​〈はじめに:温かい一通のメッセージカード〉
​皆さん、おはようございます。
​私は献血をしてくださる方を一人でも増やすため、毎日SNSを通じて献血の啓蒙活動を発信しています。また、実際の現場においては、木曜日は松戸献血ルーム、金曜日は柏献血ルームにて、街頭での声かけボランティアを組織だって行っています。さらに、福祉支援関係のメディア出演やセミナー、講演会にお声がけいただいた際にも、その貴重な機会の一部を使って献血推進の重要性を訴え続けています。
​街頭での呼びかけや講演の中では、お聴きくださる皆様へ次のように思いをお伝えしています。
​「血液は人工的に作ることができず、保存期間も限られています。そのため、毎日の皆様のご協力と献血が、多くの方の命を救う大切な力となります」
​そう訴えている以上、発信し呼びかける私自身が先頭に立って献血を行う必要があります。
​しかし現在、私は以下の「3つのタスク」を同時に担う3足のわらじを履いています。
​福祉支援団体 EYESROOM
​松戸市視覚障害者協会
​日本赤十字社 献血推進活動
​これらをこなす日々の中では、なかなか自分自身が献血に赴く時間を生み出すのも容易ではありません。そのため昨日は、今年2回目となる400mL献血を行ってまいりました。次回は12月25日に予定しております。男性の400mL献血は年3回までと定められていますので、3回行えば今年度の全血献血としてはやりきったということになります。
​献血を終えたあと、日本赤十字社の職員の方から一通のメッセージカードをいただきました。そこには、実際に輸血を受けた患者さんからの感謝の思いが綴られていました。 
​『献血 ありがとうございます。
自分が輸血治療を受けることになるとは思っていませんでした。
献血は大切な事と思い私も30回行なって来ましたが、今、献血が出来なくなり残念です。
これからも宜しくお願いします。』 
​このカードを手にした時、毎日のSNS発信や街頭での声かけ、そして一回の献血が、確かに誰かの命と心に届いているのだと胸が熱くなりました。
​〈献血の3つの種類とその違い〉
​本日は、献血に対する理解をより深めていただくために、「200mL献血」「400mL献血」「成分献血」という3種類の献血方法について詳しく解説いたします。
​〈200mL献血〉
・概要:血液中のすべての成分(赤血球・白血球・血小板・血漿)をそのまま採血する全血献血です。
・年齢条件:16歳〜69歳(※65歳以上の方は60歳〜64歳の間に献血経験がある方に限ります)
・体重条件:男性45kg以上、女性40kg以上
・間隔と年間回数上限:
 - 次回までの間隔:男女ともに4週間(28日)後から可能
 - 年間上限回数:男性6回以内、女性4回以内(総量上限:男性1,200mL以内、女性800mL以内)
・所要時間:採血自体は約5〜10分程度(受付・問診・休憩含め全体で約30〜45分)
・具体的な例:献血基準を満たした若年層の方や、体重基準により400mL献血ができない方が対象となります。
​〈400mL献血〉
・概要:200mL献血と同様に血液の全成分を採血しますが、一度に倍の量を採血する方法です。
・年齢条件:男性17歳〜69歳、女性18歳〜69歳(※65歳以上は60〜64歳での経験者のみ)
・体重条件:男女ともに50kg以上
・間隔と年間回数上限:
 - 次回までの間隔:男性は8週間(56日)後から、女性は12週間(84日)後から可能
 - 年間上限回数:男性3回以内、女性2回以内(総量上限:男性1,200mL以内、女性800mL以内)
・所要時間:採血自体は約10〜15分程度(受付・問診・休憩含め全体で約40〜60分)
・具体的な例:現在、医療現場で最も広く必要とされている標準的な献血方法です。
​〈成分献血〉
・概要:成分採血装置を使用し、血液中の特定の成分(血漿または血小板)のみを採血し、赤血球や白血球などのその他の成分は再び自分の体内に戻す負担の少ない献血方法です。
・年齢条件:
 - 血漿成分献血:18歳〜69歳(※65歳以上は60〜64歳での経験者のみ)
 - 血小板成分献血:男性18歳〜69歳、女性18歳〜54歳(※65歳以上は60〜64歳での経験者のみ)
