【「過去の呪縛」から抜け出し、未来を切り拓く方法】

      

【「過去の呪縛」から抜け出し、未来を切り拓く方法】

女性の視覚障害者が、男性の障害福祉コンサルタントに就労や生活に関して相談をしている画像です。

私たちは「アイズルーム」という団体で、日々の仕事として、また結果的にボランティアという形で、問題解決のコンサルティングを行っています。毎日、さまざまな悩みを抱える方々からヒアリングを行い、その解決に向けたアドバイスを提供しています。

そうした活動の中で、私たちが最も多く耳にするのは、過去のトラウマをいつまでも引きずり、同じような話を繰り返す方々の声です。過去は変えられない。過去の状態を反省した上で、これからどうするかが最も重要であると、私たちは考えています。

過去の問題の多くは、家族、夫婦、恋人、同僚、会社など、人間関係に起因するものです。ご本人が語り始めると、決まって相手が一方的に悪いという話になりがちです。

私たちから見れば、そのような嫌な関係は、親子関係を断絶したり、世帯分離をしたり、離婚したり、会社を辞めたりすることで終わらせることができるはずです。足に足かせをつけられ、戦争の時代のように強制労働させられているわけではないのですから、自らの判断でその環境から離れるべきです。

過去の問題をいくら引きずっても、歴史は変わりません。人間対人間のいざこざは、どんな環境下でも発生します。重要なのは、問題が発生した時に自分自身を見つめ直し、自分の心に寄り添い、いち早く行動することです。

自己をコントロールし、新たなスタートを切る勇気
問題が起きた際に、薬物やお酒に頼ったり、引きこもって仕事ができなくなったりすることは、マイナスの連鎖を招くだけです。そもそも、人生は常にうまくいくわけではありません。うまくいかない中で、最低限の自己をコントロールし、悪い環境からは逃げ出し、再スタートを切るべきです。

私たちは一人で生まれ、一人で生きていきます。人を頼って過去の問題を繰り返し話しても、何も解決しません。人を憎み続ければ心はどんどん疲弊し、他者を信じられなくなってしまいます。他者を信じられない人間は、他者からも信じられなくなります。人間は弱い生き物だからこそ、悪い環境から抜け出すこと、そして、くよくよと考えずに次に向かって踏み出すことが大切です。

この考え方は、哲学的な思考とも深く結びついています。例えば、心理学者のヴィクトール・フランクルは、ナチスの強制収容所での過酷な体験を通して、「人はどのような状況にあっても、自らの態度を決定する自由がある」と説きました。彼は、過去の悲劇を変えることはできなくても、それに対する自分の反応を変えることで、未来を意味あるものにできると考えたのです。

過去は変えられませんが、あなたの意志と行動が、より良い未来を築きます。