【全盲の私が挑んだ天王台駅「地獄のタクシー迷路」と「暗闇の単独歩行」での大転倒を経て掴み取った野生の達成感と現行タクシー業界の絶望的なデジタル欠如への怒り ​】

      

【全盲の私が挑んだ天王台駅「地獄のタクシー迷路」と「暗闇の単独歩行」での大転倒を経て掴み取った野生の達成感と現行タクシー業界の絶望的なデジタル欠如への怒り ​】

リュックを背負った男性視覚障害者が、白杖を持ちながら反対側の手でリールの付いたカードケース(定期券)を自動改札にかざし、通過する画像です。

《公的同行援護の限界と単独歩行の決意》
視覚障害者が利用する公的な「同行援護」は、原則として仕事や学業、経済活動には利用できないというルールがあります。そのため、私が運営するアイズルームの活動に関連する移動は、自社スタッフの同行を仰ぐか、自力で歩くしかありません。今日は午前中に松戸市内の福祉施設を数か所訪問し、そこまではスタッフが同行してくれましたが、午後の天王台行きは急遽決まった案件でした。スタッフの予定も埋まっており、同行援護も使えない状況下で、私は松戸のスタートアップオフィスから全盲での単独移動を決断しました。
《常磐線快速の利用と我孫子駅での予期せぬ困難》
松戸駅から途中1ヶ所馬橋駅でお客様と会う為、常磐線各駅停車の電車に乗り、用事を済ませ再度電車に乗りましたが我孫子駅止まりの電車だったので、乗り換えて天王台駅を目指す経路でした。全盲の私にとって、初めての、あるいは慣れない駅での乗り換えは非常に難易度が高い問題です。我孫子駅で下車した際、乗り換えのルートに少し戸惑ってしまいました。しかし、そこで一人の男性が声をかけてくださり、次に乗るべき電車の番線まで丁寧に案内していただきました。こうした人の温かさに支えられながら、なんとか天王台駅に到着することができました。
《AI情報の落とし穴と天王台駅のタクシー事情》
事務所でGoogleのAIに確認したところ、目的地まではタクシーで約700円、駅の出口は両方にタクシー乗り場があるとのことでした。しかし、実際に天王台駅の北口に降りてみると、タクシー乗り場などどこにもありません。通行人の方に尋ねると、北口にタクシーが止まっているのは見たことがなく、反対側の南口にしかいないと言われました。AIの情報を過信したことで、手土産を購入した後にエレベーターを探して反対側へ移動するという大きなロスが発生してしまいました。
《タクシー業界のデジタル欠如と高齢運転手の現実》
南口で12分待ってようやく乗車できたタクシーは、驚くほどアナログな世界でした。目的地を伝えても、超高齢の運転手は「そんなの知らない、ない」と言い張ります。正確に住所を伝えてもナビを使う様子もありません。無線で問い合わせてもらいましたが、耳が遠い運転手は無線からの指示を正しく聞き取れず、近所を何周も迷走しました。結局、本来700円ほどで着くはずの道のりに1200円かかり、支払いもカードは不可で現金のみ。視覚障害者にとって紙幣の判別は困難なためデビットカードを使いたいのですが、その現実的な壁に阻まれました。
《帰路の選択と暗闇での不測の転倒》
用事を終えたのは夕方の4時20分を回った頃でした。アイズルームの活動はボランティアが中心であり、移動のたびにタクシーを利用していては活動自体が維持できず、生活も破綻してしまいます。そのため、帰りは危険を承知の上で徒歩を選択しました。左目は失明し右目は光を感じる程度の私にとって、夕暮れ時は最も視界が厳しくなる時間です。初めて歩く約1キロメートルの道をGoogleナビの音声を頼りに歩き出しましたが、裏道で白杖を振る動作が疎かになった瞬間、左足が何かに引っかかり派手に転倒してしまいました。両手と両膝に痛みを感じましたが、日頃から鍛えている還暦の体のおけげで、幸い打撲だけで済みました。
《全盲単独歩行で見いだした達成感と覚悟》
晴眼者なら12分で歩ける道を、音を頼りに白杖を振りながら20分かけて歩き、ようやく駅に辿り着きました。午前中の松戸市内での活動と、この天王台での往復を合わせ、今日一日で歩いた距離は合計7キロメートルに達しました。初めての道を夕闇の中で歩き切った時、私の中に湧き上がったのは強烈な達成感と快感でした。アイズルームとして社会貢献を目指す以上、どうしても一人で動かなければならない局面はあります。安全だけを考えれば立ち止まるべきですが、野良犬が必死に生きるように、私も自分の足で道を切り拓く覚悟です。
《白杖歩行の研究と今後の展望》
知らない道を全盲で歩く7キロメートルは、健常者のそれとは比較にならないほど体力を消耗します。助成されるタクシーチケットも市町村をまたぐと使えず、広域で活動する私にとっては実用性が低いのが現状です。どうすれば安全を確保しながら縦横無尽に歩けるのか、全盲になって2年が経ちますが、私はまだ修行の身です。いつの日か魔法の力が宿るように、理想の歩行を追求し続けます。今日も障害福祉をテーマとしたアイズルームのブログを読んでいただきありがとうございました。ご意見やコメントがありましたら下部のお問い合わせからお願いいたします。