・体重条件:男性45kg以上、女性40kg以上
・間隔と年間回数上限:
 - 次回までの間隔:男女ともに2週間(14日)後から可能(血小板献血後1週間で血小板献血をする場合は一部制限あり)
 - 年間上限回数:血小板・血漿を合わせて年間24回まで(血小板献血は1回を2回分と換算)
・所要時間:採血自体に約45〜90分間かかります(受付・問診・休憩含め全体で約90〜120分)
・具体的な例:がん治療や白血病、大規模な手術などで大量の血小板や血漿製剤が必要となる患者さんに使われます。体の回復が早く、短い周期で協力いただけます。
​〈実際の現場運用と追記事項〉
​現在の輸血医療において、医療機関からは「400mL献血」の確保が強く求められています。
​なぜ400mL献血が推奨されるのかというと、ひとりの患者さんが輸血を受ける際、複数の献血者の血液を混ぜて輸血するほど、副作用(発熱・発疹など)が発生する確率が高くなるためです。400mL献血を行うことで、使用する献血者の人数を減らし、患者さんへの負担やリスクを大幅に軽減することができます。
​そのため、200mL献血が行われるのは基本的に以下のような限定的なケースとなります。
・16歳の男性、および16歳・17歳の女性など、400mL献血の年齢基準に満たない若年層の方
・体重が50kg未満で400mL献血の条件を満たさない方
​また、成分献血は非常に重要な役割を果たしている一方で、専用の装置を稼働させるため採血時間が長くなります。献血ルームの規模や時間帯による混雑具合、看護師・ベッドの配置状況によっては受付時間が細かく指定されていたり、早期受付終了となることも往々にしてあります。そのため、初めて献血に来られた方には、所要時間が短く安全に実施できる400mL献血が案内されるケースが多く見られます。
​もし「献血に貢献したいが体重や年齢の制限で400mLができない」という場合には、200mL献血で協力したり、お時間に余裕がある際は成分献血に協力するなど、ご自身の体調や条件に合わせた対応を選択していただくことが大切です。
​〈輸血医療の現状と季節的な課題〉
​日本国内では、輸血医療のために1日あたり「約13,000~14,000人」の献血協力が必要とされています。輸血に用いられる血液製剤は有効期間が非常に短く(例えば血小板製剤は採血後わずか4日間)、保存が効かないため、絶え間ない献血への協力が不可欠です。
​特にこれからの季節、インフルエンザや風邪などの感染症の流行期に入ると、献血協力者数が著しく減少するという深刻な影響が生じます。体調不良による辞退や発熱後の見合わせ(インフルエンザ治癒後も数日間の空けが必要)が重なることで、血液在庫がひっ迫しやすくなります。このような時期こそ、健康な方々の献血への定期的な協力が一層望まれています。
​〈結びにかえて:生きる証としての献血活動〉
​最後になりますが、私自身の思いをお伝えさせてください。
​私は重度の視覚障害を抱えています。近年、日本各地で大規模な自然災害が相次ぎ、被災地でボランティアとして汗を流したいという思いを強く抱いてきました。しかし、目が見えない私には現地で直接的にお役に立つことができず、歯がゆい思いをすることもあります。
​そんな私にできる唯一のこと、そして全身全霊を捧げられること。それが、毎日のSNS発信や街頭、講演会等で心を込めて献血を呼びかけることであり、自分自身も年に3回の400mL献血を実行することです。
​障害を抱えたことで「人にご迷惑をかけているのではないか」と悩むのではなく、自分にできる社会貢献は何かと考え抜いてたどり着いたのが、この献血推進活動です。
​私はもうすぐ61歳を迎えます。70歳の誕生日を迎えるまでに、あと28回の献血を全うしたいと考えています。自分の趣味や個人的な楽しみ以上に、この献血活動に立ち、自ら献血を行うことこそが、私にとって生きている存在証明であり、何よりの誇りです。
​目が見えなくても、声は届きます。言葉は届きます。血は巡ります。
ひとりの呼びかけ、ひとりの献血が、見知らぬ誰かの明日をつないでいます。
​今日、このメッセージを読んでくださった皆様が、どうか近くの献血ルームや献血バスへ足を運んでくださることを、心より願っております。