​みなさん、こんにちは。福祉支援団体「アイズルーム」が発信を続けている福祉の時間です。
​私は以前、全盲になる前に高齢者施設や高齢者シェアハウスの運営・管理をしておりました。その経験からも強く感じていることですが、現在の国の政策としても、できるだけ施設に入るのではなく、住み慣れた環境で老後を過ごしていただきたいという方針が出ています。
​老人施設に入ってしまうと、どうしても自由が奪われてしまいます。行動も制限され、自分の好きなところに行けなくなります。また、好きな食べ物も自由に食べられなくなってしまいます。
​人間は本来、好きな時間に起きて、好きな時間に寝るのが自然な姿です。健康に良いものだけを食べていることが、必ずしもその人にとっての幸せとは限りません。一人で自宅に住んでいれば、近くの公園に行って鳥のさえずりを聞いたり、子供たちが元気に遊んでいる風景を見たり、季節の花が咲いているのを眺めたりすることができます。こうした何気ない日常の自由が、人の生きる活力になるのです。
​実際に施設に入ると、環境の変化や刺激の減少から認知症が進行してしまうことも多くあります。私個人の考えとしては、心身がギリギリの状態になるまでは、施設に入らずに自宅での生活を続けたほうが良いと思っています。
​さて、本日のテーマは「特養(特別養護老人ホーム)」と「老健(介護老人保健施設)」の違いについてです。これらは一見すると同じような老人施設に見えますが、対象となる方も違えば、施設の果たす役目も全然違います。ここでその違いについて詳しくお伝えしますので、ぜひ学んでください。
​まず、特養の目的は「長期的な生活の場」であり、「終の棲家(ついのすみか)」としての役割が強い施設です。自宅での介護が難しくなった方が、介護を受けながら安心して長く暮らし続けることを目的としています。そのため、原則として要介護3以上の方が対象となります。
​一方で、老健の目的は「在宅復帰」です。病院を退院した後など、すぐに自宅へ戻るのが不安な方が、医療管理のもとで集中的にリハビリを行い、心身の機能を回復させて自宅での生活を再開するための施設です。そのため、要介護1から利用できますが、入居期間は原則として3ヶ月から6ヶ月といった短期が前提となっており、定期的に自宅へ戻れるかどうかの評価が行われます。
​このように、名前は似ていても、ずっと暮らす場所なのか、リハビリをして家に帰るための中間地点なのかという、目的と期間がまったく異なるのです。
​アイズルームは、高齢者になったとしても、一人ひとりの尊厳を守り、できるだけ自由に過ごせる時間を大切にしたいと考えています。
​もちろん、高齢者施設を完全に否定するわけではありません。ご家族の状況やご本人の状態によって、どうしてもそのような場所に入らなければならない時には、それは仕方のない選択だと思います。しかし、できる限りは一人で頑張って、自分の自由な時間を大切に過ごしていただきたいのです。
​海外と比較してみると、日本は老人施設に入る人の割合が多すぎる現状があります。制度や施設に頼り切るのではなく、住み慣れた地域で自分らしく自由に生きる選択肢を、私たちはこれからも応援していきたいと思っています。