【20億円超の公金詐取か?「就労継続支援A型事業所」不正受給問題の深層 異常な「就労定着者」のカラクリを暴く!福祉を食い物にする「詐欺集団」に鉄槌を】

衝撃のニュース:「就労継続支援A型事業所」加算金の過大受給、その手口と問題の深層
大阪市において、福祉関連会社「絆ホールディングス」の傘下にある少なくとも3つの「就労継続支援A型事業所」が、障害者就労支援の給付金(報酬)である「就労定着者加算(就労移行支援体制加算)」を2024年度以降、数十億円規模で過大に受給していた疑いが浮上しました。
事件の詳細と不正の手口
報道および大阪市への取材で明らかになった主な事実は以下の通りです。
過大受給額と対象事業所: 20億円超(一部報道では約27億円)の加算金を過大受給した疑い。絆ホールディングスの子会社などが運営する少なくとも3つのA型事業所が関与しています。
「就労定着者」の異常な人数: 加算金算定の根拠とされる「就労定着者」(一般企業への就労後6ヶ月以上継続して働いた者)の人数が、該当事業所ではそれぞれ年200人前後に上っていました。これは、大阪府内のA型事業所平均(1事業所あたり年1.3人)を大幅に上回る異常な数値です。
不正なスキーム: 絆ホールディングスは、この加算金制度を乱用するために、以下のような手法を繰り返していた疑いが指摘されています。
A型事業所の利用者を、グループ内の別法人(多くはデータ入力などの業務)へ「一般就労」の形で移行・雇用する。
6ヶ月以上経過した後、その利用者を再びA型事業所の利用者に戻す。
その後、再度グループ内別法人への「一般就労」へ移行させる。
この「利用者→一般就労→利用者→一般就労」という形式的な再雇用・再利用を繰り返すことで、実態としては継続的な一般就労とは言えないにもかかわらず、「新たな就労定着者」として繰り返しカウントし、加算金を不正に受給していた疑いです。
行政の対応: 大阪市は障害者総合支援法に基づき監査に入り、過大受給が事実と認められた場合は、事業所の指定取り消しや、給付金全額の返還請求(不正請求の場合、加算金が科される)を検討しています。
根本的な問題点の抽出と考察
今回の事件は、単なる一事業所の不正にとどまらず、日本の障害者就労支援制度と業界全体の構造的な問題点を浮き彫りにしています。
1. 制度の構造的な欠陥(実績主義の弊害)
「実績=報酬」のインセンティブ設計: 「就労定着者加算」のように、「一般就労への移行者数」という実績を直接的に報酬に結びつける制度設計が、事業者側に「質の高い支援」ではなく「数値の創出」へ向かう強いインセンティブを与えてしまいました。結果として、形式的なグループ内異動という「加算金ループ」を生む温床となりました。
抜け穴への対策の遅れ: 厚生労働省は不正防止のため、2024年度の制度改正で「就労移行支援体制加算」の同一人物に対する受給を原則「3年間で1回のみ」とするなどの対策を講じましたが、絆ホールディングス側はそれでも不正な手法を継続していた疑いがあり、制度の監視と運用における「いたちごっこ」が続いています。
2. 監督官庁のノウハウ不足と監査体制の脆弱性
実態把握の困難さ: 大阪府内の平均と比べて年200人という数値は、極めて異常でありながら、なぜ長期間にわたって見過ごされてきたのか、監督体制の不備が問われます。グループ内での異動という形式的な手法は、現場の実態を把握しにくいという監査の限界を示しています。
「就労」に関する専門性の欠如: 地方自治体や監督官庁自体が、障害者の「一般就労」に関する専門的なノウハウや、企業経営の視点からのチェック機能が十分に備わっていない可能性があります。
3. 経営者の倫理観と業界の急激な拡大
営利優先の体質: 絆ホールディングスのケースは、福祉理念よりも営利追求を優先し、公費を目的外で収奪しようとする悪質な犯罪行為です。このような経営者は、障害者の真の就労・自立という福祉の根幹を踏みにじる存在です。
急増と質の低下: 就労支援事業所は近年急激に増加していますが、その反面、経営者やサービス管理責任者といった「福祉と企業経営の両方に精通した人材」の育成が追いついていません。福祉の資格があるだけで、障害者が一般雇用されるための「企業が求める実践的なスキルやマナー」を教えるためのノウハウや企業経験に乏しい事業所が多いことが、不正の土壌となり得ます。
今後の対策と二度と不正を起こさないためのアイズルームの提言
今回の事件を契機として、障害者就労支援の現場と制度は抜本的な改革が不可欠です。
1. 制度の抜本的改革(評価基準の変更)
「量」から「質」への評価転換: 加算金の算定基準を、単なる「一般就労移行者数」といった実績数から、「就労の継続性(期間)」、「賃金の水準」、「支援の質の評価(第三者評価の義務化)」など、真の定着と自立に繋がる指標へと変更すべきです。
グループ内就労に対する厳格な制限: グループ内企業や関連企業への就労を「一般就労」として加算対象とする場合、その妥当性・独立性を外部の専門家(労働分野の専門家など)が審査することを義務付け、不正の温床を根絶します。
不正に対する厳罰化: 不正受給が明らかになった場合、刑事告発を前提とし、事業者だけでなく経営者個人に対しても責任を追及し、福祉業界への再参入を永久に禁止する措置を講じるべきです。
2. 監督体制と監査機能の強化
国・自治体間の連携と専門性の強化: 監督官庁は、単なる書類上のチェックだけでなく、労働基準監督署や企業経営に詳しい外部人材を監査チームに加え、実地調査を強化すべきです。特に就労支援における「一般就労の実態」について判断できるノウハウを早急に蓄積する必要があります。
抜き打ち調査の導入: 不正が疑われる事業所だけでなく、加算実績が異常に高い事業所に対しては、抜き打ちで実地監査を行う体制を整備し、不正への抑止力を高めます。
3. 事業所経営者の育成と倫理教育の徹底
経営者への義務付け: 就労支援事業所の経営者やサービス管理責任者に対し、「福祉」と「企業経営・労働法規」に関する高度な研修を義務付け、公費を預かる者としての高い倫理観と専門性を担保すべきです。
一般企業との連携強化: 障害者が実社会で通用するスキルを身につけられるよう、事業所に対し、一般企業でのインターンシップや合同研修の実施を必須要件とするなど、福祉の枠を超えた支援体制の構築を促進すべきです。
就労支援事業所は急激に増えすぎて、その反面 経営者が育っておりません。福祉という面と就労支援という仕事は一般企業の経験が必要となり、例え福祉の資格を持っていたとしても、障害者が一般雇用されるような研修をするためには、そのような人生を育てるためには、今の事業所の教育体制では全くもって体制が整っておりません。その場所のみで改訂を繰り返しても監督官庁自体が障害者の就労に関してノウハウがないようにも見えます。抜本的に1から改革をしないと就労支援作業所は不正の温床となり、公費を垂れ流すだけで障害者の就労支援には繋がらないと思います。
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