私は、問題解決コンサルタントとして、介護現場や飲食業、製造業、建設業など、多岐にわたる労働現場の経営支援に長年携わってきました。日々、経営者の方々と膝を突き合わせ、深刻な人手不足という現実に向き合っています。
​現在、多くの零細企業の現場では、募集を出しても若い日本人の応募がほとんどありません。たまに応募があったとしても、その多くが高齢の方であるというのが実情です。現在の若い世代は、身体への負担が大きい仕事や、汚れを伴う過酷な作業を避ける傾向にあります。これは時代の流れでもあり、現場を知る人間からすれば、もはや外国人の力なしには1日も事業を継続できない段階に達しています。しかし、日本保守党の百田尚樹代表や有本香事務総長の言葉を聞くと、彼らの視点はあまりに現場の生活者から乖離していると言わざるを得ません。彼らが語る「外国人はいらない」という論理がいかに現実の社会基盤を脅かしているか、以下の3つの課題から分析し、批判します。
​1、外国人がいなければ即座に崩壊する労働現場の真実
日本保守党は「外国人は必要ない」と主張しますが、これは現場を全く見ていない無責任な発言です。
まず、介護の現場です。高齢化が進む中、若い日本人の働き手だけでは到底足りず、外国人の存在がなければ多くの高齢者が適切なケアを受けられなくなります。
次に、建築や工事の現場です。屋外での厳しい肉体労働に従事する日本人は激減しており、外国人がいなければ新しい家も建たず、道路の補修すらままなりません。
さらに、農業の現場です。私たちが毎日口にする野菜や果物の収穫は、今や多くの外国人労働者の手によって支えられています。
そして、コンビニや飲食店、食品加工工場です。24時間体制のサービスや、安価で質の高い食品の供給は、外国人がいなければ即座に停止します。これらを無視して排除を叫ぶのは、日本人の生活そのものを破壊することに他なりません。
​2、生活弱者の不安を理解しないエリートの論理
高額な収入を得ている人々は、お金の力で自分たちの生活を守れるかもしれません。しかし、真に守るべきは公的なサービスを必要とする一般の生活者です。日本保守党の幹部が語る「AIが事務職の代わりになるから人手不足は解消する」といった理屈は、肉体労働の現場や、低賃金で必死に生きる人々の生活実感からあまりに離れています。1日1000円の食費でやりくりする苦しみや、現場が回らずに必要な支援を受けられない不安を知らない人間に、この国の未来を語る資格があるのでしょうか。彼らが守ろうとしているのは、自分たちの心地よい理想だけであり、泥にまみれて働く人々の生活ではありません。
​3、排除ではなく共生こそが唯一の生存戦略
外国人を一括りに排除の対象とすることは、日本の未来を閉ざす自殺行為です。重要なのは、日本に来てくれた外国人に日本の文化を伝え、日本語を学んでもらい、価値観を共有しながら共に生きる「共生社会」の構築です。急激な人口減少が進む中で、排他的な考えに逃げ込むことは、日本の経済活動を停止させ、最終的には介護や福祉の崩壊を招きます。
​私たちは、理想論で人を分断する政治ではなく、泥臭い現場の声に耳を傾け、国籍を問わず手を取り合って社会を維持していく現実的な政治を求めなければなりません。本当の意味で「日本を守る」とは、この国を現場で支えるすべての人々の生活を、足元から支えることではないでしょうか。