【 障害者就業支援職の約9割が抱える「支援の限界」を突破するために—専門性を正当に評価し、国家資格化を見据えた抜本的処遇改善を提言します ​】

      

【 障害者就業支援職の約9割が抱える「支援の限界」を突破するために—専門性を正当に評価し、国家資格化を見据えた抜本的処遇改善を提言します ​】

就労継続支援B型作業所で、20歳から60歳までの障害者の方が支援員の指導を受け、軽作業をしている画像です。

 厚生労働省が公表した最新の調査資料や統計、およびニュース記事で報じられた就業支援の実態調査によりますと、障害者就業支援に携わる専門職の約9割が、現場での「支援の限界」を感じているという実態が浮き彫りとなりました。多くの支援員が、日々の業務に大きなやりがいを感じつつも、自身のスキル不足や企業側の理解不足、そして外部環境の壁に突き当たり、精神的にも物理的にも疲弊している現実があります。
​ 私たち障害福祉サービス事業所の問題解決を担うコンサルタント、アイズルームが支援しているクライアント企業の現状も、まさにこの実態を裏付けるものです。サービス管理責任者(サビカン)や支援員の人材不足は深刻を極めており、求人を出しても応募がなく、せっかく採用した人材も定着しないという悪循環が止まりません。
​ 本来、障害福祉の仕事は、一人の人間の人生を左右する、極めて重要かつ尊い仕事です。当然、そこには高度な専門性と資格が必要であるべきですが、現状で厳格な資格要件のみを課せば、現場の人手はさらに枯渇してしまうというジレンマがあります。
​ 私たちは、この膠着状態を打破するために、以下の具体的な施策を強く提言いたします。
​ 第一に、無資格からでも支援の道に入り、働きながら専門性を高めていける「段階的なキャリアステップと公的資格制度の構築」です。
 具体的には、採用後の定期的な研修を義務化し、3年目には「主任研修資格」、5年目には「管理研修資格」といった明確な目標を設定します。そして、これら二段階の資格取得に対し、月額2万円から5万円程度の「資格手当」を確実に上乗せする給与体系を確立すべきです。これにより、支援員は日々の業務に追われるだけでなく、自らの成長を実感し、社会的に認められる専門職としての地位と誇り、そして適正な報酬を手にすることができます。
​ 第二に、就労継続支援A型・B型事業所、およびグループホームにおける「障害種別に特化した専門性」の確立です。
 現在の福祉サービスは、精神障害や身体障害、あるいは知的障害といった、特性の異なる方々を「障害者」という言葉で一括りにしすぎています。視覚障害、聴覚障害、あるいは身体不自由者、統合失調症、発達障害、知的障害など、その特性によって必要な支援技術は根本から異なります。一般的な学校に学部や専門のコースがあるように、福祉現場も障害区分や内容に応じた、より細分化された独自性のある運営を行うべきです。漠然とした支援では、利用者の皆様が真の技術や自立の道を見つけることはできません。
​ アイズルームは、これらのサービス向上、職員のスキルアップ、および職能に応じた給与体系の実現を目指し、厚生労働省に対して粘り強く働きかけを続けております。残念ながら、現場の声を反映した提言がすぐに受理されるほど、現実は容易ではありません。
​ しかし、私たちは決して諦めません。今後は厚生労働事務局や国会議員を通じ、現場の切実な声を法律へと反映させるべく、さらに活動の輪を広げてまいります。支援員が志を持って成長し、その努力が報われる仕組みを作ることこそが、日本の障害福祉を根本から変える鍵であると確信し、これからも邁進してまいります。