【運動がもたらす喜びと活力を、すべての障害者へ〜笹川スポーツ財団の提言から考える、地域に根差したスポーツ環境の未来〜】

私は今年60歳になりました。重度の視覚障害があり、加えて両足に神経障害を抱えているため、膝から下の感覚が麻痺しています。この感覚麻痺の影響で、平坦な場所であれば歩くことはできますが、階段や凹凸のある路面では転倒の危険があり、非常に注意が必要です。
そのような状況下で私が体を動かすのは、主に自宅でのエアロバイクか、大型ショッピングモール内、もしくは整備された公園内の遊歩道を歩くことに限られています。先日、視覚障害者向けの卓球(サウンドテーブルテニス)に挑戦しましたが、中年になってから中途で視覚を失ったため、聴覚だけでボールを追うことは難しく、残念ながら断念せざるを得ませんでした。
そのような状況下で私が体を動かすのは、主に自宅でのエアロバイクか、大型ショッピングモール内、もしくは整備された公園内の遊歩道を歩くことに限られています。先日、視覚障害者向けの卓球(サウンドテーブルテニス)に挑戦しましたが、中年になってから中途で視覚を失ったため、聴覚だけでボールを追うことは難しく、残念ながら断念せざるを得ませんでした。
今日のテーマは「障害者の運動とスポーツ」です。私自身、40年前の学生時代には陸上競技のやり投げをしておりました(上記の写真がやり投げ競技で、やりを投げた瞬間の写真)。昭和世代ですから幼い頃は空き地で野球を楽しみました。大人になってからはテニス、バドミントン、ラケットボールを嗜むなど、長年、運動やスポーツに親しんできました。しかし、視覚障害者となってからは、安全に「歩くこと」が精一杯という状況です。
運動やスポーツは、実に楽しく、清々しいものです。人間は本質的に動物であり、体を動かして汗をかくことで脳が活性化し、達成感と幸福感に満たされます。この喜びは、障害の有無にかかわらず、誰もが享受できるべきものです。
運動やスポーツは、実に楽しく、清々しいものです。人間は本質的に動物であり、体を動かして汗をかくことで脳が活性化し、達成感と幸福感に満たされます。この喜びは、障害の有無にかかわらず、誰もが享受できるべきものです。
笹川スポーツ財団(SSF)の最新提言:地域での「施設ネットワーク化」の必要性
私たち障害当事者が、日常的に運動・スポーツができる環境を整えることは喫緊の課題です。これまでのスポーツ参加の「受け皿」となる環境整備は、まだまだ不十分だと言わざるを得ません。
こうした現状に対し、長年、障害者スポーツ環境の調査研究を進めてきた笹川スポーツ財団(SSF)から、重要な提言が発表されました。
【ニュースの要約】
笹川スポーツ財団(SSF)は、「障害児・者の運動・スポーツの日常化」を目指し、長年の調査研究の結果、提言「施設ネットワーク化」を発表しています。この提言は、「地域の障害者専用スポーツ施設が拠点(ハブ施設)となり、近隣の公共スポーツ施設(サテライト施設)や地域のその他社会資源とネットワーク化を進めることで、スポーツ参加の受け皿を増やすべき」というものです。
セミナーでは、最新の「障害者専用・優先スポーツ施設に関する研究2024」の結果に加え、提言に賛同した東京都障害者スポーツ協会、江戸川区と共同で実施した、「江戸川区モデルプログラム」の検証結果が報告されます。このモデルプログラムは、重度障害児が身近な公共スポーツ施設などで運動・スポーツを可能にする実践プログラムです。セミナーはどなたでも参加可能で、後日アーカイブ配信も実施されます。
私たち障害当事者が、日常的に運動・スポーツができる環境を整えることは喫緊の課題です。これまでのスポーツ参加の「受け皿」となる環境整備は、まだまだ不十分だと言わざるを得ません。
こうした現状に対し、長年、障害者スポーツ環境の調査研究を進めてきた笹川スポーツ財団(SSF)から、重要な提言が発表されました。
【ニュースの要約】
笹川スポーツ財団(SSF)は、「障害児・者の運動・スポーツの日常化」を目指し、長年の調査研究の結果、提言「施設ネットワーク化」を発表しています。この提言は、「地域の障害者専用スポーツ施設が拠点(ハブ施設)となり、近隣の公共スポーツ施設(サテライト施設)や地域のその他社会資源とネットワーク化を進めることで、スポーツ参加の受け皿を増やすべき」というものです。
セミナーでは、最新の「障害者専用・優先スポーツ施設に関する研究2024」の結果に加え、提言に賛同した東京都障害者スポーツ協会、江戸川区と共同で実施した、「江戸川区モデルプログラム」の検証結果が報告されます。このモデルプログラムは、重度障害児が身近な公共スポーツ施設などで運動・スポーツを可能にする実践プログラムです。セミナーはどなたでも参加可能で、後日アーカイブ配信も実施されます。
障害者スポーツのあり方と、国・行政に求められる取り組み
SSFの提言にあるように、障害者スポーツの普及・日常化には、まず「受け皿の整備」が不可欠です。
施設ネットワーク化の重要性:
障害者専用施設(ハブ)だけでは、地理的・時間的に利用できる人が限られてしまいます。身近な公共スポーツ施設(サテライト)を活用し、地域の福祉施設や学校、病院などとも連携することで、アクセスが格段に向上します。
重度障害者、特に移動に制限がある方にとって、近隣の施設で運動できることは、スポーツ参加への心理的・物理的ハードルを大きく下げる鍵となります。
