【障害者の尊厳を守るために・福祉従事者による卑劣な犯罪を防ぐための提言とアイズルームの決意】

先日報道された、京都府京田辺市内の障害者専用シェアハウスにおける窃盗事件は、私たち「アイズルーム」が日頃から取り組む障害福祉の根幹を揺るがす重大な問題として、深く憂慮しています。入居男性(66)の介護を担当していた職員による犯行という事実は、支援を必要とする生活弱者をターゲットにした極めて卑劣な行為であり、利用者の方々の心に深い傷と不信感を与えるものです。
障害者グループホームや就労支援事業所(A型・B型)など、近年急速に増加してきた福祉業界においては、厚生労働省の計画性のない事業拡大が、質の低下や不正請求といった様々な問題を引き起こし、結果的に事業規制へと繋がっています。法人による問題行動もさることながら、今回の事件のように、利用者の最も身近にいるべき職員による犯罪も後を絶ちません。
障害を抱える方々特有の「不安」と「リスク」
私たちアイズルームは、障害者の就労支援、居住支援、そして福祉事業所の問題解決コンサルタントとして活動しており、この事件を重く受け止めています。
グループホームの入居者や単身生活を送る重い障害を抱える方々は、身体的な困難などから、自力での銀行へのアクセスが難しく、部屋に現金を保管せざるを得ないケースが少なくありません。また、日中の活動費として、ある程度の現金が必要になることもあります。高齢者施設では金庫の設置や施設側での金銭管理が一般的ですが、障害者グループホームでは利用者が自分で金銭管理を行うことも多く、犯罪の標的となりやすい環境があると言えます。
私自身、視覚障害を抱えているため、お金の管理には常に不安を感じています。現金は極力持たず、引き落とし額の上限を設定したデビットカードを利用するなど、自己防衛策を講じています。しかし、重い障害を持つ方は、日常生活を維持するために、ヘルパーや福祉担当者を部屋に招き入れざるを得ません。これまで「まさか支援してくれる人が」という性善説に基づいた信頼関係で成り立ってきた支援の現場で、その信頼が裏切られたとき、入居している障害者の方々は何を信じて生きていけば良いのでしょうか。
犯罪防止に向けた具体的な提言と企業の責任
残念ながら、どんな職業にも犯罪者は存在します。このような事件を防ぐためには、企業側が倫理観の醸成と、採用時のチェックを徹底するしかありません。
アイズルームの代表を務める私自身、40年間の企業経営の中で、福祉に近い業務に携わっていた際、過去の犯罪歴を見抜けずに採用した職員が、顧客から預かった多額の現金を個人的に使い込むという苦い経験があります。最終的には企業側の責任として全額弁済し示談に至りましたが、大きな事件ならデジタルタトゥーなどで発覚することもありますが、ニュースにならないような事件の場合、本人の申告がない限り、犯罪履歴を把握することは現状極めて困難です。
しかし、今回の窃盗事件のように、窃盗罪は再犯の可能性が高いと言われています。以前、福祉業界から性的な異常者を排除する必要性を訴えましたが、窃盗などの財産犯についても、過去の犯罪歴を事前に確認できる仕組みがあれば、犯罪防止の抑止力となり得ます。
企業倫理と研修の徹底: 職員に対して、利用者様の尊厳を守るための倫理研修を定期的に実施し、問題意識を常に持ち続けるよう徹底する必要があります。
採用時のリスク管理の強化:
性犯罪歴照会制度の活用: 児童福祉分野では「こども性暴力防止法」に基づき、性犯罪歴の確認制度(日本版DBS)が導入されつつあります。この制度を福祉分野全体、特に生活弱者を支援する分野にも拡大し、窃盗などの財産犯も含めた犯罪歴を確認できる仕組みの法制化が必要です。
試用期間の徹底と身元保証: 採用時には試用期間を設け、業務の適性を厳しく判断するとともに、身元保証人制度の運用を強化するなど、多角的なリスクヘッジが不可欠です。
医療や介護の現場は深刻な人員不足に直面しており、人手不足から、資格や福祉への重きを持たない危険な職員が増加している可能性も否定できません。質の高い支援を提供し、利用者の方々の安全を守るためにも、私たちアイズルームは、このような事件を二度と起こさせないという強い決意のもと、福祉業界全体の倫理向上と、具体的な再発防止策の提言に尽力してまいります。
#福祉業界 #障害者グループホーム #職員による犯罪 #再発防止策 #アイズルーム