​昨日、就労支援の活動の一環でハローワーク(職安)を訪れました。午後3時を過ぎていたにもかかわらず、場内は仕事を探す高齢者の方々を中心に大混雑しており、相変わらずの非効率さに強い疑問を抱かざるを得ませんでした。
​現在のハローワーク最大の課題は、システム化の圧倒的な遅れにあります。利用者がスマホで求人情報を探すところまでは進化しましたが、その先の企業への問い合わせや確認のプロセスが完全にアナログのままです。
​例えば、求職者が以下のような疑問を持ったとします。
・年齢が55歳ですが、応募しても大丈夫でしょうか
・この仕事は女性でも無理なくできる内容でしょうか
・求人票にある「休憩時間2時間」とは、具体的にどのような勤務形態ですか
​こうした細かな条件を確認するためだけに、わざわざハローワークの窓口に足を運び、長い順番待ちをしなければなりません。そしてやっと順番が来ても、窓口の職員が企業に電話をかけて確認する形をとるため、企業の担当者が不在であればその場では解決しません。
​なぜ直接企業に聞けず、このような二度手間が発生するのか。その背景には、求人票の表記ルールにあります。法律や制度の関係上、企業が「若い人を採用したい」「男性(あるいは女性)を希望している」といった本音を求人票に明記すると、ハローワークから修正指示が入ります。しかし現実には、業務内容によって重い荷物を運ぶため男性が適している職場もあれば、きめ細やかな対応が必要で女性が活躍しやすい職場もあります。また、背に腹は代えられない状況で高齢者を積極的に受け入れる企業も存在します。
こうした企業側のリアルな要望や条件を求人票に正しく反映できない曖昧さがあるからこそ、面接前の事前確認が必要になり、それがハローワークを介した電話連絡という非効率を生み出しているのです。
​銀行の口座開設を含め、世の中のほとんどの手続きがネットやスマホで完結する時代に、ハローワークだけが昭和のやり方から脱却できていません。本来であれば、スマホを操作できる人向けの機能はすべてデジタルに移行すべきです。スマホのカメラで顔写真を撮影してそのまま履歴書に添付し、対話型のAIを活用してこれまでの経歴や希望を整理すれば、履歴書や職務経歴書は自動で作成できるはずです。
​一方で、本来のハローワークが果たすべき役割は、私のような視覚障害者や聴覚障害者、あるいは一人で仕事を探すことが困難な方々への手厚いサポートです。
​そこで、福祉支援団体EYESROOM(アイスルーム)として、障害者や高齢者の就労・居住支援を行うボランティアの立場から、次世代型ハローワークの具体的な改革案を提言します。
​一般求職者の「完全スマホ・AI化」
スマホ操作が可能な求職者に対しては、窓口に足を運ぶことなく、企業との直接対話やマッチングができるシステムへと完全移行します。働き方や希望条件に関するアンケートをもとに、AIが高度なヒアリングを行い、24時間体制でその人に最適な会社を具体的に紹介する仕組みを構築します。これにより、窓口の混雑は大幅に緩和されます。
​障害者・高齢者に特化した個別カウンセリング空間の設置
ハローワークの庁舎内は、特別なサポートを必要とする方々のための専用スペースへと生まれ変わらせるべきです。ゆったりとした対面式の個室を完備し、専門知識を持ったスタッフが時間をかけてじっくりと相談に乗れる環境を整えます。
​福祉就労(A型・B型事業所)との一体型システムの構築
ハローワークの機能の中に、就労継続支援A型事業所やB型事業所の紹介・マッチング機能を深く組み込むことを提案します。一般就労への移行だけでなく、障害を持つ方々がそれぞれの特性に応じてステップアップできる働く場を地域社会の中にしっかりと創り出し、障害者の就労支援をより深く、一元的にサポートできる体制が必要です。
​今のハローワークのままでは、仕事を見つける効率が悪すぎます。デジタル化できる部分は徹底的にAIやスマホに任せ、人間による温かいサポートが必要な障害者や高齢者にリソースを集中させる。これこそが、これからの時代に求められる真の就労支援の姿です。