国・行政の役割:
環境整備の推進: 公共施設のバリアフリー化だけでなく、障害特性に合わせた指導者・支援者の育成、さらには専門的な知見を持つ人材をネットワークの中心に配置するための予算措置が必要です。
モデル事業の全国展開: 東京都障害者スポーツ協会や江戸川区と協働したような「共同実践プログラム」の成功事例を検証し、そのノウハウを全国の自治体へ横展開するための支援と財政的な裏付けを強化すべきです。
情報アクセスの確保: どのようなスポーツ施設やプログラムがあるのかを、視覚や聴覚などに配慮した多様な手段で提供し、情報弱者を作らない取り組みが求められます。
障害当事者はどのように運動・スポーツを選んだらよいか
私のように、中年で障害を負った場合、以前のスポーツを継続することが難しくなるケースが多くあります。大切なのは「できること」に焦点を当て、楽しみを見つけることです。
専門家への相談: まずは地域の障害者スポーツセンターや相談支援事業所、リハビリテーション施設などで、自身の障害特性や体力レベルに合った運動や競技について専門家に相談しましょう。
多様な選択肢を試す: 私が試みたサウンドテーブルテニスのように、一度は断念することがあるかもしれません。しかし、同じ視覚障害でも「ゴールボール」や「タンデム自転車」など、他の競技に目を向けることで、新たな可能性が見つかることがあります。また、特定の競技にこだわらず、水泳やウォーキング、ヨガといった日常的な運動から始めるのも有効です。
安全の確保: 私のように歩行にリスクを抱える場合は、整備された屋内施設や、介助者がいる環境での運動を優先し、常に安全を最優先に考えましょう。
このブログ「アイズルーム」は、障害当事者が発信する立場から、障害福祉に関する社会問題を解決することを目的に、様々な情報を発信しております。
障害者にとって、運動・スポーツは単なる健康維持だけでなく、社会とのつながりや生きがい、そして幸福感を高めるための重要な手段です。
SSFの提言する「施設ネットワーク化」が全国で実現し、誰もが身近な場所で、安心して、スポーツの喜びを享受できる社会になることを心から願っています。私たち当事者も、声を上げ、こうした環境づくりの輪に積極的に参加していくことが求められています。
#障害者スポーツ #施設ネットワーク化 #笹川スポーツ財団 #障害者の運動 #視覚障害者スポーツ
SSFの提言にあるように、障害者スポーツの普及・日常化には、まず「受け皿の整備」が不可欠です。
施設ネットワーク化の重要性:
障害者専用施設(ハブ)だけでは、地理的・時間的に利用できる人が限られてしまいます。身近な公共スポーツ施設(サテライト)を活用し、地域の福祉施設や学校、病院などとも連携することで、アクセスが格段に向上します。
重度障害者、特に移動に制限がある方にとって、近隣の施設で運動できることは、スポーツ参加への心理的・物理的ハードルを大きく下げる鍵となります。
国・行政の役割:
環境整備の推進: 公共施設のバリアフリー化だけでなく、障害特性に合わせた指導者・支援者の育成、さらには専門的な知見を持つ人材をネットワークの中心に配置するための予算措置が必要です。
モデル事業の全国展開: 東京都障害者スポーツ協会や江戸川区と協働したような「共同実践プログラム」の成功事例を検証し、そのノウハウを全国の自治体へ横展開するための支援と財政的な裏付けを強化すべきです。
情報アクセスの確保: どのようなスポーツ施設やプログラムがあるのかを、視覚や聴覚などに配慮した多様な手段で提供し、情報弱者を作らない取り組みが求められます。
障害当事者はどのように運動・スポーツを選んだらよいか
私のように、中年で障害を負った場合、以前のスポーツを継続することが難しくなるケースが多くあります。大切なのは「できること」に焦点を当て、楽しみを見つけることです。
専門家への相談: まずは地域の障害者スポーツセンターや相談支援事業所、リハビリテーション施設などで、自身の障害特性や体力レベルに合った運動や競技について専門家に相談しましょう。
多様な選択肢を試す: 私が試みたサウンドテーブルテニスのように、一度は断念することがあるかもしれません。しかし、同じ視覚障害でも「ゴールボール」や「タンデム自転車」など、他の競技に目を向けることで、新たな可能性が見つかることがあります。また、特定の競技にこだわらず、水泳やウォーキング、ヨガといった日常的な運動から始めるのも有効です。
安全の確保: 私のように歩行にリスクを抱える場合は、整備された屋内施設や、介助者がいる環境での運動を優先し、常に安全を最優先に考えましょう。
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障害者にとって、運動・スポーツは単なる健康維持だけでなく、社会とのつながりや生きがい、そして幸福感を高めるための重要な手段です。
SSFの提言する「施設ネットワーク化」が全国で実現し、誰もが身近な場所で、安心して、スポーツの喜びを享受できる社会になることを心から願っています。私たち当事者も、声を上げ、こうした環境づくりの輪に積極的に参加していくことが求められています。
#障害者スポーツ #施設ネットワーク化 #笹川スポーツ財団 #障害者の運動 #視覚障害者スポーツ