​障害福祉の時間です。アイズルームは、社会に渦巻く様々なタブーをあえて無視し、問題の根本に切り込んでいきます。時に耳が痛いことや、不愉快に感じる表現があるかもしれませんが、現実を直視し、知ることでしか解決できない問題があるのです。
本日のテーマは、アフターピル(緊急避妊薬)についてです。約8年にわたる、女性の尊厳を守るための戦いを経て、ようやく日本でも一部の薬局で処方箋なしに購入できるようになりました。これは大きな一歩です。
​性行為において、意図しない形や男性側の過失によって、避妊がなされないまま行為に至ってしまう不条理は現実に存在します。私は、小学校高学年からコンドームの使用を含めた避妊指導を積極的に行うべきだと考えます。現在の高校生などの間では、身体の外で射精すれば大丈夫だという、非常に危険で根拠のない「外出し」という行為が横行しています。
グローバルビジネスを展開してきた私の経験から言わせていただければ、日本人の性に対する認識や行動は、世界標準から大きく乖離しています。その最大の弊害となっているのが、日本のアダルトビデオ(AV)の影響です。そこで描かれる演出は、現実の性愛とはかけ離れた誇張されたものであり、極めて歪んだやり方です。経験を積んだ大人であれば、それが虚構であると理解できますが、経験の少ない若者がそれを「普通」だと思い込んでしまうことは、非常に危うい事実です。
​性欲を満たすための快楽としての側面と、命を授かるための側面は、性質が全く異なります。コンドームの使用は、予期せぬ妊娠を防ぐだけでなく、性感染症から身を守る唯一と言っていい手段です。粘膜同士が接触することで、たとえ挿入に至らなくても感染する病気は存在します。エイズをはじめとする性感染症の恐ろしさを、特に男性は深く理解しなければなりません。女性の尊厳と健康を守るために、アフターピルが手軽に手に入る環境が整うことは、社会の重要な進化なのです。
​こうした話題は、通常オブラートに包まれ、グレーゾーンとして避けられがちです。しかし、福祉の問題を突き詰めれば、性交渉や避妊の問題は避けて通れません。それは女性の尊厳に直結する、極めて大切な問題だからです。
日本の性教育は、諸外国に比べて著しく遅れています。私自身、母子家庭で育ち、姉が3人という環境でしたが、家庭内で性教育を受ける機会は一度もありませんでした。学校で学んだ記憶もほとんどなく、正しい知識がないまま高校を卒業しました。
​私は「初任給をもらうまでは、子供を育てる責任が持てないから性行為はしない」と自分に課していました。母子家庭で育ったからこそ、無責任な行動で子供に苦労をかけたくないという強い思いがあったからです。もし私がもっと恵まれた環境にいたら、誘惑に負けて過ちを犯していたかもしれません。
​家庭で教えることが難しい環境にある子供たちのためにも、学校という公的な場で、正しい知識を伝える必要があります。妊娠という現実は、人生において非常に重い意味を持ちます。一方で、愛し合うパートナーとの間に子供を授かり、育てることは、私の人生において最大の幸福でもありました。還暦を迎えた今でも、長女と長男はかけがえのない存在であり、私の生きる希望そのものです。
​不幸な環境で生まれる命をなくすために、そして女性が自分の人生を守るために、アフターピルの普及を促進するとともに、小学校高学年から実践的な性教育を行うことを強く望みます。
アフターピル(緊急避妊薬)の正しい知識
​ここで、アフターピルについて詳しく解説します。
​アフターピルとは、避妊に失敗した、あるいは避妊なしに性交が行われた後に、緊急的に服用する避妊薬です。日本では「レボノルゲストレル」という成分の薬が一般的です。
​服用方法と効果について。
性交後、72時間(3日)以内に服用する必要があります。服用が早ければ早いほど避妊の阻止率は高まります。排卵を遅らせたり、受精卵の着床を防いだりすることで妊娠を回避します。ただし、100パーセントの避妊を保証するものではなく、あくまで緊急手段です。
​副作用について。
一時的な吐き気、頭痛、倦怠感、不正出血などが起こる場合があります。これらは通常、数日で収まります。
​入手方法について。
これまでは医師の診察と処方箋が必要でしたが、現在は厚生労働省の検討を経て、一部の薬局での試験的な運用が始まっています。近くの対応薬局を事前に調べておくことが重要です。
​日本の性教育の現状と課題
​文部科学省の学習指導要領では、現在でも「はどめ規定」と呼ばれるものがあり、性交や避妊の具体的な内容について学校で詳しく教えることが制限されてきました。
​文部科学省の資料によれば、小学校では「受精までの過程」は扱うものの、「受精」そのものの詳細は扱わないとされています。中学校でも、避妊については「必要に応じて触れる」程度の記述に留まっています。
​しかし、現実に若年層の予期せぬ妊娠や性感染症の拡大が問題となっている今、ユネスコなどが提唱する「包括的性教育」の導入が求められています。これは、単なる生物学的な仕組みだけでなく、人間関係、同意、ジェンダー、そして自分の体や権利を守るための知識を総合的に教えるものです
最後に。
私自身、自分の子供たちに対して十分な性教育を行ってこなかったという後悔があります。仕事に邁進するあまり、家庭での対話が不足していたかもしれません。このブログを通じて、タブー視されてきた問題に光を当て、誰もが尊厳を持って生きられる社会について、皆様と共に考えていければ幸いです。