視覚障害当事者の皆さん、雨の日の外出はどうされていますか?
​私は全盲になって2年、白杖を使い始めてからも同じく2年が経ちます。これまで雨の日の外出はできるだけ避けてきましたが、仕事となるとそうもいきません。
​これまでは、風が吹いてもひっくり返りにくい折りたたみ傘を左手に持ち、右手で白杖をついて歩いていました。しかし、この歩行は非常に危険です。傘に気を取られて白杖の振りが甘くなり、看板や放置自転車に足を引っ掛けて転びそうになることが何度もありました。しかも、転んだ瞬間に左手が傘で塞がれていると、とっさに手をつくことすらできません。
​上下に分かれたレインウェア(カッパ)を着れば解決するのかもしれませんが、出先での突然の雨のときに、わざわざ着替えるのは本当に一苦労です。そのため、以前もこのブログで「皆さんは雨の日にどうやって移動していますか?」と投げかけていました。
​そんな中、最近よく一緒に出かける、とても頼りになる同行援護のヘルパーさんから目からウロコのアドバイスをもらったのです。
​先日の外出時、夕方から雨が降りそうになったとき、そのヘルパーさんに「こういう時はどうするの?」と尋ねてみました。すると、「私はポンチョを使っていますよ」と教えてくれたのです。ポンチョとは、頭からすっぽりとかぶるタイプの一体型のレインコートのことです
そのヘルパーさんは作業服専門店のワークマンのポンチョを愛用しているそうなのですが、私のように身長180センチメートルでプロレスラーのような大柄な体型の視覚障害者には、大きいサイズの専門店であるサカゼンの商品のほうが質感が良くて向いているのではないか、と勧めてくれました。私はそれまで、ポンチョという雨具の存在自体を知りませんでした。
​さっそく、自宅から一番近いテラスモール内のワークマンへ行ってみました。そこには男女兼用のかなり大きなポンチョが1種類売られていましたが、私の体格ではおそらく小さすぎます。
​そこで、今度はモラージュ柏にあるサカゼンへ電話で確認してから向かいました。店員さんに相談したところ、残念ながらサカゼンにはいわゆるポンチョという形の商品の取り扱いはありませんでした。その代わり、上下別々のレインウェアか、上着だけのロングレインコートを紹介されました。
​上着だけのレインウェアを試着してみたところ、サイズは非常に大きくてポンチョに似た感覚で着ることができました。薄手なのは良かったのですが、着てみるとまるでビニールハウスの中にいる野菜のように中がひどく蒸し暑く、とても夏の季節に着られるものではありませんでした。さらに、全盲の私にとって致命的だったのが、ファスナー(チャック)の位置が分かりづらいことです。風雨の侵入を防ぐためにマジックテープも併用されている本格的な仕様だったため、脱ぎ着をするのにものすごく時間がかかってしまい、実用的ではないと判断せざるを得ませんでした。
​そして何より、価格が1万円以上したのです。いくら機能性が良くても、雨合羽に1万円はさすがに払えません。
​そこで改めてAIを使って調べてみると、ワークマンには3Lサイズのポンチョが3900円で存在することが分かりました。いくつかの店舗に確認したところ店頭在庫はなかったものの、公式のオンラインストアには在庫がありました。すぐにネットで注文し、松戸のテラスモール内にあるワークマンの店舗で受け取る手続きをしました。
​いくつかカラーバリエーションはあったようですが、3Lサイズは黒のみでした。しかしこの商品、なんと背中の部分にゆとりを持たせる加工が施されており、リュックサックを背負ったままでも上からすっぽりとかぶることができる優れた機能性を持っています。サカゼンの1万円という価格に悩んでいた私にとって、3900円でこの機能的なポンチョが手に入ったのは大満足でした。周りの方の多くは、この便利なポンチョという雨具を最初から知っていたのですね。私にとっては新鮮な発見でした。
​しかし、雨具の種類を変えても、私にはもうひとつ大きな恐怖があります。それが周囲の人が差している傘です。
特に身長155センチメートルから160センチメートルほどの女性が差している傘の高さが、ちょうど私の目線の位置にきます。狭い道ですれ違うとき、傘の骨の先端にある尖った部分(露先)が、私の目のあたりに直撃しそうになるのです。これは夏の季節の日傘でも同様で、本当に危険だと感じています。私自身の背が高いため、相手の傘の位置と私の顔の高さがちょうど重なってしまうのです。
​目が見えていれば、危険を察知して首を横に振るなどしてよけることができますが、全盲の私は顔に傘がぶつかる瞬間まで気づくことができません。それを考えると、同行援護のヘルパーさんに傘を差してもらって歩く場合でも、周囲の傘が目にぶつかる危険性は常に残ります。
​そう考えると、ヘルパーさんと一緒に移動する同行援護のときこそ、両手が完全に自由になるこのポンチョが一番安全でベストな選択肢ではないか、と感じるようになりました。
​では、白杖を使った一人での単独歩行のときはどうでしょうか?突然の雨に対応する手段として、ポンチョは本当に良い選択肢と言えるのでしょうか。
​実は、ポンチョのフードを深くかぶってしまうと、周囲の音が遮られてしまい、視覚障害者にとって大切な聴覚からの情報が激減してしまいます。ヘルパーさんが隣にいてくれれば安心ですが、一人で歩くとなると、周囲の音が聞こえづらくなるのは非常に危険です。単独歩行での雨の日の身の守り方については、私の中でまだまだ研究段階、試行錯誤の真っ最中と言えます。
​そこで、全盲のベテランの皆さんにぜひお聞きしたいのです。
​雨が降っていて、どうしても外出しなければならないとき、皆さんはどのような装備で外出していますか?
特に私が知りたいのは、ガイドヘルパーなしの単独歩行の場合です。
​プライベートの用事であれば外出を諦めることもできますが、仕事の移動となると「雨が降っているから行けません」というわけにはいきません。私にとって、これは本当に切実な問題です。
​皆さんのこれまでの経験から、安全に移動するための工夫やおすすめの装備、歩き方のコツなどがあれば、ぜひ下部の問い合わせフォームからコメントで教えてください。よろしくお願いします。