​昨日は、東京都内で開催された「第一回フルフラールコンサート」へ足を運んできました。
​このコンサートを主催したのは、大阪で9年間にわたり就労継続支援B型事業所や視覚障害者同行援護、居宅介護支援など、多角的な福祉事業を展開してきた「特定非営利活動法人フルフラール」です。昨年の7月から東京でも活動をスタートされており、今回はその親睦と告知を兼ねた記念すべき第一回目のコンサートでした。
​会場は、視覚障害のある方やそのガイドヘルパーさん、そして日頃から障害に寄り添う活動をされている関係者の方々で埋め尽くされ、満席の熱気に包まれていました。
​私は8年前に視覚障害を負い、2年前には全盲となりました。目が見えていた頃は頻繁にコンサートなどへ出かけていましたが、全盲になってからは外出への不安もあり、仕事や通院以外で外に出る機会がめっきり減っていました。しかし、今日は大切な人と二人で、久しぶりに音楽の世界へ飛び出すことができました。
​会場内は、白杖を利用する私たちにとっても非常に安心できる環境でした。段差のないフラットな構造で、入り口から客席まで徹底したバリアフリー化がなされており、安全面への細やかな配慮が心に染みました。
​コンサートの内容は無料とは思えないほど充実しており、全盲の演奏家の方々が中心となって、歌やピアノ、バイオリン、クラリネットなどで奏でる旋律は、まさに「心に響くシンフォニー」そのものでした。
​プログラムの内容を詳しく振り返ります。
​まず第一部は、J.ブラームスの「4つの小品 作品119」より、第1番ロ短調と第4番変ホ長調が石田乃彩さんのピアノ独奏で披露されました。クラシックの深い音色が会場を包み込み、一気に音楽の世界へ引き込まれました。
​第二部は「映画音楽の世界」と題され、J.ウィリアムズによる映画「シンドラーのリスト」のメインテーマや、E.モリコーネの映画「ニュー・シネマ・パラダイス」の愛のテーマが演奏されました。バイオリンの遠山作弥さんとピアノの菊野惇之介さんによる繊細な調べは、物語の情景を鮮やかに想像させてくれました。
​第三部の「デュオ・セレクション」では、E.エルガーの「愛の挨拶」や、葉加瀬太郎さんの「情熱大陸」が披露されました。バイオリンのとおこうさん、クラリネットの菅田太平さん、そしてピアノの菊野惇之介さんによる息の合ったパフォーマンスは、会場のボルテージを一段と引き上げました。
​そして第四部は「わたなべちひろ スペシャルステージ」です。カバー曲の「The Rose」や「グリンピース(オリジナル)」、さらに「Never Enough」が演奏されました。ピアノとボーカルをわたなべちひろさんが務め、バイオリンの遠山作弥さんも加わったその歌声と演奏は、魂を揺さぶるような力強さと優しさに満ちていました。
​誰もが耳にしたことのある「津軽海峡・冬景色」も披露され、ジャンルを超えた豊かな音楽体験を味わせていただきました。
最後は出演者全員と観客も一緒になって歌った「花は咲く」や、アンコールの曲も含めて盛り上がり、感動と歓声で終わりました。
​フルフラールの森田菜美理事長は、挨拶の中で「音楽が奏でる素晴らしい世界を皆様に楽しんでいただきたい」と仰っていましたが、その言葉通り、音楽を通じて幸せな気持ちでいっぱいになりました。
​こちらの事業所は、来年には設立10周年を迎え、さらに大きなイベントも計画されているそうです。視覚障害という困難を抱えながらも、表現者として輝く方々の姿には勇気をいただけます。
​東京での活動がさらに広がり、このような素晴らしい支援の輪が大きくなっていくことを心から願っています。
今日という日を与えてくれた素晴らしいご縁と、心震える音楽に、心からの感謝を捧げたいと思います。