正を求めています。これは、障がい者の職業選択の自由や自立に直結する重要な課題です。
バリアフリー化の推進: 新幹線の車椅子スペース拡充、トイレのバリアフリー化、駅のホームの安全対策、公園や住宅の整備、災害時の避難所の改善など、公共施設のバリアフリー化を訴えています。これらの政策は、障がい者だけでなく、高齢者や子育て中の人々、そして誰もが安心して暮らせる社会の実現に繋がるとしています。
多様性の尊重と社会包摂: 同性婚の早期実現など、性別や障がいの有無に関係なく、誰もが自由に生きられる社会を目指す活動も行っています。
選挙事務所 URL
天畠大輔氏の公式ウェブサイトは以下の通りです。
天畠大輔 公式サイト: https://tennohatakenimihanarunoka.com/
こちらで、活動報告やプロフィール、政策など詳しい情報が確認できます。
今後彼がやりたいこと
天畠氏が今後やりたいこととしては、これまでの活動の延長線上にある、以下の点が挙げられます。
「誰もが生きやすい社会」の実現: 障がいがあることで選択肢が狭められる現状を打破し、誰もが「生きていたい」と思える社会の仕組みを、具体的な政策で実現することを目指しています。
重度障がい者の社会参加の促進: 特に、重度訪問介護制度の拡充を通じて、障がい者が地域で当たり前に暮らし、働き、社会参加できる環境を整備することに注力しています。
当事者の声を国政に反映: 自身の経験や、一般社団法人「わをん」での活動で得た当事者の声、そして他の障がい者議員や支援団体との連携を通じて、障がい者のリアルな現状とニーズを国会に届け、政策に反映させていくことを重視しています。
医療的ケア児者への支援強化: 医療的ケアを必要とする子どもたちとその家族が安心して暮らせるよう、医療・福祉・教育現場での支援体制の充実に取り組んでいくと考えられます。
天畠大輔氏は、重度の障がいを持つ当事者としての経験と、研究者としての知見を活かし、障がい福祉の分野において積極的に活動を展開しています。彼の活動は、障がい者の権利擁護と、よりインクルーシブな社会の実現に向けた重要な一歩と言えるでしょう。
