​昨今、日本最高峰の医療機関である東大病院を含む国立大学病院が、深刻な赤字経営に苦しんでいるというニュースが世間を騒がせています。2024年から2025年にかけて報じられた内容によれば、全国の国立大学病院の約6割から7割が赤字に転落し、現場では信じられないような節約が行われているといいます。
​その象徴的なエピソードが、ナースステーション前の通路の電気を消しているという話です。医療の質を落とさないために、まずは光熱費や事務用品などの固定費を極限まで削るという、なりふり構わぬ実態が浮き彫りになりました。
​しかし、病院が赤字であることは、単に電気が消えるだけの問題ではありません。経営を維持するために、本来は必要のない手術や高度な医療を施して保険点数を稼ごうとする、いわゆる営業目的の過剰診療を誘発する恐れがあります。
​私自身、昨年、救急搬送されて3回の手術を経験しました。以前、別の病院で同じ症状になったときは手術をせずに済みましたが、今回は黒字経営で知られる民間病院に運ばれ、結果として何度も手術を受けることになりました。石が流れれば痛みは止まるはずの腎結石において、本当にそれほどの手術が必要だったのか、今でも疑問が拭えません。
現在の日本の医療は、物価高騰や高額すぎる医療機材、そして医師の働き方改革による人件費増大により、制度の限界に達しています。赤字国債を発行して予算を組んでいる国の現状を考えれば、余計な延命治療や過剰な手術をしない適正な医療体制を厳格に監視する必要があります。
​世界に誇る日本の国民皆保険制度を維持するためには、痛みを伴う改革も避けられません。たとえ高齢者であっても、高い所得や十分な貯蓄がある方については、現行の1割負担ではなく3割負担とするなど、所得や財産に応じた公平な負担分担が求められます。
​さらに、今のインフレ状況に即した制度の見直しも急務です。物価高騰に応じた診療報酬や保険点数の即時引き上げを行わなければ、病院経営は立ち行かなくなり、結果として私たちが適切な医療を受けられなくなる未来がすぐそこまで来ています。
​最後に、病院の節約策として行われている消灯が、視覚障害者、特に弱視の方々に与える深刻なリスクについて訴えたいと思います
​私のような視覚障害者にとって、薄暗い場所は非常に危険です。弱視の方は視野狭窄やその他の症状により、周囲の状況を把握するために十分な光を必要とします。廊下やナースステーション前が暗いと、障害物に気づかずぶつかったり、段差で見失って転倒したりするリスクが急増します。
​経営改善のための節約は理解できますが、それが患者の安全、特に交通弱者や身体障害者の安全を脅かすものであってはなりません。医療現場の灯りは、命を守るための灯りでもあるのです。
​アイズルームでは、今後も医療や福祉に関する問題に特化した記事を配信してまいります。持続可能な医療体制と、誰もが安心して歩ける環境の両立を願っています。
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