アイズルームが運営する障害福祉の時間です。
​本日は、精神的な病を心配されている相談者の方からの依頼を受け、初めてのメンタルクリニック受診に同行いたしました。もちろん、ボランティアとしての支援サポートです。
​今回の相談者は、普段は真面目にお仕事をされていますが、自宅はいわゆるゴミ屋敷の状態となっており、片付けが困難な状況にあります。しかし、身なりは常に清潔に保たれており、外見からはその悩みは一切判別できません。時折、精神的に不安定になって泣き出したり、一つのことに過度に執着してゲームセンターやスロットに通い詰めたり、同じものだけを数ヶ月間食べ続けたりといった症状があるそうです
​私たちが訪れたのは、都内の綺麗なビルに入っているメンタルクリニックでした。予約が取れないほど混み合っており、患者さんのほとんどは20代から30代前半の若い世代です。ネット広告やSNSを通じて集客を行っているようですが、待合室の異様な混み具合に、私は直感的に嫌な雰囲気を感じました。
​30分ほど待つとカウンセリングが始まりました。相談者の頭に粘着物をつけて脳波を計測しながら、一定のリズムで質問を繰り返すという調査が行われました。その調査と15分程度のカウンセリングが終わった直後、提示されたのが自由診療によるTMS治療でした。
ここで、提示されたTMS治療について詳しく解説します。
​TMS治療とは、経頭蓋磁気刺激療法のことで、頭の外側から磁気を用いて脳の特定の部位を刺激する治療法です。本来、日本で厚生労働省から認可されているのは、薬物療法による十分な効果が認められない中等症以上のうつ病患者に対する治療のみです。
​医学的な効果としては、脳の血流や代謝を活性化させることで症状の改善を図るものですが、その成功率は決して高くありません。信頼できる医療機関によれば、薬物療法など様々な治療を尽くしても改善が見られない場合に検討される選択肢であり、実施したとしても良い結果が出るのは全体の30パーセント程度と言われています。
​しかし、今回私たちが遭遇したクリニックは、初診のカウンセリングであるにもかかわらず、総額40万円と70万円という高額な即時契約を迫ってきました。その差額は単なる治療回数の違いだけです。
​適切な医療機関であれば、まずは健康保険が適用される標準的な治療を提案するのが当然です。日本の医療制度では、保険診療の範囲内でほぼ全ての適切な治療を受けることが可能です。初診でいきなり高額な自由診療のみを提示し、その場で契約を迫るような行為は、医療の形を借りた卑劣なビジネスと言わざるを得ません。
​ネット広告を駆使して、発達障害や精神疾患への不安を抱える若年層の心に付け込み、高額な契約を結ばせる。これはもはや医師ではなく、白衣を着た悪魔の所業です。
​私は激しい憤りを感じ、その日のカウンセリング料だけを支払って相談者を連れ出し、すぐさま日頃からお付き合いのある信頼できる精神科病院へと向かいました。そちらの医師からも、自由診療を真っ先に勧めるような場所は必要ないと断言されました
​一部のクリニックで行われているこのような悪徳商法、患者の弱みに付け込んだ卑劣な勧誘には、くれぐれも注意してください。効果が保証されない高額な治療に、大切な人生を預けてはいけません。
​以上、本日のブログとなります。
障害福祉をテーマに毎日配信しているアイズルームでした。
​もし、ご自身や周りの方で、同様の強引な勧誘に遭いお困りの場合は、お一人で悩まずに信頼できる相談機関や福祉窓口へご相談ください。私と一緒に、正しい医療のあり方を確認していきましょう。