【《絶望的な福祉の闇》倉敷市就労支援事業所による約450万円不正受給事件が浮き彫りにする、杜撰な監査体制と「稼ぐ」ことを優先する経営者の資質欠如】

      

【《絶望的な福祉の闇》倉敷市就労支援事業所による約450万円不正受給事件が浮き彫りにする、杜撰な監査体制と「稼ぐ」ことを優先する経営者の資質欠如】

債務超過に陥った会社経営者が、倒産廃業相談室にてコンサルタントと弁護士からヒアリングを受けている画像です。

​アイズルームは障害福祉をテーマとしたブログを発信しております。障害者の就労支援と居住支援を千葉県東葛地域に限りボランティアで行っております。また、就労継続支援・就労移行支援といった障害者就労支援サービスの提供事業所に対し、経営改善コンサルタントをしております。
​まず、一般の方には分かりにくい就労支援サービスの概要について簡単に整理します。
​障害者就労支援サービスは、主に「就労移行支援」「就労継続支援A型」「就労継続支援B型」の3つに分けられます。
​就労移行支援: 企業への一般就職を目指す方に、知識や能力向上のための訓練を提供するサービスです。原則2年間という期間が定められています。
​就労継続支援A型: 企業などで働くことが困難な方に、雇用契約を結び、最低賃金以上の賃金を保障しながら働く場を提供するサービスです。「働くこと」と「訓練」の中間的な位置づけです。
​就労継続支援B型: 雇用契約を結ばずに、体調や体力に合わせて比較的自由に作業ができる場を提供するサービスです。工賃(賃金ではない)が支払われます。このサービスは、企業への就職が困難な方や、体力的に不安のある方が利用します。
​今回のニュースは、このうち就労継続支援B型事業所に関するものです。
​今回のニュースは下記の通りです。
​倉敷市老松町の就労継続支援B型事業所「コーチ共同作業所」が、2023年12月から2025年5月にかけて、実体のない利用者5人分の申請により、給付金約450万円を不正に受給していたことが発覚しました。市は苦情の手紙を端緒に事実確認を行い、不正が確定。12月末日付で指定を取り消す処分を行うとともに、不正受給分に加算金を加えた約630万円の返還を求める方針です。
​先日も大阪のA型作業所で同様の不正が発覚し、大きな問題となりました。今度は倉敷です。本当に、なぜこのような異様な事業者が障害者の支援に携わっているのでしょうか。経営者のコンプライアンス意識と資質の欠如が厳しく問われます。
​管轄は厚生労働省ですが、急激な事業所数の増加に対し、質の高い経営者や指導者が育っていない現状があります。そもそも、障害者の就労支援など全く考えていない人たちが、新しいビジネスチャンスを求め、「金儲け」を目的としてこの福祉の業界に参入しているケースが散見されます。
​また、このような無能な経営者を誘い込むフランチャイズシステムや代理店、あるいはコンサルティングを称する事業体が、「簡単に儲かる」と福祉の業界への参入を促し、加盟金やロイヤリティ、高額な報酬という形で福祉事業から資金を吸い上げている実態も少なくありません。
​我々アイズルームもコンサルティングを行っておりますが、障害当事者が運営する企業であるため、活動の中心はボランティアであり、その理念は一線を画します。
​このような不正を防ぐためには、利用者のタイムカード(出退勤記録)、事業所の銀行口座の取引履歴、そして会計帳簿を厳格かつ定期的に確認することが不可欠です。
​現状の「大まかな決算状況の報告」では、数字はいくらでも偽装可能です。また、行政による監査・処分には今回のように2年近いタイムラグが発生し、その間も不正が継続するリスクがあります。このガバナンスの脆弱性こそが、不正の温床となっています。
​この不正の連鎖を断ち切るため、アイズルームは以下の革新的な監査システムの導入を提言します。
​助成金支給対象事業者に絞った、新たな特別監査機能の強化として、公認会計士(Certified Public Accountant, CPA)による年次監査の義務化:
就労継続支援を含むすべての障害福祉サービス事業所に対し、年に1回以上の指定公認会計士による会計監査を必須とし、その監査報告書(Audit Report)の提出を行政への決算報告の条件とします。この監査報告書に公認会計士の記名・押印を義務付けることで、経営者側の不正に対する心理的抑止力(Deterrence)を最大限に高めます。
​監査協力における厳罰化:
もし公認会計士が事業所の不正に加担したことが判明した場合には、直ちに資格を永久に剥奪するというゼロ・トレランス(Zero-Tolerance)の姿勢を貫きます。これにより、公認会計士側にも厳しい職業倫理(Professional Ethics)とアカウンタビリティ(Accountability)を徹底させます。
​デジタル・フォレンジック会計監査の導入:
利用者の出退勤記録(バイオメトリクス認証などを活用)、サービス提供記録、そして事業所の銀行口座の入出金記録をデジタルプラットフォーム上で一元管理し、公認会計士がリモートで随時監査できるシステムを構築します。これにより、データ偽装の難易度を飛躍的に向上させ、不正の早期発見(Early Detection)を可能にします。このリアルタイム・モニタリングこそが、不正に対する最も効果的なファイヤーウォールとなり得ます。
​このような外部のプロフェッショナルによる厳格な監査体制を導入し、監督官庁の責任を明確化しなければ、この「不正」という由々しき事態を野放しにすることになります。障害者就労支援サービスを普及させるだけでなく、それに適合した経営者と指導者を育成することこそが、厚生労働省に課された最優先のミッションであると強く訴えます。
​#就労継続支援 #不正受給 #公認会計士監査 #障害福祉 #ガバナンス