【透析患者と視覚障害者1級が示す重度障害の現実・腎移植推進への提言】

      

【透析患者と視覚障害者1級が示す重度障害の現実・腎移植推進への提言】

男性患者が定期通院し看護師に見守られながら人工透析を受けている画像です。

​障害福祉をテーマとしたブログ記事を毎日配信しているアイズルーム(eyesroom.com)です。
​本日のテーマは人工透析についてです。
​私自身は視覚障害者1級という重度の障害を抱えておりますが、週に3回、1回4時間ほどの人工透析をされている方も、私と同じ身体障害者1級に認定されると知りました。
​この事実は、人工透析が非常に重い障害であることを示しています。
​透析患者さんの総数約35万人と、視覚障害者1級の手帳を持つ方約30万人(日本の人口の約0.25%)は、ほぼ同数です。
​これは、私たちが日々の生活で感じる制約や困難が、透析患者さんにも同様に大きくのしかかっていることを意味します。
​人工透析の重さと生活への制約
​人工透析は、腎臓の機能が失われた場合に、機械を使って血液中の老廃物や水分を取り除く、生命維持に不可欠な治療です。
​この治療は通常、週に3回、4時間程度の拘束を意味します。
​これは年間で約600時間以上が治療に費やされる計算になり、患者さんの生活は大幅に制限されます。
​また、食事や水分の摂取にも厳格な制限があり、合併症のリスクも高く、その重さは身体障害者手帳の最重度である1級に認定されることからも明らかです。
​私の視覚障害1級が、日常生活や仕事において行動の自由を著しく奪うように、透析患者さんの生活も治療スケジュールと体調管理に大きく左右され、仕事や社会参加が困難になるケースが少なくありません。
​腎移植の現状とドナー登録の課題
​人工透析から解放される根本的な治療法は腎臓移植です。
​しかし、腎移植を希望して日本臓器移植ネットワークに登録している方は現在15,000人以上います。
​これは日本の人口比で言えば約0.012%にすぎませんが、待機期間は長期にわたります。
​現在の腎移植は、主に「生体腎移植(親族などの生きたドナーから提供)」と「献腎移植(脳死または心停止したドナーから提供)」に分けられます。
​生体腎移植(親族間)の年間実施件数は概数で約1,700件です。
​献腎移植(脳死・心停止)の年間実施件数は概数で約250件です。
​この数字からわかるように、日本では親族間での生体移植が主流であり、脳死状態からの献腎移植の件数は極端に少ないのが現状です。
​世界との比較と国による積極的な推進の必要性
​OECD加盟国のデータに基づくと、日本の献腎移植の実施率は非常に低い水準にあります。
​例えば、2023年時点のデータでは、スペインやアメリカなどと比較して、人口あたりの献腎移植件数には大きな開きがあります。
​これは、日本のドナー登録数の少なさと、脳死の判断に対する社会的な議論の遅れが原因と考えられます。
​ドナー登録の意思表示欄について、以前は運転免許証の裏面(1997年の臓器移植法施行以降)と、健康保険証の裏面(臓器移植法の改正を受けて2010年代以降)の両方に設けられていました。
​現在は主にマイナンバーカードと連携したマイナポータルを通じて意思表示を行うことができます。
​しかし、マイナンバーカードの更新手続きや日常的な使用の過程で、ドナー登録に関する積極的な問いかけや啓発は十分に行われていません。
​私は先日マイナンバーカードの10年更新手続きを行いましたが、ドナー登録に関する問いは一切ありませんでした。
​腎臓は二つある臓器であり、一つを提供しても健康な生活を送ることが可能です。
​同じように、臓器提供が進めば画期的な延命措置ができる部位としては、心臓、肝臓、肺などがあり、また角膜などの組織も含まれます。
​政府は、この献腎移植の件数を増やすために、国民に対する継続的かつ積極的なドナー登録の推進が必要です。
​具体的には、マイナポータルやその他の公的手続きの際に、ドナー登録の意思を問うことを標準化するなど、海外の先進的な事例を参考に、より簡便で明確な登録制度の構築と、国民への啓発活動を強化すべきです。
​厚生労働省は、臓器移植に関する国の監督官庁であり、今後は「移植医療を国民が広く理解し、安全に提供・実施できる体制の整備」を推進する方針です。
​アイズルームは、今後も視覚障害者向けの情報発信を進めてまいります。
​しかし、今回取り上げた人工透析患者さんの問題のように、他の障害や難病に関する社会的な課題についても積極的に取り組み、社会への問題提起をしていきたいと考えております。
​私たちアイズルームは、同じように重い障害を抱える方々の生活の質の向上を目指し、他の支援団体とも協力し、すべての人にとってより良い世の中になるよう推進していきたいと思います。

​#人工透析 #腎移植 #身体障害者手帳1級 #ドナー登録 #臓器提供