【命と権利を守る現場から考える、生活保護制度の理想と現実】

      

【命と権利を守る現場から考える、生活保護制度の理想と現実】

ニンニク香る特製醤油ダレ牛キャベ丼とデイジー図書CDの画像
​皆さんこんばんは。
今日の朝は忙しかったためブログを2本しかあげられませんでした。
ということで、夜に1件あげます。
​まずは、ブログの中心になっているアイキャッチ画像の説明から入ります。
​左側に写っている食べ物は、ほっともっとで2026年8月21日から発売されている夏の新商品「にんにく香る特製醤油だれ 牛キャベ丼」(税込590円)です。
牛肉とキャベツ、にんにくの芽を、にんにくの風味が効いた特製醤油だれで香ばしく炒めた食欲をそそる一品です。
ちょっと小ぶりの盛り付けで、お値段も590円とお手頃です。お肉がたくさん入っていた方が嬉しい気持ちもありますが、半分ほど入っているキャベツのシャキシャキ感が心地よく、健康志向の私にとっては肉と野菜のバランスがとても良いお弁当です。
​いつもお伝えしている通り、私は全盲なので最近はお弁当を買うのもほっともっとばかりです。
会社の近くにあるほっともっとは、セルフレジではなく有人対応です。
最近はコンビニでもセルフレジが増えていますが、目が見えないと操作や支払いが非常に厳しくなります。
その点、ほっともっとは受付の店員さんに言葉で直接注文ができます。出来上がった後は通常番号で呼ばれますが、私の場合は特別に配慮していただき、店員さんが手元までお弁当を持ってきてくださいます。
さらに、入口のプッシュ式自動ドアを開けて「気をつけて帰ってくださいね」と優しい声までかけてくださいます。こうした温かい対応にはいつも感謝しています。
​次に、左上に写っているビールのジョッキについてです。
これは誕生日のプレゼントとして、スタッフにリクエストして買ってもらいました。
現在はお酒をやめているためビールは飲みませんが、以前はガラス製のジョッキを使っていました。しかし、ある時割れてしまったのです。
目が見えないと、小さいグラスだと手や腕が当たって倒しやすくなります。また、洗っている最中に誤って手を滑らせて落としてしまうこともあります。
割れること自体も困りますが、視覚障害者にとって「割れたガラスの破片を処理する」作業は非常に危険です。
そのため、怪我を防ぐ安全対策として割れないお皿やグラスを使うようにしています。
このジョッキは強化プラスチック(PC樹脂等)製のもので、Amazonなどでも1,000円から1,500円ほどで販売されています。軽くて丈夫で、倒したり落としたりしても割れる心配がないため、とても重宝しています。
​さあ、ここまでお話ししてきましたが、ここからが本題です。
​写真の右側に写っているCDのようなものは、いつもご紹介している「デイジー図書(DAISY図書)」です。
我々視覚障害者は印刷された本をそのまま読むことができないため、その代わりとなるデジタル音声図書です。専用の再生機器やアプリを使うことで、目次からページを飛ばしたり、読書音声を快適に聴いたりすることができます。
​今回ご紹介する作品は、中山七里さんが書かれた社会派ミステリー小説『護られなかった者たちへ』(2018年1月発行)です。
当団体「EYESROOM」が設立される前から、私がずっと取り組んでいる居住・福祉支援の現場を深く捉えた超大作です。
​【本の内容】
東日本大震災後の仙台で、福祉事務所の職員が全身を縛られ餓死させられるという連続殺人事件が発生します。被害者たちは周囲から善良な人物と評されていましたが、共通していたのは「生活保護の申請・運用」に関わっていたことでした。
過去に、生活保護を切実に必要としながらも、親族への扶養照会によって迷惑をかけたくないと辞退し、餓死してしまった女性がいました。彼女の苦しみや死を間近で見届けていた関係者が、制度の壁によって救われるべき命が切り捨てられたことへの強い怒りと無念から、受給を拒絶・辞退させた福祉幹部たちを同じ「餓死」という方法で殺害していくという物語です。
​この作品は、生活保護の現場に関わっている我々にとっても日常的に直面する出来事であり、現実を痛烈に映し出した問題作だと感じます。
