​現在、近隣地域を含めて地震が多発しており、大規模災害のリスクはかつてないほど高まっています。これに対し、現在の松戸市役所庁舎は「ツギハギだらけ」で老朽化が進み、極めて深刻な危険にさらされています。過去の診断でも構造耐震指標(Is値)が0.3とされ、震度6から7程度の大規模地震によって倒壊・崩壊するおそれが極めて高いという、背筋の凍るエビデンスが明確に存在しています。
​さらに、庁舎の内部環境も目を覆いたくなる実態です。一般的にはあるはずの食堂すら設置されておらず、和式トイレが今なお多く残されているなど、市民や職員への配慮が欠けています。この暑い梅雨の時期、厳しい財政制約からエアコンを十分に使用できずに窓を開けて耐え凌ぐなど、現場の福祉を支える職員たちの労働環境も限界を迎えています。
​私たちは、この事実を重く受け止めるべきです。
​一方で、松戸市は非常に深刻な財政難に直面しています。その背景には、莫大な赤字を生み出している二つの大きな「箱物」問題があります。
​市民病院(松戸市立総合医療センター)の統合・移転問題
千駄堀への移転・統合を経て誕生した新病院は、全国の自治体病院のなかでも最悪レベルの巨額な最終赤字を記録しています。本業の医業損益のマイナスに加え、一般会計から毎年25億円、あるいは将来的に50億円以上とも予測される巨額の赤字穴埋め(繰出金)が続けられており、市の財政を極限まで圧迫する主因となっています。
​新松戸駅前の再開発問題
巨額の公金投入と事業費の膨張が問題視されている新松戸駅東口の区画整理・再開発事業も、単年度の財政に重い負担をかけ続けています。過去の蓄えを取り崩し、予算を極限まで切り詰めながらどうにか回しているのが、現在の松戸市の苦しい財政のリアルです。
​このような四面楚歌の財政状況のなか、市役所の移転を巡っては「イトーヨーカドー裏の法務局近く(新拠点ゾーン)」への移転案が長く議論されてきました。しかし、この移転案は物価や資材の高騰、傾斜地の造成工事費なども相まって、建設費が当初想定の約217億円から500億円超へと劇的に膨れ上がる見通しとなり、財政的な現実味を完全に失っていました。
​こうした事態を受け、2026年3月、松戸市は大きな方針転換を市議会へ報告しました。これまでの移転計画を断念し、新庁舎を「現市役所敷地」で建て替えることを正式に決定したのです。
​この決定は、EYESROOMとしての提言とも完全に一致する、極めて現実的かつ賢明な判断です。
​これ以上の多額な借金や財政赤字の垂れ流しは、松戸市の未来、そして本来最も予算を割くべき医療や福祉の崩壊へと直結します。イトーヨーカドー裏への巨額の移転ではなく、現敷地をフルに活用し、仮庁舎(周辺の民間ビル等)への一時移転を進めながら、徹底的に予算を削った「最小限かつ最速の建て替え」を行うことしか、道は残されていません。
​無駄な装飾や過剰な規模をすべて排除し、予算を極限まで絞り込むことで、浮いた財源を福祉や命を守る施策へと還元すべきです。
​EYESROOMは、松戸市が「防災に強く、財政を壊さない市役所」を現敷地への建て替えによって早期に実現し、市民が真に安心して暮らせる福祉の街へと再生することを強く提言します。