私は全盲の問題解決コンサルタント、EYESMANです。
​日々の生活の中で、食費を抑えながら豊かに暮らすという話は、まるで夢のような話に聞こえるかもしれません。しかし、現実はそう甘くはありません。私自身、一人でスーパーへ行くことはできませんし、たとえ辿り着いたとしても、自分の目で安い商品や割引シールを探し出すことは困難です。
​公的な「同行援護」という移動支援サービスがありますが、これには月30時間という制限があります。支援してくださる方の労働効率を考えると、細切れに使うのではなく、1回につき6時間しっかり利用するようにしています。そうすると、1ヶ月に使えるのはわずか5日間です。
​私は障害や病気と向き合いながら生活しているため、そのうちの2回は通院で埋まってしまいます。残りの3回は、娯楽や買い物ではなく、社会貢献ボランティア活動や自分を高めるための研修に使っています。つまり、同行援護を利用してこまめにスーパーに通うという選択肢は、私にはありません。
​私の買い物拠点は、近所のドラッグストア「クリエイト」です。ドラッグストアは食材が安く、品揃えが限定されているからこそ、目が不自由でもどこに何があるか配置を把握し、商品を手に取ることができます。通路も比較的広く、スーパーのようにごちゃごちゃしていません。また、有人レジなので、混雑時間を避ければ店員さんの助けも借りやすく、白杖を振って買い物に行く私のような者や、車椅子の高齢者にとっても非常に買い物がしやすい場所なのです。
​これが視覚障害者である私の「リアルの買い物の形」です。そんな中、最近YouTubeで驚くべき番組を見つけました。
低年金で暮らす女性、年金8万円で食費は月間1万円の幸せレシピYouTubeチャンネル「りなのおうちごはん」サムネイル画像です。
《YouTubeチャンネル「りなのおうちごはん」と節約のプロの技》
​その番組のタイトルは「りなのおうちごはん」。サムネイルには、白抜きで大きく「節約のプロ」という漢字が踊り、スーパーでお刺身を選んでいるような温かみのあるイラストが描かれています。
​この番組の内容を分析してみると、単なる「切り詰め」ではない、驚くべき戦略が見えてきました。彼女は1ヶ月の食費をわずか1万円に抑えながら、決して貧相ではない、むしろ豪華で好きなものを食べる生活を実現しています。
​なぜそれが可能なのか。そのポイントは以下の4点に集約されます。
​徹底した「見切り品」の活用:画像にもあるように、割引シールが貼られたお刺身やお肉を賢く選び、高級食材を安価に手に入れています。
​予算の細分化:1ヶ月単位ではなく、1週間を2,000円から2,500円という枠で管理し、使いすぎを徹底して防いでいます。
​かさ増しと代用の技術:お肉の量を抑える代わりに厚揚げやもやしでボリュームを出し、満足感を維持する工夫をしています。
​冷凍保存のルーティン:安い時にまとめ買いした食材を無駄なく使い切るための保存術を確立しています。
​彼女は料理が非常に上手で、節約を前向きに楽しんでいます。全ての人に同じことができるわけではありませんが、厳しい時代を生き抜く一つの有効な手段として、紹介する価値があると感じました。
健康おうちごはん、白米の上にきんぴら・キムチ・納豆をのせた格安メニューの画像です。
《クリエイトの食材で作る、全盲コンサルタントの「ワンプレート」ごちそう》
​さて、ここで私自身の本日の食事についても少し触れたいと思います。
​全盲の私にとって、食事作りもまた工夫の連続です。基本は、5キロ3,000円以下の手頃なお米を炊き、その上にクリエイトで購入した食材を分割して少しずつ載せていくスタイルです。
​私には、この一皿がどのように映っているのかは見えません。しかし、あえて一つの器に盛り付けるのには理由があります。複数の食器を使うと洗う手間が増えるだけでなく、私の場合、目が見えないのでこぼしてしまうリスクがあるからです。そのため、安全に、そして確実にいただくための「ワンプレート」が私のスタンダードです。
​本日の写真は、白米の上にキムチ、きんぴらごぼう、納豆(キムチときんぴらの下に隠れています)を載せたものです。かかった費用は合計で200円ちょっと。自分なりに栄養バランスと健康を考えて組み合わせたメニューです
​見た目は気にしませんし、皆様の目に美味しく映らなかったら申し訳ありません。ですが、自分の手で用意し、噛みしめるこの一杯は、私にとっては最高のごちそうなのです。
《居住支援の現場と、生活弱者の方々が直面する「1日500円」の壁》
​私は障害福祉団体のEYESROOM代表として、普段から生活困窮者の方々と面談し、居住支援の問題解決にあたっています。
​生活保護を受けている方、低年金で暮らしている方、障害があり働けない方、そして非正規雇用や短期バイトで収入が不安定な若者たち。今の日本では、7人に1人が「相対的貧困」の状態にあると言われています。
​そのような「生活弱者」の方々にとって、1日の食費に1,000円をかけることすら贅沢であり、実際には500円程度でやりくりしなければならない現実があります。私が行う団体向けのセミナーでも、福祉関係者の方々や生活弱者をサポートする側の方々に向けて、今回のような事例を一つの生存戦略として取り上げていきたいと考えています。
《戦争が招く物価高騰と、誰もが幸せに暮らせる共生社会への願い》
​しかし、個人の努力だけではどうにもならない大きな壁が立ちはだかっています。ウクライナとロシア、イスラエルとアメリカ、イラン。絶えない戦争が世界中で物価高騰を招いています。
​なぜ、独裁国家の代表たちは戦争をしたがるのでしょうか。彼ら自身は食べることに困らない立場でしょうが、そのしわ寄せを真っ先に受けるのは、生活に苦しんでいる一般市民や生活弱者の方々です。紅海などの運河が封鎖されれば石油は高騰し、さらに食材の値段は上がります。
​EYESROOMは、誰もが幸せに暮らせる共生社会の実現を目指しています。そのためには、戦争に反対し、このような困難な時代をどうやって生き抜いていくかを、読者の皆さんと共に真剣に考え続けなければなりません。
​一人一人の工夫と、社会全体の平和。その両輪があってこそ、本当の豊かな暮らしが守られるのだと確信しています。