アイズルームでは障害福祉に関する情報を毎日お届けしております私たちは福祉関連事業の問題解決を担うコンサルタントとして活動しておりますが、その支援対象となるのは経営難に苦しむ零細企業が中心です。黒字化を達成するまではコンサルティング費用を一切いただかないという覚悟を持って、現場の皆様と伴走しております。
さて、厚生労働省が2026年6月に実施する障害福祉サービス等報酬の臨時改定方針を固めました。ここでその内容を整理します。
​今回の改定の柱は、就労継続支援B型、グループホーム(日中サービス支援型、介護サービス包括型)、児童発達支援、放課後等デイサービスの4サービスにおける新規事業所の基本報酬引き下げです。制度の持続性を確保するためとして、2024年度の収支差率が5%以上、かつ過去3年の事業所伸び率が高いサービスが狙い撃ちされました
​また、就労継続支援B型については、2024年度の算定方法変更によって平均工賃月額が上がり、高い報酬区分に該当する事業所が増えたことを受け、現行の8区分をさらに細分化します。区分が下がる事業所に対しては数%の減額に留めるという配慮案も示されていますが、実質的なマイナス改定であることに変わりはありません。さらに、一般就労への移行実績に応じた加算についても、一部の悪質な事例を理由に、1事業所あたりの算定人数に上限が設けられます。
行政は毎年のように報酬改定を繰り返しますが、民間企業は数年先を見据えて経営計画を立てています。このように収入の核となる条件が頻繁かつ一方的に変更されてしまっては、中期的な計画を立てることは不可能です。
潤沢な資本力を持つ大手企業であれば耐えられるかもしれません。しかし、公的融資を受けて必死に立ち上げた零細企業にとって、こうした頻繁な梯子外しは返済計画を狂わせ、廃業へと追い込む死活問題となります。
現在の就労支援B型やグループホームは、行政の方針によって急拡大しました。その結果、福祉の理念を持たない利益優先の参入者が増え、現場では多くの問題が噴出しています。しかし、その歪みのしわ寄せを、真摯に運営している小規模事業所や利用者に押し付けるのは本末転倒ではないでしょうか。
​私たちは今一度、問い直さなければなりません。
障害者にとって本当に必要なサービスとは何なのか。
本当に必要な住居施設や就労支援の在り方はどうあるべきなのか。
優秀な大学を出た官僚たちが机の上で数字をこねくり回すのではなく、障害当事者やその家族の切実な声に耳を傾けるべきです。限られた予算の中で優先順位をつけ、10年後、20年後の未来を見据えた先見性のある施策こそが必要です。
​今回の臨時改定に対し、事業所が取るべき対策は「待機」ではなく「攻めの再構築」です。
まず、2026年4月および6月の施行に向けて、現在の工賃実績や就労移行実績が新しい区分においてどの位置に該当するのか、即座にシミュレーションを行う必要があります。報酬が下がることを前提としたコストカットではなく、加算の取りこぼしがないか、または新しい区分でも上位を維持するための工賃向上施策を今から仕込まなければなりません。
​アイズルームでは、今回の改定内容に基づいた独自の収支予測モデルを提供しています。単なる事務的なアドバイスではなく、現場のスタッフが疲弊せず、かつ利用者の工賃もしっかりと確保できるような「持続可能な経営体質」への転換を支援します。特に、今回の改定で狙い撃ちされた「新規事業所」や「区分変更が生じるB型事業所」にとっては、経営の舵取りを誤れば即座に赤字転落するリスクを孕んでいます。
アイズルームは、障害者雇用という既存の枠組みに縛られません。障害者自身が主体となって企業経営を行い、自らの力で共生社会を勝ち取るという挑戦を続けています。
​健常者と障害者が当たり前のように混じり合い、共に暮らし、共に仕事をして社会を創り上げる。そのような真の共生社会が実現するその日まで、私たちは現場の皆様と共に戦い続けます。
​この改定を乗り越えるための具体的な収支改善プランや、2026年に向けた経営戦略の策定を希望される方は、ぜひアイズルームへご相談ください。共に未来を切り拓きましょう。