【 生活弱者支援の現場から考える井戸水の可能性と課題、自ら井戸を掘った経験と専門知識で紐解く持続可能な水インフラの未来について ​】

      

【 生活弱者支援の現場から考える井戸水の可能性と課題、自ら井戸を掘った経験と専門知識で紐解く持続可能な水インフラの未来について ​】

女性スタッフが賃貸物件の案内及び管理状況を説明している画像

《アイズルームの理念と私の原体験》
皆様、こんにちは。弱者救済や社会貢献を目的として活動しております民間団体アイズルームでございます。
私はこれまで、生活弱者の方々を中心に住居提供を行って参りました。その中で郊外のアパートなどでは、公共水道ではなく井戸を掘っている物件も少なくありません。実は私自身、幼少期に業者に頼らず家族と共に井戸を掘り、その水を使用して生活していたという経験がございます。そのため、井戸の掘り方や構造については非常に深い知識を持っております。また、産業廃棄物保管場や山の中の焼却施設を建設する際にも、ボーリングという手法で業者に依頼し、作業場等で井戸水を利用してきました。ある時、深くボーリングを行った際に茶色い水と共に温泉成分が吹き出したことがあり、自前の工場で温泉に入れるという驚きの経験もいたしました。
《アパート経営における井戸運用の技術的背景と設備構成》
アパートで井戸を利用する場合、入居者の皆様が安定して水を使えるだけの水量確保が不可欠です。一般的な2階建て6世帯のアパートを例に挙げますと、朝の準備時間や夜の入浴時間が重なった際、一時的に膨大な水量が必要となります。井戸から汲み上げる量には限界があるため、そのままでは水圧が著しく低下してしまいます。これを解決するために、汲み上げた水を一時的に保管する受水槽、すなわちタンクを設置する必要があるのです。このタンク内はコンピューター制御された制御盤によって、常に一定の水位を保つよう管理されています。
《井戸用モーターの種類と選択基準》
井戸の心臓部とも言えるモーターには、主に2つの種類がございます。
一つ目は、深く掘った井戸の底の方に設置する水中モーターです。
二つ目は、地上に設置して水を吸い上げる陸上ポンプです。
地中に設置する水中モーターの方が、深井戸からの汲み上げ能力に優れ、十分な水量を確保する力がありますが、設置費用や本体価格は陸上ポンプの約2倍ほど高価になります。
《砂の問題とシャワーヘッド、給湯器への影響》
自然の水源を利用する以上、避けて通れないのが砂の混入です。一見すると透明で綺麗な水であっても、大きな容器に汲んで底を確認すると、非常に細かい砂が沈殿していることがよくあります。これは天然の砂ですので健康に害はございませんが、住宅設備には悪影響を及ぼします。特に昨今流行しているナノバブルを発生させる高機能なシャワーヘッドは、内部構造が非常に緻密なため、わずかな砂でも詰まりの原因となります。シャワーが詰まると、ガス給湯器が「お湯が流れていない」と誤認、あるいは安全維持ができないと判断して燃焼を停止させてしまいます。そのため入居者の皆様には、シャワーヘッドを勝手に交換しないよう厳しくお伝えしなければなりません。不具合の際にはまずシャワーヘッドを外し、中の砂を取り除いていただくことが先決です。
《井戸水専用給湯器とメンテナンスの重要性》
ガス給湯器には、水道水用とは別に「井戸水対応品」という規格が存在します。井戸水には浄化された水道水とは異なり、様々な鉱物や物質が含まれているため、配管や機器の劣化が早まる傾向にあります。一般的な給湯器でも動作はしますが、故障のリスクが非常に高いのです。真冬に給湯器が故障すると入居者の方から強いお叱りを受けますが、井戸用給湯器の在庫を持っている業者は少なく、修理や交換に時間がかかるのも難点です。これらを防ぐために重要なのが「砂こし器」の設置です。砂こし器を取り付けることで砂の混入を劇的に減らすことができますが、管理会社としてはこの砂こし器の定期的な清掃やメンテナンスを欠かすことができません。
《井戸業界の現状と公営水道への転換コスト》
現在、井戸に関する最大の悩みは、専門業者の減少です。社会から井戸が減り、後継者不足によって廃業する業者が後を絶ちません。しかし、井戸から公営水道へ切り替えるには莫大な費用がかかります。道路から水道管を引き込み、各部屋にメーターを設置するとなると、配管の構成によっては数百万円もの出費になることもあります。これだけの負担を負うことは現実的に困難なケースが多いのです。
《井戸水利用のメリットと水質管理》
井戸にはデメリットばかりではありません。最大の利点は、かかる費用がポンプを動かすわずかな電気代のみという点です。生活弱者の方々にとって、水道代がかからない、あるいは極めて安価であることは、生活の安定に大きく寄与します。熱帯魚を飼育したり、庭に水を撒いたりしても、水道料金を気にせず使えるのは大きな魅力です。安全面については、2年に1回程度の水質調査を行っておりました。蛇口から採取した水を専門業者に送り、飲料水としての適性を判断してもらいます。数値上、自然界の物質がわずかに検出されることもありますが、飲食には十分使えるデータであることを入居者の皆様にしっかりとご説明していました。
​《水に対する日本人の意識と世界の現状》
最近の日本人は、公営水道であってもそのまま飲むことは少なく、ミネラルウォーターを購入するのが一般的になっています。公営水道は安全ですが、薬剤による除菌を懸念する方もいれば、逆に井戸水に不安を感じる方もいらっしゃいます。私自身は、格安スーパーのマミーマートプラスなどで1.5リットル59円の水を購入したり、家族は水道水を沸騰させて麦茶にして飲んだりしております。
一方で、世界に目を向ければ、安全な水インフラが整っているのはごく一部の国々です。
例えば、アフリカ諸国や、アジアの一部地域では、いまだに国民の多くが安全な飲料水にアクセスできていません。
世界保健機関(WHO)などのデータによれば、世界人口の約25パーセント、つまり4人に1人が安全に管理された飲み水を手に入れられない状況にあります。
日本のように蛇口をひねれば当たり前に水が出る国は、エチオピアやコンゴ民主共和国、あるいは水不足に悩む中東の国々と比較すれば、非常に恵まれていると言わざるを得ません。
《井戸の枯渇リスクと日本の水道インフラの未来》
井戸水は無限ではありません。大きな地震による地層の変化や、近隣でのビル建設、地下鉄の工事などによって水の通り道が変わり、井戸が枯渇してしまうリスクが常にあります。埼玉県でも大きな排水トラブルが起きた例がありますが、今後、日本の人口減少に伴い、全国の水道インフラを維持し続けることは非常に難しくなるでしょう。コンパクトシティ化が成功すれば良いですが、そうでなければ、公営水道を諦め、各家庭で昔のように井戸を使う時代が再来するかもしれません。私の幼少期のように、井戸と汲み取り式トイレで生活していた時代に逆戻りする可能性も否定できないのです。
《結びに代えて、トラブル相談の受付》
現代において、手掘りの経験からボーリングの立ち会い、ポンプの種類や制御盤、砂こし器のメンテナンス、そして賃貸物件における井戸トラブルの解決までを自らの経験として語れる者は、専門業者以外では私くらいではないかと自負しております。もし井戸の構造やトラブルでお困りのことがございましたら、ぜひアイズルームの問い合わせフォームよりお知らせください。皆様の井戸の状態を詳しくお聞きした上で、最善の解消方法を一緒に考えさせていただきます。貴重な資源である井戸水を守り、賢く活用していくための手助けができれば幸いです。