【二重マイノリティが抱える生きづらさと共生社会の実現に向けて。40年の経営経験と全盲を経てアイズルームを立ち上げた理由 ​】

      

【二重マイノリティが抱える生きづらさと共生社会の実現に向けて。40年の経営経験と全盲を経てアイズルームを立ち上げた理由 ​】

アイズルームの社長と副社長のイメージ写真です。

​みなさま、穏やかなお正月をお過ごしでしょうか。アイズルームです。
​昨日、新しい年が幕を開けました。二〇二六年の二日目、みなさまはどのように今日という日を迎えられていますか。
​私は、全盲となってから二度目のお正月を過ごしています。視力を失ったことで、以前のように初日の出を直接拝むことは叶いません。しかし、頬をなでる冬の朝の冷たさや、お雑煮の香り、そして何より人々の穏やかな話し声から、静かで力強い新年の訪れを感じ取っています。
​私は四十年間、経営者として走り続けてきました。しかし二年前、視覚障害が重くなりました。その大きな転機があったからこそ、今、当事者としてアイズルームという場所でみなさまと深く繋がれていることを、心から感謝しています。
さて、このお休みの期間に、私たちが目指すべき共生社会について改めて考えるきっかけがありました。最近、あるニュースが目に留まりましたので、まずはその内容から共有させてください。
​二重マイノリティという言葉をご存知でしょうか。これは、性的マイノリティであるLGBTQプラスの属性を持ちながら、同時に障がいも抱えているなど、複数のマイノリティ属性を併せ持つ方々を指します。
​こうした方々が働く上では、特有の困難が伴います。例えば、LGBTQプラス当事者であり、かつ身体障がいや精神障がいを持つ場合、社会的な障壁はさらに高く、複雑になります。ニュースでは、こうした当事者がオンラインコミュニティなどを活用して、自らキャリアを模索している現状が報じられています。
​これからの多様性支援に求められるのは、単なる枠組みの提供ではありません。一人ひとりの「その人らしさ」を尊重し、個別の事情に合わせた柔軟なサポートと、社会全体の制度設計を同時に進めていくことが不可欠です。
​私自身、長年の経営経験の中で、松戸市長や渋谷区長、小池都知事といった行政の方々と協力し、LGBTQプラスの方々へのパートナーシップ制度の導入などを推進してきました。私の会社では、人種、宗教、年齢、性別に関わらず、志を共にする仲間を積極的に採用してきました。
​しかし、今の日本社会には、男性中心の古い価値観が依然として根強く残っています。
​夫婦別姓の問題では、実態として女性側に改姓の負担や不利益が生じています。皇室においても、皇位継承が男系の男子のみに限定されており、女性が天皇になることは認められていません。
​こうした制度の根底にある、性別による役割の固定化や偏見こそが、LGBTQプラスや障がいを持つ方々、さらにはその両方に該当する二重マイノリティの方々の生活を、著しく困難にしている根源だと私は考えます。
​本来、障がい者雇用も法律のために行うものではなく、健常者と同じ条件で、能力に応じて普通に採用される姿こそが理想です。海外では定年制がない国も多く、属性で人を線引きすること自体がグローバルスタンダードから外れています。
私たちアイズルームは、私の実体験と四十年の経営経験を糧に、こうした古い価値観を打ち破るために戦い続けます。
​日本からあらゆる差別をなくし、性別や障がいに関わらず、誰もが平等に輝ける社会を作ること。この新しい一年も、真に開かれた共生社会を実現するまで、私たちは一歩ずつ歩みを進めてまいります。
​本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。