私自身、生活保護の申請が通らず、あと3日ほどで命を落としかねない状況の方を助けたことがあります。
その方は貧困から寝たきりになっており、すでにガスは止められ、ペットボトルに入れた水道水だけで1週間を過ごしていました。施設育ちで身寄りがなく、支援者も全くいない状態でしたが、たまたま近所の方が我々団体へ連絡をくださったおかげで、支援することができました。
すぐに一緒に福祉課へ行って申請を行い、まずは神奈川県内の無料低額宿泊所に入所。そこで3ヶ月ほど過ごしたのち、無事にアパートで一人暮らしができるところまでサポートしました。
​私から見るポイントを3点に分けてお話しします。
​ポイント①:親族への照会と連絡不通の現実
​作品内で主人公の義理の弟の存在によって生活保護申請が拒まれた場面がありますが、このようなケースはフィクションではなく現実に存在します。
私の父親も、姉の結婚式のお金を持ったまま失踪し、40年間にわたって音信不通でした。個人の意思で連絡を絶った人間を探し出すことは、探偵でも雇わない限り極めて困難です。支援を頼れない親族の存在を理由に申請をためらわせたり拒んだりする運用は、時に命取りになります。
我々「福祉支援相談室」では、本当に貧困で困っていて仕事ができない方に対し、無償のボランティアとして生活保護の申請サポートを行っています。
​ポイント②:福祉行政の一部に見られる極めて不適切な対応
​過去に、母親からDVを受けている娘さんをシェルターで保護し、生活保護の申請を行った際のことです。あろうことか東京都内のある自治体の担当職員が、その加害親である母親に向かって「娘さんが生活保護の申請をしようとしているが承認していいか」と連絡を入れてしまったのです。
当然、居場所と申請の事実が母親に伝わってしまい、娘さんは強引に連れ戻されてしまいました。この件について自治体の福祉課へ猛抗議をしましたが、謝罪するどころか開き直るような態度をとられました。
真面目に職務を果たされている職員の方が大半であると信じていますが、この本に出てくるような悪質で配慮に欠ける対応をする人が、福祉の現場にまだ存在するのも紛れもない事実です。
​ポイント③:制度の歪みと不公平な運用
​生活保護の申請が厳しく制限される一方で、特定の宗教系政治団体が、その宗教に属している会員の生活保護申請を強力にバックアップしているケースがあります。
本来であれば持ち家などの資産があり申請が通らないようなケースであっても、政治的な圧力や力によって無理やり申請を通してしまうような「良くない裏技」が存在しているのです。
​生活保護制度は、すべての申請を無条件で受け入れてしまっては国の財政や経済が破綻してしまいます。本当に保護が必要な人、例えば障害や病気で働けない人、高齢で身体が動かず働けない人、本当にお金や資産がない人には、確実に申請を通さなければなりません。家族がいたとしても、その家族が援助できない・拒否している状態であれば、生活保護を適用して命を救う必要があります。
​その反面、まだ働ける状態であったり、十分な貯金や資産があるにもかかわらず申請しようとする人がいるのも事実です。行政にはこれらを正しく厳正に審査していただきたいと考えます。
本に出てきたような悲惨な犠牲者を出さないためにも、申請後の書類確認や形式的な調査だけに頼るのではなく、真に必要とされている方の場合は受付の段階で自宅を訪問し、生活環境や困窮状態を直接確認するような柔軟で実効性のある審査体制も必要ではないでしょうか。実際の生活現場を見なければ、本当の困窮度は分かりません。
​現在、私は全盲となったため以前のように各地へ直接駆けつけたり、金銭的な支援を行ったりすることはできません。しかし、申請書の書き方のアドバイスや、福祉課へ同行して隣で静かにサポートするといった無償の支援は行うことができます。
​当団体のサポートエリア(松戸市、柏市、流山市、鎌ケ谷市、市川市、我孫子市)にお住まいで、生活や福祉のことで本当にお困りの方は、ブログ下部の問い合わせフォームより支援のご相談をお送りください。
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