【運動と寿命の意外な真実!ビッグデータが明かす健康寿命を延ばす正しいアプローチ】

      

【運動と寿命の意外な真実!ビッグデータが明かす健康寿命を延ばす正しいアプローチ】

画像の中央で二分割され、左側は健康を損なう過度な運動、右側は健康を促進する適正な運動の対比をイメージした画像となっています。

40年間にわたり会社経営の第一線に身を置いて大勢の経営者仲間と付き合ってくると、周囲の友人も自然と経営者が多くなります。特に中小企業の経営者を見渡してみると、いわゆる「筋肉バカ」と表現したくなるほど、熱心にジムに通って体を鍛えたり、毎日10km近くをランニングしたりしている人が少なくありません。
​スポーツやトレーニングで体を鍛えることは、体力的にも大きな自信に繋がり、過酷な経営判断を乗り越えるための素晴らしい条件であるように思えます。しかしその反面、私のこれまでの個人的な統計、つまり周囲の実感としては、激しいマラソン競技などに出場している人ほど、比較的早く亡くなってしまう傾向があるように感じていました。
​本来であれば、熱心に体を鍛えている人ほど長生きするはずです。しかし、現実はまるで反比例しているかのように見えます。気になって知人の医師に尋ねてみたところ、ウォーキングでさえ1万歩は多すぎ、8000歩程度が最適であると言われました。過度なトレーニングや過激な運動は、かえって寿命を縮めたり、膝や腰の関節を消耗させて健康を損なったりする原因になるというアドバイスを受けたのです。
​この視点で世の中を広く眺めてみると、プロのスポーツ選手が必ずしも長生きしているわけではないことに気づきます。あれほど常人離れしたトレーニングを積んでいるにもかかわらず、一般の人よりも少し早く亡くなっているケースが目立つような気がしてなりません。
​そこで本日のテーマは、本当に激しい運動は長寿に繋がるのかという疑問について、世界のビッグデータや科学的なエビデンスをもとに徹底分析していきたいと思います。世の中の統計データから、スポーツをあまりしない人と、体を過剰に鍛えている人との寿命の差をはっきりとさせ、現代における正しい健康のあり方を導き出します。
​厚生労働省のデータや、国内外の大規模な追跡調査のビッグデータを分析すると、運動量と死亡リスクの間には、綺麗な反比例ではなく、U字型またはJ字型と呼ばれる関係性があることが分かっています
デンマークのコペンハーゲン市心臓研究が数万人の市民を対象に行った著名な大規模調査(コペンハーゲン・シティ・ハート・スタディ)によると、最も死亡リスクが低く長生きだったのは、週に2回から3回、合計で1時間から2時間半ほど、無理のない適度なペースでジョギングをしていたグループでした。驚くべきことに、時速11km以上の猛スピードで激しいランニングを週に4回以上あるいは合計で週に4時間以上も行うハードなランナーたちの死亡率は、普段全く運動をしていない座りがちな生活をしている人々と、統計学的にほぼ変わらないという結果が出ているのです。
​さらに、米国ハーバード大学をはじめとする研究チームが約66万人分のデータを分析したビッグデータ解析でも、推奨される運動量の3倍から5倍(激しい運動を毎日数時間行うレベル)を超えると、健康へのプラスの効果は頭打ちになり、心臓への負担や突然死のリスクがわずかに上昇することが確認されています。
​つまり、医学的なエビデンスが出した明確な答えは、適度な運動は寿命を延ばすが、過度なトレーニングはかえって寿命を縮めるリスクがあるということです。
​では、なぜ激しい筋力トレーニングや過度な運動が健康を害してしまうのでしょうか。それは、人間の体が本来、過剰な筋肉を肥大させて維持するような構造には作られていないからです。
​野生の動物たちを見てみてください。彼らは毎日ジムで筋トレをしなくても、生まれ持った骨格とバランスで驚くほどのスピードで走り、高い身体能力を発揮します。
​野球界の偉人たちを見ても、この真実がよく見えてきます。世界で最も多くのヒットを量産したイチロー氏は、現役時代に決して筋肉を大きく肥大させるようなトレーニングは行いませんでした。むしろ、関節の可動域を広げ、体全体のバランスを極限まで高めることで、あの驚異的なパフォーマンスと怪我をしない強靭な体を作り上げていたのです。
​現在、ロサンゼルス・ドジャースで小柄ながらも大活躍している山本由伸投手も同様です。彼は重いウエイトを持ち上げる筋トレではなく、ブリッジや矢を射る動作を取り入れた体幹トレーニングや柔軟性を主軸に置いています。誰よりも多くの球数を投げ、過酷なマウンドに立ち続けても、健康的でしなやかな投手生活を送っているのは、筋肉の量ではなくバランスを重視しているからです。
​その反面、大谷翔平選手のように、圧倒的な体格を目指してガンガン筋肉トレーニングを行っている選手は、その強大なパワーに耐えかねて、これまでに2回も肘の手術を経験しています。いくら筋肉を鍛えて強くしても、それを支える靭帯や関節、骨の強さは生まれ持った限界があり、筋肉の出力に負けて摩耗してしまうのです。
​スポーツ医学の専門家である米国のケネス・クーパー博士(エアロビクス理論の提唱者)も、過度な運動は体内に大量の活性酸素を生み出し、細胞を酸化させて老化を早める原因になると警告しています。
​トレーニングの本質とは、ただ単に筋肉の体積を増やすことではなく、自分の体を思い通りに動かすためのバランスを作り、関節や筋を柔らかく伸ばして怪我をしない体を作ることにあるのではないでしょうか。
​人間が豊かに人生を全うする上で最も大切なのは、ただ生きる期間を示す寿命ではなく、自立して健康に動ける期間を示す健康寿命を延ばすことです。
​激しい筋トレで体に無理な負荷をかけ続けるよりも、体幹を鍛えて姿勢を正し、柔軟性を高めて怪我をしない体を作るアプローチのほうが、結果として関節の寿命を伸ばし、一生涯を元気に歩き続けるための健康寿命の延伸に繋がることは、現代の科学的エビデンスを見ても間違いありません。
​今回のビッグデータ分析を経て、私自身が日頃から感じていた違和感は正しかったと確信しました。これからは、見せかけの筋肉量に惑わされることなく、自分の体の声に耳を傾け、体幹とバランスを整える適度な運動を継続していくことが、本当の意味での豊かな長寿への王道だと言えるでしょう。
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