【《障害者スポーツ施設が命を救う砦に変わる!》全国最多更新の裏側で進む「防災パラダイムシフト」とEYESROOMが松戸から発信する福祉避難所の真実】

      

【《障害者スポーツ施設が命を救う砦に変わる!》全国最多更新の裏側で進む「防災パラダイムシフト」とEYESROOMが松戸から発信する福祉避難所の真実】

下半身麻痺及び欠損により障害を抱えた男性が、競技用車椅子を使いバスケットの試合をしており、様々な方が歓声をあげながら応援している状況の画像です。
​松戸市に拠点を構えるアイズルームです。
今日は、障害者スポーツ施設と防災、そして私たちの暮らしを支える地域の拠点についてお話ししたいと思います。
​先日、笹川スポーツ財団から、障害者専用や優先のスポーツ施設に関する最新の調査結果が発表されました。
全国には現在161カ所のこうした施設があり、調査が始まって以来、過去最多を更新しています。
2023年度の利用人数は延べ約181万人と、コロナ禍の時期から倍増するまで回復しているそうです。
​この調査で特に注目すべきなのは、これらの施設の半数が避難所として、また3割が福祉避難所としての機能を持っているという点です。
スポーツを楽しむ場所が、いざという時には命を守る地域の拠点へと広がっていることは、私たち当事者の団体としても非常に心強いニュースです。
《東葛地域と周辺の障害者スポーツ施設について》
​私たちが活動している松戸市を含む東葛地域や、その周辺にある主な施設を調べてみました。
​千葉県内には、千葉市中央区にある千葉県障害者スポーツレクリエーションセンターがあります。
ここは障害者専用の施設として、体育館やトレーニング室、卓球場などが整備されています。
また、松戸市や近隣の市にある一般の体育館や運動公園も、障害がある方の優先利用枠を設けたり、バリアフリー化を進めたりしています。
​スポーツ庁は今後、全ての都道府県にこうした振興拠点を整備する方針を掲げています
現在は全国で31施設がその拠点に該当しますが、運動相談やスポーツ教室を行っている施設も加えれば、24都道府県の45施設まで拡大できるという提起もなされています。
千葉県内でも、こうした専門的な拠点がさらに身近になることが期待されます。
《災害時に障害者を受け入れるために必要なこと】
​災害が起きた際、障害者が避難所で過ごすためには、一般的な設備だけでは足りないことがたくさんあります。
具体的にどのような配慮や設備が必要になるのか、例を挙げてみます。
​1つ目は、物理的なバリアフリー環境の確保です。
車椅子の方がスムーズに移動できるスロープはもちろん、横になっても身体に負担がかかりにくいエアーベッドやマットの備えが欠かせません。
段ボールベッドでは高さや硬さが合わず、褥瘡のリスクが高まる方もいらっしゃいます。
​2つ目は、多目的トイレの設置と衛生用品の備蓄です。
車椅子で入れるスペースの確保に加え、おむつ交換ができるユニバーサルシートや、ストマ装具などの予備も重要です。
​3つ目は、情報保障と心のケアです。
視覚障害がある方への音声や点字による情報提供、聴覚障害がある方への手話や筆談ボードの準備が必要です。
また、環境の変化に敏感な方のために、静かに過ごせる個室やカームダウンスペースの確保も求められます
《日本の取り組みの現状》
​現在、日本では福祉避難所の指定を増やす取り組みが進んでいます。
かつては災害が発生してから必要に応じて開設されることが多かったのですが、現在は事前に受け入れ対象者を決めておく指定福祉避難所の仕組みが推奨されています。
​また、今回の調査結果にもあったように、厚生労働省やスポーツ庁が連携し、障害者スポーツ施設を防災拠点として活用する動きも加速しています。
もともとバリアフリー化されており、専門の知識を持ったスタッフがいるスポーツ施設は、障害者にとって最も安心できる避難先の一つになり得るからです。
​アイズルームとしても、こうした地域の施設情報をしっかり把握し、いざという時に皆さんと助け合える体制を作っていきたいと考えています。
​地域のスポーツ施設が、体を動かす喜びの場であると同時に、命を守る砦となっていく。
そんな未来を、皆さんと一緒に見守っていければ幸いです。
​これからも、地域の福祉や防災に役立つ情報を積極的にお伝えしていきます。