​衆議院選挙が行われている今、私たちが直面している現実はあまりにも過酷です。
厚生労働省の国民生活基礎調査によれば、日本の相対的貧困率は15.4パーセントに達しています。これは日本人の約7人に1人が貧困状態にあることを示す衝撃的な数字です。
​1日の食費を1000円以下に抑え、1ヶ月をわずか3万円で繋ぐ。そんな極限の生活を強いられている人々にとって、食費の消費税をゼロにする程度の小手先の対策は、根本的な解決には到底至りません。
​驚くべきことに、こうした困窮者が増え続ける一方で、日本の上位10パーセントを占める高所得層の一部には、この経済格差を埋める必要はないと断言する人々が存在します。自分たちは努力して成功したのだから、脱落した弱者は自己責任だという冷徹な選民意識です。しかし、その傲慢さが日本をどれほど危険な淵に追い込んでいるか、想像したことがあるのでしょうか。
私は長年、弱者救済の活動を推進してまいりました。その中で目にしたアメリカ、ロサンゼルスの現状を皆さんに伝えなければなりません。世界屈指の観光地でありながら、その実態はホームレスが街を埋め尽くし、違法薬物に身体を蝕まれた人々が路上に溢れる混沌の地です。地下鉄に乗るだけで命の危険を感じ、一歩通りを間違えれば、たとえ成人男性であっても強盗の標的になります。子供や女性、障害者であれば、即座に命を脅かす犯罪に巻き込まれる社会。それが格差を放置した末路なのです。
​日本でも、貧困ゆえに軽犯罪を繰り返す者が後を絶ちません。最近では、貧困格差への逆恨みから凄惨な殺傷事件を引き起こすニュースが、月に何度も報じられるようになりました。アメリカの都市部で毎日起きている無差別な暴力が、この日本でも日常になろうとしているのです。
​格差が拡大すれば、社会には決定的な分断が生まれます。貧困にあえぐ人々の中に蓄積された社会への不満と絶望は、いつしか激しい憎悪へと変貌し、自分たちよりさらに弱い存在、あるいは自分たちを切り捨てた社会そのものへの攻撃として爆発します。
​高学歴で良い職場にいるから自分は安全だと思っているあなた。それは大きな間違いです。あなたが今、清潔なビルで働き、快適な生活を送れているのは、低賃金で働く非正規労働者が建物を清掃し、ゴミを収集し、過酷な福祉現場を支えているからに他なりません。
​特に福祉現場の現状は崩壊寸前です。障害者支援や高齢者介護に従事する労働者の賃金は全産業平均と比べても極めて低く、どれだけ使命感を持って働いても、自分自身が貧困から抜け出せないという不条理な構造があります。このままでは福祉の担い手がいなくなり、社会のセーフティーネットは完全に消滅します。弱者が放置される社会で、どうしてあなたたちの安全だけが守られると言い切れるのでしょうか。
​この貧困格差を解消するためには、もはや付け焼刃の給付金では足りません。非正規雇用という不安定な働き方を抜本的に見直し、人間らしい生活ができる賃金水準を法的に保障しなければなりません。さらに、富の再分配機能を強化し、高所得層や大企業に応分の負担を求める税制改革を直ちに行うべきです。これは慈善事業ではありません。日本という国家が犯罪大国へと転落するのを防ぐための、最後の防衛策なのです。
​社会の底辺を支える人々を使い捨てにし、困窮を自己責任で片付ける社会に、未来などありません。格差を改善しなければ、日本から安全という誇りは消え去ります。夜間に女性が一人で歩ける平和は崩壊し、誰もが無差別に刺される不条理な事件が横行する犯罪大国へと転落するのです。
政治家は直ちに貧困解消のための根本的な対策を打つべきです。そして生活に余裕がある人々こそ、足元の崩壊に気づき、社会をより良くするために全力を尽くすべきです。自分たちの富を守ることだけに汲々とするのではなく、社会全体を底上げしなければ、あなたの愛する家族もまた、格差が生み出した憎悪の刃から逃れることはできないのです。
​格差は単なる経済の問題ではなく、命の問題です。この連鎖を断ち切らなければ、私たちは全員共倒れになる。その危機感を、今こそ共有しなければなりません。