本日も福祉を学びましょう。アイズルームは、障害当事者が発信する「障害福祉」にテーマを絞ったブログです。

本日のテーマは 「障害者手帳」。アイズルームのブログ編集長の私は、身体障害者一級視覚障害者です。

障害者手帳の3つの種類について
「障害者手帳」は大きく三つに分かれます。

①障害者手帳には、以下の3つの種類があります。これらは根拠となる法律や対象となる障害の種別によって分けられています。

身体障害者手帳:

根拠法: 身体障害者福祉法

対象: 永続的な身体上の障害がある方(例:視覚、聴覚、平衡機能、音声・言語機能、咀嚼機能、肢体(上肢・下肢・体幹など)、心臓、腎臓、呼吸器、ぼうこう・直腸、小腸、肝臓、免疫機能)。

等級: 1級から7級まであり、1級が最も重度です。ただし、手帳の交付対象は1級から6級までです。

療育手帳(愛の手帳、みどりの手帳など名称は自治体により異なる):

根拠: 各自治体の要綱に基づき交付されますが、国の「療育手帳制度要綱」に準じています。

対象: 知的障害のある方。

等級: 自治体によって「A」「B」などの区分や、数字による区分(例:最重度、重度、中度、軽度)があります。

精神障害者保健福祉手帳:

根拠法: 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律

対象: 精神疾患(例:統合失調症、うつ病、躁うつ病、てんかん、認知症など)により、長期にわたり日常生活または社会生活への制約がある方。

等級: 1級から3級まであり、1級が最も重度です。

②障害者手帳を取得した際のメリットについて

障害者手帳を取得すると、国や地方自治体による様々な福祉サービスや優遇措置を受けられるようになり、日常生活や社会参加を支援する大きな助けとなります。主なメリットには以下のようなものがあります。

1. 経済的な支援・優遇措置
税金の控除・減免:

所得税・住民税の障害者控除:本人、または扶養している家族が手帳を持っている場合、一定額の控除が受けられます。

自動車税・軽自動車税の減免: 一定の条件を満たす場合、対象となる自動車の税金が減免されます。

相続税の控除など。

公共料金などの割引:

NHK受信料の減免(全額または半額)。

携帯電話料金の割引サービス。

有料道路(ETC)の割引(通勤等で利用する場合、50%割引)。

手当・年金: 障害の状態に応じて障害年金、特別障害者手当などの受給資格を得られる場合があります。

医療費の助成: 自治体により、心身障害者医療費助成制度(マル障)などで医療費の自己負担分が助成される場合があります。

2. 公共サービス・交通機関の割引
交通機関の割引:

JR運賃の割引:第1種または第2種によって、本人と介護者が割引になる(50%割引)。

民営鉄道、バス、タクシー、航空機などの割引。

公共施設の利用割引:

美術館、博物館、動物園、映画館などの入場料や観覧料が減免・無料になる。

公営住宅への優先入居など。

3. 就労・雇用に関する支援
障害者雇用枠の利用: 企業などで障害者を対象とした雇用枠に応募できるようになり、障害特性に配慮された環境で働く機会が増えます。

ハローワーク、地域障害者職業センターなどの専門機関による就労支援を受けやすくなります。

③障害者手帳を取得するための手順について

障害者手帳の種類によって申請の流れが異なりますが、ここでは一般的な身体障害者手帳を例に、取得するための基本的な手順を解説します。

身体障害者手帳を取得するための一般的な手順
相談・情報収集:

まず、お住まいの市区町村の福祉担当窓口(障害福祉課など)に相談し、申請に必要な書類や手続きについての最新情報を確認します。

指定医による診断書の作成:

自治体が指定する指定医(身体障害者福祉法第15条指定医)に、現在の障害の状態について診断を受け、所定の診断書を作成してもらいます。この診断書が、手帳の等級を決定するための重要な書類となります。

申請書類の準備:

以下の書類を準備します。

申請書(窓口で入手)。

指定医による診断書・意見書。

顔写真(規定のサイズのもの)。

マイナンバー(個人番号)を確認できる書類。

本人確認書類(運転免許証など)。

申請(書類の提出):

準備した書類一式を、市区町村の福祉担当窓口に提出します。

審査:

提出された書類に基づき、都道府県または指定都市の審査機関で、障害の程度や等級を決定するための審査が行われます。

手帳の交付:

審査を通過すると、申請から1ヶ月~3ヶ月程度(自治体や時期により異なります)で、市区町村の窓口から障害者手帳が交付されます。

※療育手帳は児童相談所(18歳未満)または知的障害者更生相談所(18歳以上)での判定が必要となり、精神障害者保健福祉手帳は精神疾患による初診日から6か月以上経過後に申請が可能となるなど、種類によって細かな手順が異なりますので、必ず窓口にご確認ください。

以上が「障害者手帳」に関する情報となります。

障害者の方も障害者でない方も、ともに障害者と暮らす共生社会を実現するために内容を理解してください。私自身も普通に元気で暮らしていたら、突然視覚障害になりました。健常者の方も、病気や事故でいつ障害者に突然なるか分かりません。

知っておいても邪魔にならないので、今日の勉強のことを覚えておいてくださいね。

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